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幕間・② ブラックドラゴン退治
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闇オークションまであと一週間と一日。
ブラックドラゴンが出たというキングズリー領地にクロードは到着した。
そこにはこの国の魔法師団副師団長のエリック・ホーキンスの飛行魔法でやって来た。
実際クロードがいれば問題はないが、やはり時間短縮や副師団長を連れて行った方がが信用される。それにクロードの見た目は完全に執事だ。信用されないのも無理はない。
小麦色に焼けた肌、長身に鍛え上げた肉体を鎧で包むキングズリー家当主、ジェラルド・キングズリーは極限まで足音を立てないように注意して、まずはクロード達に下見のために案内をしてくれた。
副師団長を交えて明日には討伐をするという。それでは少し遅いなと思ったクロード。早く連れてきてほしいとフィーから言われている。ならもう退治すれば良い。
ブラックドラゴンは敵を認知次第、襲い掛って来る凶暴なモンスターだが、やって来たブラックドラゴンは負傷しているのか岩肌が剥き出している崖の近くを根城にして大人しくしている。
あそこだと言われてクロードは肩から提げていたマジックバッグを確認して霊体化する。
全員がそっと様子を伺っている間にクロードは一気に迫り、巨大なドラゴンに初弾、『引き剥がす』を鱗に打刻した。
硬い物を叩きつけ音のすぐ、鱗にはあの文字が。次の瞬間、ぶちん! とゴムがぶち切れたような音がブラックドラゴンの全身から迸った。
突然の苦痛に悶えて身をよじっている。
そこにマジックバッグの口を広げてブラックドラゴンを吸い込む。面白いほど簡単に巨体が収まった。
一分もかからないまま、ブラックドラゴン討伐は終了した。
呆然としているジェラルドにクロードはマジックバッグを渡す。
「こちらがブラックドラゴンが入っているマジックバッグです。どうぞご確認下さい」
感情表現の仕方が分かっていないクロードは周囲が「いっ!? 今のは何だ!?」と驚いている理由がまだよく分かっていなかった。
ここにハッテルミーか誰かいれば説明をしただろうがクロードはそれは自分が知っている事であるため、詳しい説明もしようと思わない。付喪神の悪い癖を絶賛発揮中である。
開いたままのマジックバッグをむんずと押し付けて、クロードは討伐が完了したと言う。
これにはジェラルドも目を白黒させながら画面を見下ろす。これは被害者達が入っていたマジックバッグだ。中身は桃色と黒い物に別れていた。その黒い方を長押しして、説明欄を出す。
◇◇◇
『ロックドラゴンの外皮』
状態:最良
黒く染色されている
傷 :極少
◇◇◇
「「ロックドラゴン?!」」
ジェラルドとエリックは声を揃えて驚愕した。
ちなみに桃色の方もロックドラゴンと書いてあって、状態は『生きている』だった。
「さぁ、お城様がお待ちですジェラルド・キングズリー様。アジュールへ向かいましょう」
「えっ?! いや、ちょっと待って下さい! これは、どういう?!」
「いや、詳しい説明は道中にしましょう」
エリックがすかさずそう告げた。ジェラルド達は領地の家までとんぼ返り。事情説明の方がブラックドラゴンーー改めて、ロックドラゴン退治より時間が掛かったのだった。
ブラックドラゴンが出たというキングズリー領地にクロードは到着した。
そこにはこの国の魔法師団副師団長のエリック・ホーキンスの飛行魔法でやって来た。
実際クロードがいれば問題はないが、やはり時間短縮や副師団長を連れて行った方がが信用される。それにクロードの見た目は完全に執事だ。信用されないのも無理はない。
小麦色に焼けた肌、長身に鍛え上げた肉体を鎧で包むキングズリー家当主、ジェラルド・キングズリーは極限まで足音を立てないように注意して、まずはクロード達に下見のために案内をしてくれた。
副師団長を交えて明日には討伐をするという。それでは少し遅いなと思ったクロード。早く連れてきてほしいとフィーから言われている。ならもう退治すれば良い。
ブラックドラゴンは敵を認知次第、襲い掛って来る凶暴なモンスターだが、やって来たブラックドラゴンは負傷しているのか岩肌が剥き出している崖の近くを根城にして大人しくしている。
あそこだと言われてクロードは肩から提げていたマジックバッグを確認して霊体化する。
全員がそっと様子を伺っている間にクロードは一気に迫り、巨大なドラゴンに初弾、『引き剥がす』を鱗に打刻した。
硬い物を叩きつけ音のすぐ、鱗にはあの文字が。次の瞬間、ぶちん! とゴムがぶち切れたような音がブラックドラゴンの全身から迸った。
突然の苦痛に悶えて身をよじっている。
そこにマジックバッグの口を広げてブラックドラゴンを吸い込む。面白いほど簡単に巨体が収まった。
一分もかからないまま、ブラックドラゴン討伐は終了した。
呆然としているジェラルドにクロードはマジックバッグを渡す。
「こちらがブラックドラゴンが入っているマジックバッグです。どうぞご確認下さい」
感情表現の仕方が分かっていないクロードは周囲が「いっ!? 今のは何だ!?」と驚いている理由がまだよく分かっていなかった。
ここにハッテルミーか誰かいれば説明をしただろうがクロードはそれは自分が知っている事であるため、詳しい説明もしようと思わない。付喪神の悪い癖を絶賛発揮中である。
開いたままのマジックバッグをむんずと押し付けて、クロードは討伐が完了したと言う。
これにはジェラルドも目を白黒させながら画面を見下ろす。これは被害者達が入っていたマジックバッグだ。中身は桃色と黒い物に別れていた。その黒い方を長押しして、説明欄を出す。
◇◇◇
『ロックドラゴンの外皮』
状態:最良
黒く染色されている
傷 :極少
◇◇◇
「「ロックドラゴン?!」」
ジェラルドとエリックは声を揃えて驚愕した。
ちなみに桃色の方もロックドラゴンと書いてあって、状態は『生きている』だった。
「さぁ、お城様がお待ちですジェラルド・キングズリー様。アジュールへ向かいましょう」
「えっ?! いや、ちょっと待って下さい! これは、どういう?!」
「いや、詳しい説明は道中にしましょう」
エリックがすかさずそう告げた。ジェラルド達は領地の家までとんぼ返り。事情説明の方がブラックドラゴンーー改めて、ロックドラゴン退治より時間が掛かったのだった。
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