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エピローグ そして、4年後
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エマの処遇だが、冒険者ギルドや国にも手に負えないほどのレベルになってしまったため、ガイアが全面的に面倒を見てもらうしかなく、彼に保護者になってもらった。
国からの介入は殆どない。一時期は地龍の加護を持つエマと交渉しようとした権力者もいたが、スキル特務部隊とガイアの『龍脈操作』によりエマと接触は誰も叶わなかった。
ある意味で国と繋がりがあるとするのは、エマがスキルの倉庫役をやると手を上げたため、スキル特務部隊の協力者として行動することが増えたから。
エマ自身は冒険者として活動することを選んだが、スキルの優位性だけで虐げられてきた人間として、その犯罪者達が自らを省みることがないままなのは腹立たしい。そう思って申し出た。
兄に顔を合わせるのは嫌だったが、希少スキルを鼻に掛けて反省していない連中は農作業奴隷として押し込んだ。
再び、兄からも『聖剣』を奪い取った。兄はまだ牢屋での行いが良かったため、ギリギリここに残ることになっているらしい。正直、農作業やってろとは思うが。
優しい町の人達、理解あるスキル特務部隊の人達、そしてガイアの元で、エマはのびのびと成長することができた。
エマは体の調整をまず覚えて、二重詠唱、魔力感知、その他欲しかったアビリティは全部ガイアや冒険者ギルドの人達にご助力願って習得することができた。一番大変だったのは、すごく使い勝手の良かった『縮地』だ。
そうやって、4年間という月日が経った。
エマは、14歳になった。
「あぁ、寂しくなるな」
「私もです、ガイアさん。私もみんなと別れるのは寂しいです……でも、冒険に行ってきます!」
本当にガイアは寂しそうに言ってくれる。
エマを本当の家族のように、本当に大事に想ってくれた。それがどれだけ幸福なことか、この4年間でエマは十分思い知った。
一歩家の外に出れば、エマはこんなに幸福だと知った。
優しい人が、たくさんいるって分かった。
だから、もう誰かに依存する必要もない。
私が進みたい道を応援してくれる人が、家ではない外の世界に居ると、改めて知ったから。
エマは準備した荷物、いっぱい作ったマドレーヌをマジックバッグに詰めて、準備万端。向かう先も決まっている。海を見に行きたい。
犯罪者から奪ったスキルは緊急時以外使わないことを条件に、エマはスキルを保持したままだ。
この4年間でスキルを他者に移し替えることが出来るスキルを持った人が特務部隊に入隊したけれど、私に預けてくれることにしてくれた。それで良いのか、何回も聞き返してしまった。
動きやすい服装でエマはメイアの町に集まってくれた冒険者やスキル特務部隊の人達、一部お世話になった貴族、それにルルベールで新しい宿を建てたトニカ。そして、町の人達に見送りされて、エマは手を大きく振る。
「行ってきまーす!」
《行ってきまーす!》
人には聞こえないけれど、並列思考の舞もそう言った。
エマは、舞の分も手をいっぱい振ると元気よく、晴れ渡った空の下を走り出す。
異様な量の土埃を上げて、エマはまだ見ぬ世界のその先へ駆け出した。
おわり
国からの介入は殆どない。一時期は地龍の加護を持つエマと交渉しようとした権力者もいたが、スキル特務部隊とガイアの『龍脈操作』によりエマと接触は誰も叶わなかった。
ある意味で国と繋がりがあるとするのは、エマがスキルの倉庫役をやると手を上げたため、スキル特務部隊の協力者として行動することが増えたから。
エマ自身は冒険者として活動することを選んだが、スキルの優位性だけで虐げられてきた人間として、その犯罪者達が自らを省みることがないままなのは腹立たしい。そう思って申し出た。
兄に顔を合わせるのは嫌だったが、希少スキルを鼻に掛けて反省していない連中は農作業奴隷として押し込んだ。
再び、兄からも『聖剣』を奪い取った。兄はまだ牢屋での行いが良かったため、ギリギリここに残ることになっているらしい。正直、農作業やってろとは思うが。
優しい町の人達、理解あるスキル特務部隊の人達、そしてガイアの元で、エマはのびのびと成長することができた。
エマは体の調整をまず覚えて、二重詠唱、魔力感知、その他欲しかったアビリティは全部ガイアや冒険者ギルドの人達にご助力願って習得することができた。一番大変だったのは、すごく使い勝手の良かった『縮地』だ。
そうやって、4年間という月日が経った。
エマは、14歳になった。
「あぁ、寂しくなるな」
「私もです、ガイアさん。私もみんなと別れるのは寂しいです……でも、冒険に行ってきます!」
本当にガイアは寂しそうに言ってくれる。
エマを本当の家族のように、本当に大事に想ってくれた。それがどれだけ幸福なことか、この4年間でエマは十分思い知った。
一歩家の外に出れば、エマはこんなに幸福だと知った。
優しい人が、たくさんいるって分かった。
だから、もう誰かに依存する必要もない。
私が進みたい道を応援してくれる人が、家ではない外の世界に居ると、改めて知ったから。
エマは準備した荷物、いっぱい作ったマドレーヌをマジックバッグに詰めて、準備万端。向かう先も決まっている。海を見に行きたい。
犯罪者から奪ったスキルは緊急時以外使わないことを条件に、エマはスキルを保持したままだ。
この4年間でスキルを他者に移し替えることが出来るスキルを持った人が特務部隊に入隊したけれど、私に預けてくれることにしてくれた。それで良いのか、何回も聞き返してしまった。
動きやすい服装でエマはメイアの町に集まってくれた冒険者やスキル特務部隊の人達、一部お世話になった貴族、それにルルベールで新しい宿を建てたトニカ。そして、町の人達に見送りされて、エマは手を大きく振る。
「行ってきまーす!」
《行ってきまーす!》
人には聞こえないけれど、並列思考の舞もそう言った。
エマは、舞の分も手をいっぱい振ると元気よく、晴れ渡った空の下を走り出す。
異様な量の土埃を上げて、エマはまだ見ぬ世界のその先へ駆け出した。
おわり
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