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22話 王都との別れ
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相手との距離を図りつつ、追いつけそうで追いつかない距離を保ちつつ、冒険者ギルドまで誘導してみるが……エマが詰め所へ向かった時間の倍以上がかかっている。
動きは遅いし、すっ転ぶ。
「この人達、逆に連れて行っても大丈夫かな?!」
(うーん、無理そう。門番も連れてこようかー)
冒険者ギルドの人々は大丈夫だろうか。会ったこともないけれど、「目を覚ませ!」という言葉はきっと、知り合いが突然、あの大男のように殺意を持って暴れ始めたからだ。
それはきっと、信じている人に裏切られるようなことに等しい。
(『縮地』って、エマが捕まえてたら一気に連れて行けないかな? 一人だけで良いや、他は邪魔そうだし)
やってみよう!
エマは比較的マシっぽい騎士に詰め寄り腕を掴んで、スキルを発動させる。
瞬間、見慣れたスピードで景色が飛んでいた。隣には、突然の事に唖然となった騎士。
エマはもう何も言わないで冒険者ギルドまで移動を続けた。
*
騎士を一匹冒険者ギルド前に放り捨ててエマは門へと走った。
眠たそうな騎士をひっ捕まえて、同様にアルフレッドの腕章を見せながら、エリック第3王子がお忍びで来てると法螺を吹き、邪龍の使徒というのが暴れていると伝えた後で、その騎士達に持ってきた酒瓶を差し出す。
「詰め所の連中も呼びに行ったんだけど、酒を飲んでて全く話を聞いてくれないんだ! 騎士様、みんなを助けて!」
門番達が顔を見合わせて、周囲の騎士達にも声をかける。彼らの方がよほど仕事をしてくれそうだ。
案内はいらないらしく、騎士達は瞬く間に走って行った。王子の名前は伊達ではない。
門は、もぬけの殻。
(行こうエマ。今が王都から脱出できるチャンスだよ)
「あっ! 本当だ、もぬけの殻……ううぅ……! せっかく、ゆっくりできると思ったのに……!」
今日は冒険者ギルドで確認した後、部屋でゆっくりどこへ行こうか考えようと思って、ロウェスタリア王国の、その近隣の国の地図はすでに購入してある。食べ物は心許ないが、速度上昇と縮地があるから近くの町か村までなら行けるかもしれない。
こういう時は、勢いだ、勢い!
「し、失礼しますぅ~……」
エマはできるだけ遠方に縮地の着地点を設定を繰り返しながら、王都を飛び出した。
月明かりだけで地図を確認しながら、一番近くに村を目指す。
動きは遅いし、すっ転ぶ。
「この人達、逆に連れて行っても大丈夫かな?!」
(うーん、無理そう。門番も連れてこようかー)
冒険者ギルドの人々は大丈夫だろうか。会ったこともないけれど、「目を覚ませ!」という言葉はきっと、知り合いが突然、あの大男のように殺意を持って暴れ始めたからだ。
それはきっと、信じている人に裏切られるようなことに等しい。
(『縮地』って、エマが捕まえてたら一気に連れて行けないかな? 一人だけで良いや、他は邪魔そうだし)
やってみよう!
エマは比較的マシっぽい騎士に詰め寄り腕を掴んで、スキルを発動させる。
瞬間、見慣れたスピードで景色が飛んでいた。隣には、突然の事に唖然となった騎士。
エマはもう何も言わないで冒険者ギルドまで移動を続けた。
*
騎士を一匹冒険者ギルド前に放り捨ててエマは門へと走った。
眠たそうな騎士をひっ捕まえて、同様にアルフレッドの腕章を見せながら、エリック第3王子がお忍びで来てると法螺を吹き、邪龍の使徒というのが暴れていると伝えた後で、その騎士達に持ってきた酒瓶を差し出す。
「詰め所の連中も呼びに行ったんだけど、酒を飲んでて全く話を聞いてくれないんだ! 騎士様、みんなを助けて!」
門番達が顔を見合わせて、周囲の騎士達にも声をかける。彼らの方がよほど仕事をしてくれそうだ。
案内はいらないらしく、騎士達は瞬く間に走って行った。王子の名前は伊達ではない。
門は、もぬけの殻。
(行こうエマ。今が王都から脱出できるチャンスだよ)
「あっ! 本当だ、もぬけの殻……ううぅ……! せっかく、ゆっくりできると思ったのに……!」
今日は冒険者ギルドで確認した後、部屋でゆっくりどこへ行こうか考えようと思って、ロウェスタリア王国の、その近隣の国の地図はすでに購入してある。食べ物は心許ないが、速度上昇と縮地があるから近くの町か村までなら行けるかもしれない。
こういう時は、勢いだ、勢い!
「し、失礼しますぅ~……」
エマはできるだけ遠方に縮地の着地点を設定を繰り返しながら、王都を飛び出した。
月明かりだけで地図を確認しながら、一番近くに村を目指す。
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