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45話 ギルドカードの虚偽登録
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「で、冒険者ギルドではな。偽名で登録した人間の諸事情が分かれば、所定の手続きを踏むことで冒険者業を続けられるんだ」
冒険者になる人間の中には、借金奴隷から自由になった人間や、服役を得て解放された犯罪者や、身分を剥奪された貴族など様々な人間の受け皿となっている。
冤罪者の中には名前がバレると冒険者間で迫害されることがある。理解してくれる人間ばかりではなく、偽らないと受け入れられないことが多いのだ。
エマの場合は諸事情ある貴族として、今回は免除されるだろう。
ジェームズに残ってもらったのは、この話を聞いたうえで受け入れの成否を聞くためだ。
ジェームズは、そんな理由ならとエマの受け入れを許可してくれた。
「ただ、エマちゃんは事情を知らないで依頼を一つ受けただろう? その手続き、実は虚偽報告として冒険者ギルドでは対処が結構面倒になるんだ」
冒険者のギルドカードには、血中魔素による情報が登録されている。依頼を完了した時、依頼をこなした数と、名前が記録されることになる。ギルドカードを作るのは楽チンだが、依頼の受注と完了後の登録は魔道具を使って職員の手作業になる。
ここで依頼を受けた時の名前を偽名に変えていると申告してくれれば、実は問題はなかった。所定の手続きを踏んでいるから、名前が違っても登録カードの方に操作が可能だ。
だが、エマはカードの方を偽造して、そのまま名乗っている。
そして、その依頼を完遂した時にギルドカードを提出する際、登録情報と名前に相違があると判明してしまう。
「隠蔽魔法による登録カードの偽造行為は、冒険者ギルドで取り締まりの対象でな。身分を偽造する犯罪者が多くて、これは年齢問わず処罰の対象になるんだ。依頼をまだ正式に終えたって報告をしてないから何とか間に合ったが、登録カードの偽造がバレると冒険者ギルドへの再登録が今後5年できなくなる」
「え」
冒険者登録は成人で、ロウェスタリア王国では他国と同じく女子は12歳。エマは男性として登録しているから、性別も偽っていることになる。これも、冒険者登録カードの偽造として扱われるのだ。
ギルドカードの登録を簡単して、依頼の受注と完了を職員の手作業で分ることで、早いうちから身分詐称を見つけ出すためだ。
しかしエマは事情のある子供だ。今回虚偽登録したのはもちろん許容されるが、正規年齢に達していないためメイア支部では監視と保護を兼ねて、メイアの町から離れることはできなくなる。
つまり、依頼を受けて遠方に行くこともできない。
「これを破ると、本当にギルドカードを剥奪することになる。それと、ブラックリスト入りで再登録もできなくなる」
「ひえ……」
「成人未満の子供はロウェスタリア王国の法律で保護の対象ではあるんだ。スラムで保護されてない子供もいるが、アリアも一応教会で保護されるようなものだし……ただ、スキル特務部隊の俺達からは、どうしても君にお願いしたいことがある」
そんな言い方をするヴォルグに「どちらかと言えば提案だ」とアルフレッドが言い直す。
「エマちゃんが成人になるまで、うちのスキル特務部隊に来てくれないか? というか、是非来てほしい!! 頼む!!」
「えっ?」
冒険者になる人間の中には、借金奴隷から自由になった人間や、服役を得て解放された犯罪者や、身分を剥奪された貴族など様々な人間の受け皿となっている。
冤罪者の中には名前がバレると冒険者間で迫害されることがある。理解してくれる人間ばかりではなく、偽らないと受け入れられないことが多いのだ。
エマの場合は諸事情ある貴族として、今回は免除されるだろう。
ジェームズに残ってもらったのは、この話を聞いたうえで受け入れの成否を聞くためだ。
ジェームズは、そんな理由ならとエマの受け入れを許可してくれた。
「ただ、エマちゃんは事情を知らないで依頼を一つ受けただろう? その手続き、実は虚偽報告として冒険者ギルドでは対処が結構面倒になるんだ」
冒険者のギルドカードには、血中魔素による情報が登録されている。依頼を完了した時、依頼をこなした数と、名前が記録されることになる。ギルドカードを作るのは楽チンだが、依頼の受注と完了後の登録は魔道具を使って職員の手作業になる。
ここで依頼を受けた時の名前を偽名に変えていると申告してくれれば、実は問題はなかった。所定の手続きを踏んでいるから、名前が違っても登録カードの方に操作が可能だ。
だが、エマはカードの方を偽造して、そのまま名乗っている。
そして、その依頼を完遂した時にギルドカードを提出する際、登録情報と名前に相違があると判明してしまう。
「隠蔽魔法による登録カードの偽造行為は、冒険者ギルドで取り締まりの対象でな。身分を偽造する犯罪者が多くて、これは年齢問わず処罰の対象になるんだ。依頼をまだ正式に終えたって報告をしてないから何とか間に合ったが、登録カードの偽造がバレると冒険者ギルドへの再登録が今後5年できなくなる」
「え」
冒険者登録は成人で、ロウェスタリア王国では他国と同じく女子は12歳。エマは男性として登録しているから、性別も偽っていることになる。これも、冒険者登録カードの偽造として扱われるのだ。
ギルドカードの登録を簡単して、依頼の受注と完了を職員の手作業で分ることで、早いうちから身分詐称を見つけ出すためだ。
しかしエマは事情のある子供だ。今回虚偽登録したのはもちろん許容されるが、正規年齢に達していないためメイア支部では監視と保護を兼ねて、メイアの町から離れることはできなくなる。
つまり、依頼を受けて遠方に行くこともできない。
「これを破ると、本当にギルドカードを剥奪することになる。それと、ブラックリスト入りで再登録もできなくなる」
「ひえ……」
「成人未満の子供はロウェスタリア王国の法律で保護の対象ではあるんだ。スラムで保護されてない子供もいるが、アリアも一応教会で保護されるようなものだし……ただ、スキル特務部隊の俺達からは、どうしても君にお願いしたいことがある」
そんな言い方をするヴォルグに「どちらかと言えば提案だ」とアルフレッドが言い直す。
「エマちゃんが成人になるまで、うちのスキル特務部隊に来てくれないか? というか、是非来てほしい!! 頼む!!」
「えっ?」
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