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49話 地龍神殿、再び
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「見えてきたなー。初めて見た」
遠くに地龍の神殿が見えた。
エマはヴォルグと同じ馬に乗せてもらっている。同行はトレバーとコリンナ、土属性の魔法使いであるイザーク。スキル特務部隊からは、黄色い髪に眼鏡を掛けた青年・ルクセン。
そして、先頭にいるアルフレッド。結構目立つ。
「地元人あるあるだよなー」とトレバーも初めて来たと言う。
「まぁ、俺外国人だけど」
「え? スキル特務部隊なのに?」
「うちほぼ外国人だぞ。ロウェスタリア人って言ったら、アル……隊長とキャシー、それから最近入って来たサニアさんぐらいじゃないか?」
到着した地龍神殿に降り立つ。
そよそよと、草原に混じったアースティアーと風が靡いている。
「な? 赤い実なんてないだろ?」トレバーが腰に手を当てる。
「確かに、見えないな」ヴォルグが同意した。
だが、イザークは青い顔をしている。それに、馬から降りようとしない。
「見えない、んですか? 大量にありますよ……気味が悪い」
「同じく私にも見える。夥しい量だ」そうアルフレッドも言った。
(そんなにあるんだ……)
エマにも振られたが、2人ほど多いようには見えない。指で指し示す程度にしか見当たらない
ルクセンがイザークの肩を掴む。彼のスキルは『共有』。対象と様々な感覚を共有することができるスキルだ。今回は視覚の共有を行うという。そう説明してからルクセンがスキルを使うと、彼の瞳は青くきらきらと光を放った。
「確認できました。赤い実のイビルティア―があります……本当に、気持ち悪いぐらいすごい量だ……」
次にエマの視覚も共有。特に変な感覚になったりしなかったが、ルクセンもエマと同様にあまり見当たらないという。エマは土属性持ちの人とは見え方に差があるという結果だ。
「でもそれなら、私は土属性を持っていないのに、どうして見えるんでしょう?」
「エマちゃんのは恐らく、『邪龍の使徒』の呪いを体内に取り込んだからだと思う。戻しはしたけど、その残滓が土属性なんだ。それと共鳴している可能性は高い」
「不思議ですね、属性共鳴って……」
これで分かったな、とアルフレッドは神殿を見上げる。
「ドラゴンが手を貸している」
その一言に緊張が走る。
そうして、アルフレッドは神殿の踊り場へと上がり、エマも見えているイビルティアーの前に立ち止まる。
「ヴォルグ。私に何かあったら、後を任せる」
「いやだ。その実取って変なモン体に入れたら、エマちゃんに頼んで盗ってもらうからな」
アルフレッドが、ヴォルグを睨みつけるように振り返った。
「まだ何が起きるかは判明していない」
「いーや、今ので分かった。間違いなく『邪龍の使徒』関連の何かが体内に入る。絶対にダメだ。お前が死んだら、俺がスキル特務部隊の隊長にエスカレーター式に任命されるだろーが! 俺は、師匠の所に帰りたいから絶対に嫌だ! せめて後任を俺以外に据えてからにしろ、面倒くせぇ!!」
どん! と聞こえてきそうなほど清々しい理由でヴォルグは腕を組んで言い放つ。エマの目には「ヴォルグ~!」と力強い文字が彼の背後に見える気がした。
遠くに地龍の神殿が見えた。
エマはヴォルグと同じ馬に乗せてもらっている。同行はトレバーとコリンナ、土属性の魔法使いであるイザーク。スキル特務部隊からは、黄色い髪に眼鏡を掛けた青年・ルクセン。
そして、先頭にいるアルフレッド。結構目立つ。
「地元人あるあるだよなー」とトレバーも初めて来たと言う。
「まぁ、俺外国人だけど」
「え? スキル特務部隊なのに?」
「うちほぼ外国人だぞ。ロウェスタリア人って言ったら、アル……隊長とキャシー、それから最近入って来たサニアさんぐらいじゃないか?」
到着した地龍神殿に降り立つ。
そよそよと、草原に混じったアースティアーと風が靡いている。
「な? 赤い実なんてないだろ?」トレバーが腰に手を当てる。
「確かに、見えないな」ヴォルグが同意した。
だが、イザークは青い顔をしている。それに、馬から降りようとしない。
「見えない、んですか? 大量にありますよ……気味が悪い」
「同じく私にも見える。夥しい量だ」そうアルフレッドも言った。
(そんなにあるんだ……)
エマにも振られたが、2人ほど多いようには見えない。指で指し示す程度にしか見当たらない
ルクセンがイザークの肩を掴む。彼のスキルは『共有』。対象と様々な感覚を共有することができるスキルだ。今回は視覚の共有を行うという。そう説明してからルクセンがスキルを使うと、彼の瞳は青くきらきらと光を放った。
「確認できました。赤い実のイビルティア―があります……本当に、気持ち悪いぐらいすごい量だ……」
次にエマの視覚も共有。特に変な感覚になったりしなかったが、ルクセンもエマと同様にあまり見当たらないという。エマは土属性持ちの人とは見え方に差があるという結果だ。
「でもそれなら、私は土属性を持っていないのに、どうして見えるんでしょう?」
「エマちゃんのは恐らく、『邪龍の使徒』の呪いを体内に取り込んだからだと思う。戻しはしたけど、その残滓が土属性なんだ。それと共鳴している可能性は高い」
「不思議ですね、属性共鳴って……」
これで分かったな、とアルフレッドは神殿を見上げる。
「ドラゴンが手を貸している」
その一言に緊張が走る。
そうして、アルフレッドは神殿の踊り場へと上がり、エマも見えているイビルティアーの前に立ち止まる。
「ヴォルグ。私に何かあったら、後を任せる」
「いやだ。その実取って変なモン体に入れたら、エマちゃんに頼んで盗ってもらうからな」
アルフレッドが、ヴォルグを睨みつけるように振り返った。
「まだ何が起きるかは判明していない」
「いーや、今ので分かった。間違いなく『邪龍の使徒』関連の何かが体内に入る。絶対にダメだ。お前が死んだら、俺がスキル特務部隊の隊長にエスカレーター式に任命されるだろーが! 俺は、師匠の所に帰りたいから絶対に嫌だ! せめて後任を俺以外に据えてからにしろ、面倒くせぇ!!」
どん! と聞こえてきそうなほど清々しい理由でヴォルグは腕を組んで言い放つ。エマの目には「ヴォルグ~!」と力強い文字が彼の背後に見える気がした。
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