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ヴァレリアはブランドと言われてもどういう物がよく分からないので、前世で見たことのあるデザインを片っ端から引き出し、作れそうなものを取り敢えず作ってもらう。
最近のゲームは飾り結びのデザインが多い、キューブ好きなんだと描いているうちにキャラデザからもパクり始めていた。
そこで脳筋は魔道具から武器出てきたら格好良いんじゃねとオタク発想。異世界でもオタクはオタクだった。
ヴァレリアは弓を使っている。矢が切れても保険があれば良いなと思ったのもあるが、この世にはマジックバッグがある。
小さい物でも大金貨三枚する高級品だが、大量に素材を入れて軽々持ち運べるという利点が冒険者だけでなく貴族にも好まれている。
ならば、マジックバッグより容量が少なかろうと重たい武器を軽々と運べて手で握れるなら便利ではないだろうか。
ただの思い付きだと言った二週間後、三人はマジでブレスレットタイプの試作を持ってきた。アルトが試してみると掌に訓練用の木剣が掌ですぐに握れる位置に現れた。それはとっても格好良い。
一方大きなスーツケースの中にはヴァレリアがパクりまくったデザインのアクセサリーが整然と並べられており、アクセサリーを試着するためにドレスで合わせる着せ替え人形にされた。
その様子を見守ったアルトはご満悦、シャノンとローガンまで孫を見守っている気分でのほほんとしている。
「武器用の収納魔道具以外は良いだろう」
「何でですか?」
発想は画期的だしアルトは絶対にほしいと言うが、まずはそのデザイン性が高いことだ。
悪人がパーティーにそれを着けても怪しまれない。それでは王族の首を狙いやすくなってしまうし、毒を隠して持ち歩くことすら容易い。
だが、王族であれば話は逆だ。何かあった時に自衛ができて、武器が弾き飛ばされても予備で応戦できる。
アルトは翌日、ジェマを伴って魔道具を試験しに城へ行った。帰って来たアルトは高評価だったことと、
「王家紋章を使ったデザインに変更してほしいって言われたよ。七つも受注してくれたんだ」
「へっ?!」
紋章は貴族にとって重要だ。
その家を守り抜いてきた証であり、その家の人間である証明書の役割も担う。
紋章には一つとして同じ物はない。分家であろうとも同じ物を使用してはならないし、紋章の登録が法律で義務付けられている。登録しない家には罰則もあるほどだ。
最近のゲームは飾り結びのデザインが多い、キューブ好きなんだと描いているうちにキャラデザからもパクり始めていた。
そこで脳筋は魔道具から武器出てきたら格好良いんじゃねとオタク発想。異世界でもオタクはオタクだった。
ヴァレリアは弓を使っている。矢が切れても保険があれば良いなと思ったのもあるが、この世にはマジックバッグがある。
小さい物でも大金貨三枚する高級品だが、大量に素材を入れて軽々持ち運べるという利点が冒険者だけでなく貴族にも好まれている。
ならば、マジックバッグより容量が少なかろうと重たい武器を軽々と運べて手で握れるなら便利ではないだろうか。
ただの思い付きだと言った二週間後、三人はマジでブレスレットタイプの試作を持ってきた。アルトが試してみると掌に訓練用の木剣が掌ですぐに握れる位置に現れた。それはとっても格好良い。
一方大きなスーツケースの中にはヴァレリアがパクりまくったデザインのアクセサリーが整然と並べられており、アクセサリーを試着するためにドレスで合わせる着せ替え人形にされた。
その様子を見守ったアルトはご満悦、シャノンとローガンまで孫を見守っている気分でのほほんとしている。
「武器用の収納魔道具以外は良いだろう」
「何でですか?」
発想は画期的だしアルトは絶対にほしいと言うが、まずはそのデザイン性が高いことだ。
悪人がパーティーにそれを着けても怪しまれない。それでは王族の首を狙いやすくなってしまうし、毒を隠して持ち歩くことすら容易い。
だが、王族であれば話は逆だ。何かあった時に自衛ができて、武器が弾き飛ばされても予備で応戦できる。
アルトは翌日、ジェマを伴って魔道具を試験しに城へ行った。帰って来たアルトは高評価だったことと、
「王家紋章を使ったデザインに変更してほしいって言われたよ。七つも受注してくれたんだ」
「へっ?!」
紋章は貴族にとって重要だ。
その家を守り抜いてきた証であり、その家の人間である証明書の役割も担う。
紋章には一つとして同じ物はない。分家であろうとも同じ物を使用してはならないし、紋章の登録が法律で義務付けられている。登録しない家には罰則もあるほどだ。
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