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修道院での惨劇
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ゴードンの死体を見るとニアが内臓の匂いを嗅いでいた。
「どうしたんだ?」
俺はニアに不思議そうに声をかける。
「吸血鬼化したので臭いわ……。人間だったら食べていたのに……」
ニアは残念そうな表情をしていた。
俺は昨日の夜、ハーキースの内臓を喰らったと言っていたのを思いだしていた。
屍食鬼の能力を持つということは性質も自ずと一緒になるのだろう。
「まあ、我慢してくれ……」
俺は同情しながら言う。
「そうね……」
ニアは渋々といった感じで同意した。
その後、俺達はデムイの修道院を目指し、森を抜け街道に出て移動を始めた。
街道を進んでいけばデムイの街に着くはずだ。俺達は暫く無言で移動していた。
突然、双子達が話しかけてきた。
「ねぇ、貴方は人間のままだったら今頃、何をしていると思う?」
ミラは興味津々とばかりに聞いてきた。
「そうだな……」
俺は考えてみたが思い浮かぶものはなかった。
「考えた事もないな……」
「そうなの……」
双子の姉妹は少し寂しそうに呟いていた。
「君達は、どのようにしてランシーヌと出会ったんだ?」
「私達は元々、普通の村娘として暮らしていたの。だけどある日、村に疫病が流行り両親が罹って病死し、私達も罹ってしまったの……」
「そこで、村に来たランシーヌが病で死に行く私達を見つけて力をくれた……。病で死ぬことはなくなったけど人間ではなくなったわ……」
二人は物哀しい表情で話してくれた。
「そうなのか……」
俺は彼女達が人間のまま病で死んでいくのが良かったのか、魔物として生きていくのが良いのかわからなかった。
「ところで、ランシーヌの使い魔の狼は何処に行ったんだ?」
俺は話題を変えるように聞いてみた。
「あの子は、どこかへ行っちゃったみたいね……。けど、近くでこちらを見守っていると思うわよ。私達に危機が及べば使い魔として助けてくれるでしょうけどね」
ニアは他人事のように言いながら笑っていた。
「……」
俺は彼女の能天気さに呆れながら、もし、自分が同じ立場になったらと想像してみる。
確かに、見守られているというのは心強いかもしれない。
「私達の事は気にしないでいいわよ。いざとなれば、貴方は自分で身を守らなければならないのだから」
ニアは俺の心を見透かしたかのように釘を刺してきた。
「分かってるよ……」
俺は不貞腐れたような態度で答えた。
「それよりも、そろそろ街が見えてくるはずよ」
ニアは前方を見ながら嬉しそうに声を上げた。
俺も前を見てみると前方に街の外壁が見えた。
あれが、デムイの街らしい。俺達は、そのまま街に向かって移動していった。
デムイの街の入口には兵士が二人立っていた。俺達が近づくと警戒するように武器を構えた。
「この街に何の用だ?」
兵士の一人が俺に問いかけてきた。
「俺はヤンテルの教会から魔女疑いのある女達を修道院まで護送中だ。身分証は持っているが確認してくれるか?」
俺は腰袋の中から教会発行の証明書を取り出して見せた。
「分かった……」
もう一人の兵士が俺をじっくり観察すると、俺の持っていた荷物を調べ始めた。
俺の調べが終わると、荷台の檻の中の女達を観察していた。
「この女達が魔女なんだな?」
「彼女達は修道院に保護してもらうつもりだ。魔女かどうかは裁判してもらわないと分からないがな……」
「ふむ……。そういうことなら問題ないだろう。よし、通っていいぞ」
兵士はそう言って女達を薄気味悪い物でも見るように見ていた。
「ありがとう……」
俺は礼を言うと馬車を進めた。
デムイの街中は人通りが多く賑やかであった。
俺は御者台に座り手綱を握っていた。檻の中では双子が暇そうにしていた。
俺は手持無沙汰なのでランシーヌに話しかけた。
「そろそろ、なぜ君達が修道院に行く必要があるのか教えてくれないか?」
「それはね、復讐のためよ!」
ランシーヌは憎悪の表情をし即答した。
「誰に対しての?」
「わからないわ……。けど、魔女として目覚めてからエルミス教に対して激しい怒りを感じるようになったの! そこで、エルミス教の信徒を皆殺しにしてやるつもりだったのよ!」
ランシーヌは歓喜の表情をしていた。
「そんな理由で……」
俺はランシーヌの考えが理解できず絶句していた。
俺もエルミス教の敬虔な信徒ではないが、この国ならず周辺国等の幅広い地域で主に信仰されている宗教である。
魔女とは悪魔と交じり合った女が超自然的な力を持つということは教会の教えで幼少の頃から聞いてきた。
しかし、いくらなんでも、そこまでするだろうか? ランシーヌこそが悪魔ではないかと疑ってしまう。
俺の様子に気付いたのかミラが俺に声をかけてきた。
「どうしたの、顔色が悪いようだけれど?」
「いや、何でもない……」
俺は慌てて否定した。
「そう……」
ニアも心配そうな顔をして俺を見ていた。
俺は彼女達の視線を感じながらも黙って手綱を握っているしかなかった。
暫くすると、俺達は目的の修道院に到着した。
修道院は街の外れにあり、敷地も広く立派な建物だった。
俺が敷地内に入ると修道服を着た男性と屈強な警備員達が出迎えてくれた。
「お待ちしておりました。女達を引き渡せば依頼が完了します」
「分かりました。それで、彼女達の処遇はどうなりますか?」
「はい、こちらで異端審問官が魔女かどうか判断した後、最終的には魔女認定されれば処刑されるでしょう」
「そうですか……」
俺はランシーヌから聞いたことを思いだし、これから起きるであろう惨劇を想像していた。
彼等や中にいる人達、皆ランシーヌによって殺されていくのだろう……。
彼女達は警備員によって手に枷をはめられていた。
「それでは、私はこれで失礼します」
「はい……」
俺は男と別れると修道院の敷地で待機していた。
ランシーヌ達は警備員達に引っ張られながら修道院に入っていった。
修道院に入ると、ある部屋にランシーヌ達は連行されていた。
部屋の中には異端審問官と裁判官や修道院関係者が待っていた。
ランシーヌ達は部屋の中央に座らされた。
「これより、魔女裁判を始める」
裁判官らしき男が厳かに言った。
「被告人は前へ」
「はい……」
ランシーヌは立ち上がり前に進んで行った。
「被告は、質問に正直に答えるように」
「わかりました……」
「まず、あなたの名前を教えなさい」
「はい、私の名はランシーヌです」
ランシーヌは落ち着いた声で答えていた。
彼女の態度は落ち着き払っており、とても嘘を言っているようには見えなかった。
その態度を見た魔女裁判の関係者達はざわめいていた。
「静粛に! 次へ進め……」
「あなたは、ヤンテルの町で魔女の活動をしていたという報告があるが、なぜ魔女となったのですか?」
「はい、私が魔女として目覚めてからエルミス教にとてつもない憎悪が芽生えたからです」
ランシーヌがそう答えると周りがざわつきだしていた。それもそのはず、彼等の信仰している宗教を批判しだしたからである。
ランシーヌは構わずエルミス教を罵り続けていた。
関係者達は彼女の言葉を聞き、やはり悪魔と関係を持ったんだと確信を持った。
彼女の話を聞いていた異端審問官が、ますます険しい表情になっていた。
彼等はランシーヌの話を聞いて、彼女が本当の魔女だと確信しているようであった。
ランシーヌは自分が魔女になった経緯を説明した後、自分の力を見せ付けた。
彼女が両手を引っ張ると、手枷の鎖が千切れ、周りの人間達は唖然としていた。
「この力は、まさに魔女の力だ……」
「間違いない……」
「本物の魔女だ……」
関係者達は、ランシーヌが魔女であることを再確認した。
「この女は魔女だ! 早く死刑にしろ!」
異端審問官は叫び声を上げていた。
「ここで死ぬのは私でなく、あなた達の方よ……」
ランシーヌは邪悪な笑みを浮かべていた。
「お前達、この女達を取り押さえろ!」
異端審問官は警備員に命令していた。
警備員達は剣を抜き構えていた。
「ふふふ……。今から殺される気分はどう?」
ランシーヌは余裕のある笑顔を見せ彼等と対峙していた。
警備員達はランシーヌに近づき取り囲もうとしていた。
ランシーヌはニヤリと笑い、両手を警備員達に向かって突き出した。
すると、警備員達に見えない力により体に無数の切り傷が出来、そこから血が噴き出していた。
警備員達は無数に切り刻まれていき即死した。死体を見て、関係者達は恐怖で震えていた。
ランシーヌはゆっくりと歩きながら、他の者達を見回していた。
彼女は不敵な笑み浮かべ、こう言った。
「こんどは誰から死にたいの……? 貴方達も彼等を楽しませなさい!」
ランシーヌは双子達に命令すると、双子達も手枷の鎖を引き千切り逃げ惑う人々を追いかけ始めた。
「きゃあああ!」
「助けてくれぇ!」
悲鳴が響き渡り、建物内は地獄絵図と化していた。
ミラは次々と人を殺して血を吸い、ニアも追いかけ殺していき内臓を喰らっていた。
修道院から人間達の悲鳴が聞こえだしてから俺は出入り口に近づき剣を抜いて構えていた。
そして、扉から出て来た数名の男女に俺は次々と剣を振り切り殺していった。
俺はランシーヌ達の所に向かうため、建物の中を前進していた。
俺は建物内にいる逃げている人々を斬りつけ、突き刺して殺害していき、彼女達を探し回っていた。
建物内を歩き回り、奥の部屋の前に辿り着いた。
俺は勢いよく部屋のドアを開けて中に入った。
部屋の中は、血生臭くランシーヌが血塗れになって立っていた。周りには多くの人々が血を流して死体となっていた。
ランシーヌは返り血を浴び、妖艶な美しさを放っていた。
そして、その表情は歓喜に満ち打ち震えていたのだった。
「どうしたんだ?」
俺はニアに不思議そうに声をかける。
「吸血鬼化したので臭いわ……。人間だったら食べていたのに……」
ニアは残念そうな表情をしていた。
俺は昨日の夜、ハーキースの内臓を喰らったと言っていたのを思いだしていた。
屍食鬼の能力を持つということは性質も自ずと一緒になるのだろう。
「まあ、我慢してくれ……」
俺は同情しながら言う。
「そうね……」
ニアは渋々といった感じで同意した。
その後、俺達はデムイの修道院を目指し、森を抜け街道に出て移動を始めた。
街道を進んでいけばデムイの街に着くはずだ。俺達は暫く無言で移動していた。
突然、双子達が話しかけてきた。
「ねぇ、貴方は人間のままだったら今頃、何をしていると思う?」
ミラは興味津々とばかりに聞いてきた。
「そうだな……」
俺は考えてみたが思い浮かぶものはなかった。
「考えた事もないな……」
「そうなの……」
双子の姉妹は少し寂しそうに呟いていた。
「君達は、どのようにしてランシーヌと出会ったんだ?」
「私達は元々、普通の村娘として暮らしていたの。だけどある日、村に疫病が流行り両親が罹って病死し、私達も罹ってしまったの……」
「そこで、村に来たランシーヌが病で死に行く私達を見つけて力をくれた……。病で死ぬことはなくなったけど人間ではなくなったわ……」
二人は物哀しい表情で話してくれた。
「そうなのか……」
俺は彼女達が人間のまま病で死んでいくのが良かったのか、魔物として生きていくのが良いのかわからなかった。
「ところで、ランシーヌの使い魔の狼は何処に行ったんだ?」
俺は話題を変えるように聞いてみた。
「あの子は、どこかへ行っちゃったみたいね……。けど、近くでこちらを見守っていると思うわよ。私達に危機が及べば使い魔として助けてくれるでしょうけどね」
ニアは他人事のように言いながら笑っていた。
「……」
俺は彼女の能天気さに呆れながら、もし、自分が同じ立場になったらと想像してみる。
確かに、見守られているというのは心強いかもしれない。
「私達の事は気にしないでいいわよ。いざとなれば、貴方は自分で身を守らなければならないのだから」
ニアは俺の心を見透かしたかのように釘を刺してきた。
「分かってるよ……」
俺は不貞腐れたような態度で答えた。
「それよりも、そろそろ街が見えてくるはずよ」
ニアは前方を見ながら嬉しそうに声を上げた。
俺も前を見てみると前方に街の外壁が見えた。
あれが、デムイの街らしい。俺達は、そのまま街に向かって移動していった。
デムイの街の入口には兵士が二人立っていた。俺達が近づくと警戒するように武器を構えた。
「この街に何の用だ?」
兵士の一人が俺に問いかけてきた。
「俺はヤンテルの教会から魔女疑いのある女達を修道院まで護送中だ。身分証は持っているが確認してくれるか?」
俺は腰袋の中から教会発行の証明書を取り出して見せた。
「分かった……」
もう一人の兵士が俺をじっくり観察すると、俺の持っていた荷物を調べ始めた。
俺の調べが終わると、荷台の檻の中の女達を観察していた。
「この女達が魔女なんだな?」
「彼女達は修道院に保護してもらうつもりだ。魔女かどうかは裁判してもらわないと分からないがな……」
「ふむ……。そういうことなら問題ないだろう。よし、通っていいぞ」
兵士はそう言って女達を薄気味悪い物でも見るように見ていた。
「ありがとう……」
俺は礼を言うと馬車を進めた。
デムイの街中は人通りが多く賑やかであった。
俺は御者台に座り手綱を握っていた。檻の中では双子が暇そうにしていた。
俺は手持無沙汰なのでランシーヌに話しかけた。
「そろそろ、なぜ君達が修道院に行く必要があるのか教えてくれないか?」
「それはね、復讐のためよ!」
ランシーヌは憎悪の表情をし即答した。
「誰に対しての?」
「わからないわ……。けど、魔女として目覚めてからエルミス教に対して激しい怒りを感じるようになったの! そこで、エルミス教の信徒を皆殺しにしてやるつもりだったのよ!」
ランシーヌは歓喜の表情をしていた。
「そんな理由で……」
俺はランシーヌの考えが理解できず絶句していた。
俺もエルミス教の敬虔な信徒ではないが、この国ならず周辺国等の幅広い地域で主に信仰されている宗教である。
魔女とは悪魔と交じり合った女が超自然的な力を持つということは教会の教えで幼少の頃から聞いてきた。
しかし、いくらなんでも、そこまでするだろうか? ランシーヌこそが悪魔ではないかと疑ってしまう。
俺の様子に気付いたのかミラが俺に声をかけてきた。
「どうしたの、顔色が悪いようだけれど?」
「いや、何でもない……」
俺は慌てて否定した。
「そう……」
ニアも心配そうな顔をして俺を見ていた。
俺は彼女達の視線を感じながらも黙って手綱を握っているしかなかった。
暫くすると、俺達は目的の修道院に到着した。
修道院は街の外れにあり、敷地も広く立派な建物だった。
俺が敷地内に入ると修道服を着た男性と屈強な警備員達が出迎えてくれた。
「お待ちしておりました。女達を引き渡せば依頼が完了します」
「分かりました。それで、彼女達の処遇はどうなりますか?」
「はい、こちらで異端審問官が魔女かどうか判断した後、最終的には魔女認定されれば処刑されるでしょう」
「そうですか……」
俺はランシーヌから聞いたことを思いだし、これから起きるであろう惨劇を想像していた。
彼等や中にいる人達、皆ランシーヌによって殺されていくのだろう……。
彼女達は警備員によって手に枷をはめられていた。
「それでは、私はこれで失礼します」
「はい……」
俺は男と別れると修道院の敷地で待機していた。
ランシーヌ達は警備員達に引っ張られながら修道院に入っていった。
修道院に入ると、ある部屋にランシーヌ達は連行されていた。
部屋の中には異端審問官と裁判官や修道院関係者が待っていた。
ランシーヌ達は部屋の中央に座らされた。
「これより、魔女裁判を始める」
裁判官らしき男が厳かに言った。
「被告人は前へ」
「はい……」
ランシーヌは立ち上がり前に進んで行った。
「被告は、質問に正直に答えるように」
「わかりました……」
「まず、あなたの名前を教えなさい」
「はい、私の名はランシーヌです」
ランシーヌは落ち着いた声で答えていた。
彼女の態度は落ち着き払っており、とても嘘を言っているようには見えなかった。
その態度を見た魔女裁判の関係者達はざわめいていた。
「静粛に! 次へ進め……」
「あなたは、ヤンテルの町で魔女の活動をしていたという報告があるが、なぜ魔女となったのですか?」
「はい、私が魔女として目覚めてからエルミス教にとてつもない憎悪が芽生えたからです」
ランシーヌがそう答えると周りがざわつきだしていた。それもそのはず、彼等の信仰している宗教を批判しだしたからである。
ランシーヌは構わずエルミス教を罵り続けていた。
関係者達は彼女の言葉を聞き、やはり悪魔と関係を持ったんだと確信を持った。
彼女の話を聞いていた異端審問官が、ますます険しい表情になっていた。
彼等はランシーヌの話を聞いて、彼女が本当の魔女だと確信しているようであった。
ランシーヌは自分が魔女になった経緯を説明した後、自分の力を見せ付けた。
彼女が両手を引っ張ると、手枷の鎖が千切れ、周りの人間達は唖然としていた。
「この力は、まさに魔女の力だ……」
「間違いない……」
「本物の魔女だ……」
関係者達は、ランシーヌが魔女であることを再確認した。
「この女は魔女だ! 早く死刑にしろ!」
異端審問官は叫び声を上げていた。
「ここで死ぬのは私でなく、あなた達の方よ……」
ランシーヌは邪悪な笑みを浮かべていた。
「お前達、この女達を取り押さえろ!」
異端審問官は警備員に命令していた。
警備員達は剣を抜き構えていた。
「ふふふ……。今から殺される気分はどう?」
ランシーヌは余裕のある笑顔を見せ彼等と対峙していた。
警備員達はランシーヌに近づき取り囲もうとしていた。
ランシーヌはニヤリと笑い、両手を警備員達に向かって突き出した。
すると、警備員達に見えない力により体に無数の切り傷が出来、そこから血が噴き出していた。
警備員達は無数に切り刻まれていき即死した。死体を見て、関係者達は恐怖で震えていた。
ランシーヌはゆっくりと歩きながら、他の者達を見回していた。
彼女は不敵な笑み浮かべ、こう言った。
「こんどは誰から死にたいの……? 貴方達も彼等を楽しませなさい!」
ランシーヌは双子達に命令すると、双子達も手枷の鎖を引き千切り逃げ惑う人々を追いかけ始めた。
「きゃあああ!」
「助けてくれぇ!」
悲鳴が響き渡り、建物内は地獄絵図と化していた。
ミラは次々と人を殺して血を吸い、ニアも追いかけ殺していき内臓を喰らっていた。
修道院から人間達の悲鳴が聞こえだしてから俺は出入り口に近づき剣を抜いて構えていた。
そして、扉から出て来た数名の男女に俺は次々と剣を振り切り殺していった。
俺はランシーヌ達の所に向かうため、建物の中を前進していた。
俺は建物内にいる逃げている人々を斬りつけ、突き刺して殺害していき、彼女達を探し回っていた。
建物内を歩き回り、奥の部屋の前に辿り着いた。
俺は勢いよく部屋のドアを開けて中に入った。
部屋の中は、血生臭くランシーヌが血塗れになって立っていた。周りには多くの人々が血を流して死体となっていた。
ランシーヌは返り血を浴び、妖艶な美しさを放っていた。
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