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番外編 ユリア11歳
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私の名前はユリア・フォン・ダルセン。11歳になるダルセン領領主の娘です。
そしてその領主こそが私の自慢のお義母様、リーチェ・フォン・ダルセン男爵です。
お義母様は元々、名門貴族バルツァー侯爵様のご息女です。
本来なら私と接点がない様な方の筈だったのですが私の父が亡くなる直前に結婚して男爵夫人となったのです。
詳しい理由はわからないのですが特に知りたいとは思いません。
なぜなら私にとって大事な事は私のお義母様であるという事実だけだからです。
お義母様はなんと元々は第二王子殿下のご婚約者だったのです。
王子妃になるには次期国母たる王太子妃と同じ教育を受けなければならない筈です。
道理でお義母様のご教養が素晴らしいのもうなずけます。
お義母様は19という年齢にそぐわない気品とご教養をお持ちの方なのです。
ここへ来る際のお義母様のお気持ちがどの様なものだったのかは知りません。
王子殿下の婚約者と辺境の男爵夫人ではあまりにも差がある事は私でもわかります。
でも、私にとっては神の奇跡の様な幸運だと思っています。
そうでなければ私はお義母様と会えなかったのですから。
お義母様がダルセン領に来てから全てが目まぐるしく変化しました。
以前は特に何もないのどかな田舎だったダルセンですが、風景は変わらずとも人の多さが明らかに変わりました。
町は大きくなり色々なお店も多く立ち並ぶ様になったのです。
そして、最近では「音楽の都」と呼ばれる様になったそうです。
お母様の始めた事業だけでなく、領が豊かになり楽器を持つ人々が増えた影響もあるかもしれません。
お義母様や大好きなお屋敷の人々と過ごすあまりにも幸せな毎日。
でも、時々ふと別の事を想像してしまう時があります。
もしお義母様と出会えなかったら私はどういう日々を送っていたのかと。
だから急に不安になった時、恥ずかしい話ですがこれは現実なのだと確認する為に私はお義母様の寝室に向かいます。
「あらあら、まだ子供ね」
そう云ってお義母様は優しく私を抱きしめて一緒に寝てくれます。
そうして私は安心して眠りにつく事が出来るのです。
もう11にもなるのに恥ずかしい事にまだ私はお義母様離れが出来ません。
ときどき私はお義母様の前では幼児に戻ってしまう様です。
もちろん私とお義母様と血は繋がってはいません。
年齢も8歳しか違わないので領民の皆様にはよく親子というより年の離れた姉妹に見えると云われます。
ですが、私達は間違いなく親子です。
正直、私の中では生みの母を忘れる程にお義母様の存在が大きいのです。
お義母様は私を娘だと言って下さいますし、私も誰に対してもお義母様の娘だと胸を張って言います。
以前、私達は王都の帰り道に暴漢に襲われました。
そしてその時に私は危うく命を落としかけたのです。
お義母様は手の限りを尽くして私を救う為に奔走したと聞きました。
それでも目覚めなかった私の為にお義母様は「創世の二神」様に祈りました。
そしてご自分の聖女の力を全て私に差し出して救って下さったのです。
お義母様は私が一番に愛し、尊敬する存在であり、命の恩人でもあります。
一度お義母様は『自分は「創世の二神」様に試されたのだ』と云った事があります。
そして私に泣いて謝ったのです……。
でも、どんな理由だろうと私に謝罪する必要などありません。
重要な事はお義母様が私を救って下さった事実ですから。
16歳になったら私は王都に行って王立学園に入学しなければなりません。
なぜならそれがこの国に住む貴族の義務だからです。
この学園に入る事で貴族としての心構えを学び、同年代の方々と友誼を結ぶ。
必要な事だと分かってはいますが正直に言ってしまうとこのお屋敷を出る事を考えたくありません。
でも、行かなければならないのなら努力は惜しまないつもりです。
お義母様は引っ込み思案な私にピアノという特技も授けて下さいました。
私の腕はまだまだ未熟なのですが、だからと云って練習に集中しすぎて周りが見えなくなってしまうのは駄目です。
以前私はそうしてしまいお義母様と周りの人達にとても心配をかけてしまいました。
集中するのはいいけど迷惑を掛けない様に練習に励みたいと思います。
お義母様がお話しする事は全てそのまま受け入れる私ですが、唯一少しだけ素直に受け取れない事があります。
他でもない私自身の事に関してです。
お義母様は優しい方なので基本的に私の事をいつも沢山褒めてくれるからです。
私の至らない部分を注意する事もあるのですがそれはとても少ないです。
だからお義母様の優しさに甘え過ぎない様に努力して誰に対しても恥じる事が無い自慢の娘になる。
それが今の私の目標です。
そしてその領主こそが私の自慢のお義母様、リーチェ・フォン・ダルセン男爵です。
お義母様は元々、名門貴族バルツァー侯爵様のご息女です。
本来なら私と接点がない様な方の筈だったのですが私の父が亡くなる直前に結婚して男爵夫人となったのです。
詳しい理由はわからないのですが特に知りたいとは思いません。
なぜなら私にとって大事な事は私のお義母様であるという事実だけだからです。
お義母様はなんと元々は第二王子殿下のご婚約者だったのです。
王子妃になるには次期国母たる王太子妃と同じ教育を受けなければならない筈です。
道理でお義母様のご教養が素晴らしいのもうなずけます。
お義母様は19という年齢にそぐわない気品とご教養をお持ちの方なのです。
ここへ来る際のお義母様のお気持ちがどの様なものだったのかは知りません。
王子殿下の婚約者と辺境の男爵夫人ではあまりにも差がある事は私でもわかります。
でも、私にとっては神の奇跡の様な幸運だと思っています。
そうでなければ私はお義母様と会えなかったのですから。
お義母様がダルセン領に来てから全てが目まぐるしく変化しました。
以前は特に何もないのどかな田舎だったダルセンですが、風景は変わらずとも人の多さが明らかに変わりました。
町は大きくなり色々なお店も多く立ち並ぶ様になったのです。
そして、最近では「音楽の都」と呼ばれる様になったそうです。
お母様の始めた事業だけでなく、領が豊かになり楽器を持つ人々が増えた影響もあるかもしれません。
お義母様や大好きなお屋敷の人々と過ごすあまりにも幸せな毎日。
でも、時々ふと別の事を想像してしまう時があります。
もしお義母様と出会えなかったら私はどういう日々を送っていたのかと。
だから急に不安になった時、恥ずかしい話ですがこれは現実なのだと確認する為に私はお義母様の寝室に向かいます。
「あらあら、まだ子供ね」
そう云ってお義母様は優しく私を抱きしめて一緒に寝てくれます。
そうして私は安心して眠りにつく事が出来るのです。
もう11にもなるのに恥ずかしい事にまだ私はお義母様離れが出来ません。
ときどき私はお義母様の前では幼児に戻ってしまう様です。
もちろん私とお義母様と血は繋がってはいません。
年齢も8歳しか違わないので領民の皆様にはよく親子というより年の離れた姉妹に見えると云われます。
ですが、私達は間違いなく親子です。
正直、私の中では生みの母を忘れる程にお義母様の存在が大きいのです。
お義母様は私を娘だと言って下さいますし、私も誰に対してもお義母様の娘だと胸を張って言います。
以前、私達は王都の帰り道に暴漢に襲われました。
そしてその時に私は危うく命を落としかけたのです。
お義母様は手の限りを尽くして私を救う為に奔走したと聞きました。
それでも目覚めなかった私の為にお義母様は「創世の二神」様に祈りました。
そしてご自分の聖女の力を全て私に差し出して救って下さったのです。
お義母様は私が一番に愛し、尊敬する存在であり、命の恩人でもあります。
一度お義母様は『自分は「創世の二神」様に試されたのだ』と云った事があります。
そして私に泣いて謝ったのです……。
でも、どんな理由だろうと私に謝罪する必要などありません。
重要な事はお義母様が私を救って下さった事実ですから。
16歳になったら私は王都に行って王立学園に入学しなければなりません。
なぜならそれがこの国に住む貴族の義務だからです。
この学園に入る事で貴族としての心構えを学び、同年代の方々と友誼を結ぶ。
必要な事だと分かってはいますが正直に言ってしまうとこのお屋敷を出る事を考えたくありません。
でも、行かなければならないのなら努力は惜しまないつもりです。
お義母様は引っ込み思案な私にピアノという特技も授けて下さいました。
私の腕はまだまだ未熟なのですが、だからと云って練習に集中しすぎて周りが見えなくなってしまうのは駄目です。
以前私はそうしてしまいお義母様と周りの人達にとても心配をかけてしまいました。
集中するのはいいけど迷惑を掛けない様に練習に励みたいと思います。
お義母様がお話しする事は全てそのまま受け入れる私ですが、唯一少しだけ素直に受け取れない事があります。
他でもない私自身の事に関してです。
お義母様は優しい方なので基本的に私の事をいつも沢山褒めてくれるからです。
私の至らない部分を注意する事もあるのですがそれはとても少ないです。
だからお義母様の優しさに甘え過ぎない様に努力して誰に対しても恥じる事が無い自慢の娘になる。
それが今の私の目標です。
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