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65話 地龍・ガイアと戦闘開始
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すぐに体がアルフレッドを追いかけてしまう。何か、新手の追っ掛けしてるみたいだ。それが殺意に向いている。
今も、確実にアルフレッドを狙って『みじん切り』スキル使おうとした! 自分が怖い! 人間のひき肉なんて怖いよ!!
アルフレッドを強襲しながらも、その間には必ずガイアが割って入ってくれる。
何かを感じたからか、ガイアはさっきのようにエマの攻撃を受け止めることなく脇腹を凪ぐようにその場所から強制的に距離を離す。
壁にめり込むようにぶつかったが、ちょっと痛いだけ。ぼろぼろと壁から破片は崩れ落ちたが、それはすぐに修復されてしまう。
《エマ、私と代わる?》
「か、代わる? 代わるって何?!」
《思考の主導権っていうのかな? 今の並列思考のもう一人……私に任せるんだよ。私、何かフリーな感じがするんだよね》
これがエマの思考にかかっているのか、それとも無意識そのものに干渉をしているのか。どちらにせよ、一度交代してみれば、何か分かるかもしれない。
アルフレッドは着々と敵の数を減らしている。
もう少し、エマにも何かができれば……。
「わ、分かった、やってみる!」
イメージは分からないが、エマの姿が奥に引っ込む形で、記憶の中の舞が浮上する感じ。
すると、ふっとエマの意識が閉ざされた気がする。
どこか自分自身を他人事のように見ているような。
『マイ、か?』
『えぇっ? 所見でそれって分かるものなの?? ていうか、何で私の名前知ってるの?』
『君は、エマの姉なのだろう? 先の会話からも、君とエマが入れ替わった可能性は否定できない。それに、体の構え方が少々違う。エマは右利きだが、君は恐らく左利きだな?』
ガイアと舞が普通に会話している。ガイアとおしゃべりしているのは見えるのに、遠くの映像を見ているような、そんな気がする。
今までの緊張や、嫌な気持ち、そんなものが、あんまり感じられない。思考ってこんなに違うものなのだろうか?
『単純に言えば二重人格だ。意識を基幹とし、思考は二分している。本来なら思考に意識は一つ。片側が眠るしかないが、今の君達は並列思考で二つの思考が動いている状態だな』
『そうなんだ、勉強になるなー』
《舞、めちゃくちゃ他人事》
(えへっ☆ ごめん☆ でもこれが終わらないと、マドレーヌが食べれないじゃん?)
舞が作ったマドレーヌ……きっとおいしいんだろうなぁ……。
(でもその間に、今あるスキルを使って実験に付き合ってくれそうな人がいるじゃない☆)
《舞、それってスキルで遊ぶ気満々だよね?》
大丈夫だってと舞は楽しそうに笑っている。
(操られてるし、仕方ないじゃん? それにレベル999のドラゴンだし思いっ切りやっても問題ないっしょ☆)
《舞~~!!》
えいっ! と、軽い調子で舞はガイアを思いっ切りぶん殴りに行く。
両腕からラッシュが繰り出されて、アッパー繰り出しながら、くるりと足から無詠唱のウィンドスラッシュを放つ。普通なら体が真っ二つになるウィンドスラッシュを受け止めたガイア。服に小さな傷を作るだけに留まったが、「ははっ」と彼は笑う。
『面白い。来なさい、君のその想像力を受け止めよう』
「お願いしまーす!」そう言いながら、舞は容赦も遠慮もなく……聖属性極級魔法・ディバインライトを頭上に展開した。
《ねぇ、舞?! やり過ぎだよぉ!》
(いや、どんな魔法なのか見てみたくて)
《他人事!!》
今も、確実にアルフレッドを狙って『みじん切り』スキル使おうとした! 自分が怖い! 人間のひき肉なんて怖いよ!!
アルフレッドを強襲しながらも、その間には必ずガイアが割って入ってくれる。
何かを感じたからか、ガイアはさっきのようにエマの攻撃を受け止めることなく脇腹を凪ぐようにその場所から強制的に距離を離す。
壁にめり込むようにぶつかったが、ちょっと痛いだけ。ぼろぼろと壁から破片は崩れ落ちたが、それはすぐに修復されてしまう。
《エマ、私と代わる?》
「か、代わる? 代わるって何?!」
《思考の主導権っていうのかな? 今の並列思考のもう一人……私に任せるんだよ。私、何かフリーな感じがするんだよね》
これがエマの思考にかかっているのか、それとも無意識そのものに干渉をしているのか。どちらにせよ、一度交代してみれば、何か分かるかもしれない。
アルフレッドは着々と敵の数を減らしている。
もう少し、エマにも何かができれば……。
「わ、分かった、やってみる!」
イメージは分からないが、エマの姿が奥に引っ込む形で、記憶の中の舞が浮上する感じ。
すると、ふっとエマの意識が閉ざされた気がする。
どこか自分自身を他人事のように見ているような。
『マイ、か?』
『えぇっ? 所見でそれって分かるものなの?? ていうか、何で私の名前知ってるの?』
『君は、エマの姉なのだろう? 先の会話からも、君とエマが入れ替わった可能性は否定できない。それに、体の構え方が少々違う。エマは右利きだが、君は恐らく左利きだな?』
ガイアと舞が普通に会話している。ガイアとおしゃべりしているのは見えるのに、遠くの映像を見ているような、そんな気がする。
今までの緊張や、嫌な気持ち、そんなものが、あんまり感じられない。思考ってこんなに違うものなのだろうか?
『単純に言えば二重人格だ。意識を基幹とし、思考は二分している。本来なら思考に意識は一つ。片側が眠るしかないが、今の君達は並列思考で二つの思考が動いている状態だな』
『そうなんだ、勉強になるなー』
《舞、めちゃくちゃ他人事》
(えへっ☆ ごめん☆ でもこれが終わらないと、マドレーヌが食べれないじゃん?)
舞が作ったマドレーヌ……きっとおいしいんだろうなぁ……。
(でもその間に、今あるスキルを使って実験に付き合ってくれそうな人がいるじゃない☆)
《舞、それってスキルで遊ぶ気満々だよね?》
大丈夫だってと舞は楽しそうに笑っている。
(操られてるし、仕方ないじゃん? それにレベル999のドラゴンだし思いっ切りやっても問題ないっしょ☆)
《舞~~!!》
えいっ! と、軽い調子で舞はガイアを思いっ切りぶん殴りに行く。
両腕からラッシュが繰り出されて、アッパー繰り出しながら、くるりと足から無詠唱のウィンドスラッシュを放つ。普通なら体が真っ二つになるウィンドスラッシュを受け止めたガイア。服に小さな傷を作るだけに留まったが、「ははっ」と彼は笑う。
『面白い。来なさい、君のその想像力を受け止めよう』
「お願いしまーす!」そう言いながら、舞は容赦も遠慮もなく……聖属性極級魔法・ディバインライトを頭上に展開した。
《ねぇ、舞?! やり過ぎだよぉ!》
(いや、どんな魔法なのか見てみたくて)
《他人事!!》
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