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新たな魔女
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俺とアレシアが屋敷に戻ると、夕方になっていた。
屋敷に入るとランシーヌ達の姿があったのである。
「ただいま」
「戻りました」
俺とアレシアは挨拶をしたが、返ってきた言葉は予想外なものであった。
「遅かったわね? 何処に行ってたの?」
「街中で、ちょっと男が狼藉を働いていてな……。それを俺達で止めたんだよ」
「ふぅん……。それで、どんな奴なの?」
「ナイフを持った男だ。俺達で捕まえて警備隊に引き渡してある」
「そう……。まぁ、無事で良かったわ」
「心配してくれてありがとな」
俺は素直に礼を述べた。
「それよりラドリック、ちょっと話があるから部屋に来てくれない?」
ランシーヌが俺に意味あり気な口調で言ってきた。
「話って何だよ?」
「ここでは言えない内容だから、私の部屋に来て」
「分かったよ……」
俺は溜め息をつきながら、俺はアレシアと別れランシーヌの部屋に向かった。
俺は部屋に入るなり、用件を聞いた。
「何の話があるんだ?」
「まずは座ってくれない?」
「ああ……」
俺は言われるまま椅子に腰掛ける。
「実はね、この町の領主は魔女みたいなのよ」
「何だって……!?」
俺は驚いてしまった。
「驚くのも無理はないかもだけど、落ち着いて聞いてくれる?」
「ああ、勿論だ」
俺は心を落ち着かせ話を聞いた。
「私が酒場で聞いた話では、領主の名はアンドレアと言う名前らしいわ」
「まさか、あのアンドレアなのか!?」
「心当たりでもあるの?」
「いや、今日の昼頃にこの屋敷を訪ねて来たんだ……」
「えっ!? そうなの!?」
「ああ……」
「それと、貴方の幼馴染達は彼女の配下とみて間違いないわ」
「本当かよ……」
俺は驚きのあまり絶句してしまった。
「ラドリック……。大丈夫?」
ランシーヌは俺を心配してくれているようだった。
「大丈夫だ……」
「でも、顔色が悪いわよ?」
「すまない……。少し考え事をしていたんだ」
クレムとアレシアがアンドレアに力を与えられて配下になっているという事実を受け止められずにいたようだ。
俺の脳裏に子供時代に2人と遊んだ記憶や傭兵時代にクレムと一緒に死線をくぐり抜けた日々が浮かんできた。
ランシーヌ以外の魔女の配下ということで俺達の敵であるという事実にも困惑していた。
俺の中で様々な感情が渦巻いていたのである。
「ねぇ、ラドリック……。あの2人を利用してアンドレアの元に案内させるっていうのはどうかしら?」
ランシーヌの提案に耳を傾けた。
「……いい気はしないが、どうやって利用するんだ?」
「それはね……。まず、ミラとニアを明日の夜の集会に連れて行ってもらうの」
「なるほど……。そこで、アンドレアに会わせるのか?」
「そういう事。そして、私も使い魔を使って後を追うわ」
「後から行くのか……?」
「ええ、そうよ。それに、彼女の館は敵の本拠地だから危険でしょう?」
「確かに、危険だろうな……。魔女を相手にするには魔女が必要だ」
俺はエリノーラのことを思い出し魔女の力の深刻さをひしひしと感じていた。
「それなら決まりね。早速、明日決行するわ」
「了解だ。だが、準備をしておかないとな……」
「そうね。私は使い魔の準備をするから、貴方はクレム達に双子も連れて行ってもらうように説得して」
「分かった。何とか説得してみる」
「それじゃあ、お願いね」
そう言って俺達は別れたのであった。
夜になり、俺はクレムの部屋を訪れた。
「クレム、いるか?」
俺が呼びかけると、クレムはドアを開けてくれた。
「ラドリック、どうしたんだ?」
「クレムに頼みたい事があるんだ」
「俺にか?」
「そうだ。お前とアレシアに頼みたいことがある」
「分かった。どんな頼みだ?」
「それで、双子達を明日の夜の集会に参加させたいんだ。頼む!」
俺は頭を下げた。
クレムは話を聞いて暫く考えていた。
「別に構わないが、どうしてなんだ?」
俺はクレムを納得させる為の嘘を即座に考えていた。
「実はな、双子達も領主にお会いしたいらしくてな。それで、俺が領主に会いに行く時に付いて行きたいとのことなんだ」
「そういう事か……」
俺は一か八かの賭けに出た。
上手くいくことを祈りながらクレムの言葉を待つ。
クレムの方も、暫く思案して答えを出した。
「分かった。俺から領主にお願いしてみるよ」
「ありがとう……」
俺はホッと胸を撫で下ろし、自分の部屋に戻って行った。
ラドリックが部屋に戻っていくのを確認し、クレムはアレシアの部屋に訪れていた。
部屋の扉を開けるなり、妹にラドリックの用件を伝えた。
「そうなの……。分かったわ」
「アレシア、本当に良いのか? ラドリックの連れとはいえ素性がどんな奴等かわからんぞ……」
「心配はいらないわ。きっと悪い人達じゃないわ」
「まぁ、お前が良いというのであれば……。俺より、お前の方がアンドレアから信頼されているから俺の代わりに伝えてくれないか?」
「分かったわ」
アレシアは兄の願いを了承すると部屋を出てラドリックの部屋に向かった。
ラドリックの部屋の前に着くと、アレシアは深呼吸してからノックをした。
「はい……」
「アレシアよ。兄さんから話は聞いたわ」
「そうか。入ってくれ」
「失礼するわ……」
アレシアが中に入ると、俺は椅子に座って待っていた。
「明日の夜の事だけど、私から領主に伝えておくわ」
「ありがとう、助かるよ」
俺は礼を述べた。
「それとね、双子達を連れて行くって言っていたけど、その子達は大丈夫なの?」
「ああ、問題ない。彼女達も領主に会ってみたいらしいんだ」
「そうなの……。でも、アンドレア様はちょっと変わっている人物だから注意するようにね……」
「忠告してくれてありがとう……」
俺はアレシアの忠告を聞き、領主である魔女に警戒心を怠らないよう肝に銘じたのだった。
場所は変わって、ここはアンドレアの館の一室。
そこにはアンドレアと2人の少女、少年がいた。
少女の方は10代後半ぐらい、少年の方は10代半ばぐらいである。
2人とも髪は金髪で美形である。2人とも顔が似ているので姉弟であろう。
その2人は、ベッドの上で裸でアンドレアと絡み合っていた。
屋敷に入るとランシーヌ達の姿があったのである。
「ただいま」
「戻りました」
俺とアレシアは挨拶をしたが、返ってきた言葉は予想外なものであった。
「遅かったわね? 何処に行ってたの?」
「街中で、ちょっと男が狼藉を働いていてな……。それを俺達で止めたんだよ」
「ふぅん……。それで、どんな奴なの?」
「ナイフを持った男だ。俺達で捕まえて警備隊に引き渡してある」
「そう……。まぁ、無事で良かったわ」
「心配してくれてありがとな」
俺は素直に礼を述べた。
「それよりラドリック、ちょっと話があるから部屋に来てくれない?」
ランシーヌが俺に意味あり気な口調で言ってきた。
「話って何だよ?」
「ここでは言えない内容だから、私の部屋に来て」
「分かったよ……」
俺は溜め息をつきながら、俺はアレシアと別れランシーヌの部屋に向かった。
俺は部屋に入るなり、用件を聞いた。
「何の話があるんだ?」
「まずは座ってくれない?」
「ああ……」
俺は言われるまま椅子に腰掛ける。
「実はね、この町の領主は魔女みたいなのよ」
「何だって……!?」
俺は驚いてしまった。
「驚くのも無理はないかもだけど、落ち着いて聞いてくれる?」
「ああ、勿論だ」
俺は心を落ち着かせ話を聞いた。
「私が酒場で聞いた話では、領主の名はアンドレアと言う名前らしいわ」
「まさか、あのアンドレアなのか!?」
「心当たりでもあるの?」
「いや、今日の昼頃にこの屋敷を訪ねて来たんだ……」
「えっ!? そうなの!?」
「ああ……」
「それと、貴方の幼馴染達は彼女の配下とみて間違いないわ」
「本当かよ……」
俺は驚きのあまり絶句してしまった。
「ラドリック……。大丈夫?」
ランシーヌは俺を心配してくれているようだった。
「大丈夫だ……」
「でも、顔色が悪いわよ?」
「すまない……。少し考え事をしていたんだ」
クレムとアレシアがアンドレアに力を与えられて配下になっているという事実を受け止められずにいたようだ。
俺の脳裏に子供時代に2人と遊んだ記憶や傭兵時代にクレムと一緒に死線をくぐり抜けた日々が浮かんできた。
ランシーヌ以外の魔女の配下ということで俺達の敵であるという事実にも困惑していた。
俺の中で様々な感情が渦巻いていたのである。
「ねぇ、ラドリック……。あの2人を利用してアンドレアの元に案内させるっていうのはどうかしら?」
ランシーヌの提案に耳を傾けた。
「……いい気はしないが、どうやって利用するんだ?」
「それはね……。まず、ミラとニアを明日の夜の集会に連れて行ってもらうの」
「なるほど……。そこで、アンドレアに会わせるのか?」
「そういう事。そして、私も使い魔を使って後を追うわ」
「後から行くのか……?」
「ええ、そうよ。それに、彼女の館は敵の本拠地だから危険でしょう?」
「確かに、危険だろうな……。魔女を相手にするには魔女が必要だ」
俺はエリノーラのことを思い出し魔女の力の深刻さをひしひしと感じていた。
「それなら決まりね。早速、明日決行するわ」
「了解だ。だが、準備をしておかないとな……」
「そうね。私は使い魔の準備をするから、貴方はクレム達に双子も連れて行ってもらうように説得して」
「分かった。何とか説得してみる」
「それじゃあ、お願いね」
そう言って俺達は別れたのであった。
夜になり、俺はクレムの部屋を訪れた。
「クレム、いるか?」
俺が呼びかけると、クレムはドアを開けてくれた。
「ラドリック、どうしたんだ?」
「クレムに頼みたい事があるんだ」
「俺にか?」
「そうだ。お前とアレシアに頼みたいことがある」
「分かった。どんな頼みだ?」
「それで、双子達を明日の夜の集会に参加させたいんだ。頼む!」
俺は頭を下げた。
クレムは話を聞いて暫く考えていた。
「別に構わないが、どうしてなんだ?」
俺はクレムを納得させる為の嘘を即座に考えていた。
「実はな、双子達も領主にお会いしたいらしくてな。それで、俺が領主に会いに行く時に付いて行きたいとのことなんだ」
「そういう事か……」
俺は一か八かの賭けに出た。
上手くいくことを祈りながらクレムの言葉を待つ。
クレムの方も、暫く思案して答えを出した。
「分かった。俺から領主にお願いしてみるよ」
「ありがとう……」
俺はホッと胸を撫で下ろし、自分の部屋に戻って行った。
ラドリックが部屋に戻っていくのを確認し、クレムはアレシアの部屋に訪れていた。
部屋の扉を開けるなり、妹にラドリックの用件を伝えた。
「そうなの……。分かったわ」
「アレシア、本当に良いのか? ラドリックの連れとはいえ素性がどんな奴等かわからんぞ……」
「心配はいらないわ。きっと悪い人達じゃないわ」
「まぁ、お前が良いというのであれば……。俺より、お前の方がアンドレアから信頼されているから俺の代わりに伝えてくれないか?」
「分かったわ」
アレシアは兄の願いを了承すると部屋を出てラドリックの部屋に向かった。
ラドリックの部屋の前に着くと、アレシアは深呼吸してからノックをした。
「はい……」
「アレシアよ。兄さんから話は聞いたわ」
「そうか。入ってくれ」
「失礼するわ……」
アレシアが中に入ると、俺は椅子に座って待っていた。
「明日の夜の事だけど、私から領主に伝えておくわ」
「ありがとう、助かるよ」
俺は礼を述べた。
「それとね、双子達を連れて行くって言っていたけど、その子達は大丈夫なの?」
「ああ、問題ない。彼女達も領主に会ってみたいらしいんだ」
「そうなの……。でも、アンドレア様はちょっと変わっている人物だから注意するようにね……」
「忠告してくれてありがとう……」
俺はアレシアの忠告を聞き、領主である魔女に警戒心を怠らないよう肝に銘じたのだった。
場所は変わって、ここはアンドレアの館の一室。
そこにはアンドレアと2人の少女、少年がいた。
少女の方は10代後半ぐらい、少年の方は10代半ばぐらいである。
2人とも髪は金髪で美形である。2人とも顔が似ているので姉弟であろう。
その2人は、ベッドの上で裸でアンドレアと絡み合っていた。
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