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42話 身バレしました
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少年が去っていく。
黒いローブを纏った人間達が、3人。ぞろぞろと出てくる。
「次の生贄だ。印を付けねば……偉大なるファフニール様のために」
その胸には黒いドラゴンが彫金された、ペンダントをぶら下げていた。
*
ちょっと急いでも良いよね、と縮地とスピードアップでロメイアの冒険者ギルドまで戻ってきた。
今の時間もソフィアが立っていたお陰で、話は早く進んだ。
「イビルティアー草……その地にあるのは、初めて聞きましたが……」
「取って持って来ようよしたんですが、すぐに弾けて空気中に広がってしまって、持ってこれなかったんです。詳しい人を連れていけませんか? できれば口と鼻をふさいで、その成分を体内に入れないように布を巻いた方が良いと思います」
「そうなのね。分かったわ、奥で詳しい話を聞いても良い?」
「分かりました」
言われるままにエマは冒険者ギルドの奥に入る。
案内された部屋で、エマはぎょっと目を丸くする。
「久しぶりだな、少年。5日ぶりだろうか」
白髪を、長く伸ばしている男性から、そう声を掛けられた。
お帰りー、と知らぬ黒髪ウェーブの男性にも言われて、エマは困惑する。かっちりした騎士団の服とは、ちょっと色が違う。でも、ターナーが仕事で着ていた制服と同じデザインの、色違いだ。
「ソ、ソフィアさん、この人達は……」
「大丈夫ですよ。この方達は王立騎士団のスキル特務部隊の人達。2人共冒険者ギルドの先輩達だから、心配しないで」
初耳だ。そんな紹介を受けた白髪の人は、礼を言った。
「すみませんが、ソフィアさん。席を外してもらっても?」
「申し訳ございません。今、カリヅ君……いえ、エマちゃんでしたっけ? 彼女から毒草の情報が手に入ったんです。何でも、わが国特産のアースティアー草と同じ形状の毒草みたいで、早めに情報がほしいんですよ」
(バレてる!!)
「それは、我々も聞くことは可能だろうか」
「可能でしょう。ギルドマスターを呼んできますので、少々お待ち下さい」
閉じ込められた。密室に、怖そうな大人2人と。
すぐに、ごめんなぁ、と黒髪ウェーブの男性がエマの傍で屈んだ。
「あっちの白髪の兄ちゃん怖いだろ。あれが地顔なんだ、許してくれ。俺はヴォルグ。元々冒険者だったんだ。で、あっちも元冒険者のアルフレッド・リースナー。アイツ結構有名人なんだけど、知ってるか?」
「リ、リースナー様? え、でも瞳は青じゃ……」
「鋭い観察眼だ。スキルの特性上、瞳の色が変わることがある。元は、この紫色の虹彩だ」
「かてぇんだよ、お前の喋り方は。ちょっと黙ってろ」
ヴォルグはそう言って手をひらひらさせる。どっちかって言うと、追い払うような仕草だ。
「取って食う訳じゃないから、とりあえず座ってくれ、エマちゃん。君の家のことも教えておかないといけないからな」
「久々だな、アルフレッド」
戸口に立っていた筋骨隆々とした男がにかっと笑う。顔はなかなかのイケオジだ。もう一人、端正な顔立ちの男性だ。アルフレッドと似て、ひんやりしたイメージがある。
「お久しぶりです、ジェームズマスター」
「カテェ挨拶なんか後だ後!」
(ギルマスにすら固いって言われてる)
「なぁ、女性職員連れて来てくれないか? さすがに、野郎ばっかだと女の子は怖がっちまう」
「なら、ソフィアが残ってくれ。ダスティンに別の奴を受け付けに回したら戻ってこい」
分かりました、とダスティンは部屋を出て、そっと扉を閉じた。
「じゃあ、そのイビルティア―について詳しく聞かせてくれ」
黒いローブを纏った人間達が、3人。ぞろぞろと出てくる。
「次の生贄だ。印を付けねば……偉大なるファフニール様のために」
その胸には黒いドラゴンが彫金された、ペンダントをぶら下げていた。
*
ちょっと急いでも良いよね、と縮地とスピードアップでロメイアの冒険者ギルドまで戻ってきた。
今の時間もソフィアが立っていたお陰で、話は早く進んだ。
「イビルティアー草……その地にあるのは、初めて聞きましたが……」
「取って持って来ようよしたんですが、すぐに弾けて空気中に広がってしまって、持ってこれなかったんです。詳しい人を連れていけませんか? できれば口と鼻をふさいで、その成分を体内に入れないように布を巻いた方が良いと思います」
「そうなのね。分かったわ、奥で詳しい話を聞いても良い?」
「分かりました」
言われるままにエマは冒険者ギルドの奥に入る。
案内された部屋で、エマはぎょっと目を丸くする。
「久しぶりだな、少年。5日ぶりだろうか」
白髪を、長く伸ばしている男性から、そう声を掛けられた。
お帰りー、と知らぬ黒髪ウェーブの男性にも言われて、エマは困惑する。かっちりした騎士団の服とは、ちょっと色が違う。でも、ターナーが仕事で着ていた制服と同じデザインの、色違いだ。
「ソ、ソフィアさん、この人達は……」
「大丈夫ですよ。この方達は王立騎士団のスキル特務部隊の人達。2人共冒険者ギルドの先輩達だから、心配しないで」
初耳だ。そんな紹介を受けた白髪の人は、礼を言った。
「すみませんが、ソフィアさん。席を外してもらっても?」
「申し訳ございません。今、カリヅ君……いえ、エマちゃんでしたっけ? 彼女から毒草の情報が手に入ったんです。何でも、わが国特産のアースティアー草と同じ形状の毒草みたいで、早めに情報がほしいんですよ」
(バレてる!!)
「それは、我々も聞くことは可能だろうか」
「可能でしょう。ギルドマスターを呼んできますので、少々お待ち下さい」
閉じ込められた。密室に、怖そうな大人2人と。
すぐに、ごめんなぁ、と黒髪ウェーブの男性がエマの傍で屈んだ。
「あっちの白髪の兄ちゃん怖いだろ。あれが地顔なんだ、許してくれ。俺はヴォルグ。元々冒険者だったんだ。で、あっちも元冒険者のアルフレッド・リースナー。アイツ結構有名人なんだけど、知ってるか?」
「リ、リースナー様? え、でも瞳は青じゃ……」
「鋭い観察眼だ。スキルの特性上、瞳の色が変わることがある。元は、この紫色の虹彩だ」
「かてぇんだよ、お前の喋り方は。ちょっと黙ってろ」
ヴォルグはそう言って手をひらひらさせる。どっちかって言うと、追い払うような仕草だ。
「取って食う訳じゃないから、とりあえず座ってくれ、エマちゃん。君の家のことも教えておかないといけないからな」
「久々だな、アルフレッド」
戸口に立っていた筋骨隆々とした男がにかっと笑う。顔はなかなかのイケオジだ。もう一人、端正な顔立ちの男性だ。アルフレッドと似て、ひんやりしたイメージがある。
「お久しぶりです、ジェームズマスター」
「カテェ挨拶なんか後だ後!」
(ギルマスにすら固いって言われてる)
「なぁ、女性職員連れて来てくれないか? さすがに、野郎ばっかだと女の子は怖がっちまう」
「なら、ソフィアが残ってくれ。ダスティンに別の奴を受け付けに回したら戻ってこい」
分かりました、とダスティンは部屋を出て、そっと扉を閉じた。
「じゃあ、そのイビルティア―について詳しく聞かせてくれ」
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