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18話 ラスボスもどき?
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随分、サニアと話し込んでしまった。もうすぐ陽が暮れてしまう。サニアの見送りで屋敷の扉を開こうとした時、先に開いてしまった。
ロレンス付きの執事・カッサーだ。若い執事で、ロレンスの右腕の青年。うっかりしていた。使用人なのだから裏口から出れば良かった。
カッサーは冷ややかな視線でエマを見下ろした。
「使用人風情が、この扉を使うことは許されません」
「それは失礼したわ」
そう言って踵を返すが、見送りに来ていたサニアがカッサー相手に言い返す。
「エマ嬢様は、今もこの家のお嬢様です!」
「それを決めるのはお前じゃない」
さらに冷たく返したのは、ロレンスだ。路傍の石でも眺めるようにエマを見る。
エマも腰に手を当てて、その通りよと返答する。
「もうこんなクソッタレで無能な人間達がのさばっている家の人間じゃないわ。血が流れているだけ迷惑よ、『私』が」
エマは身体強化を使いながら、そう胸を張って言った。
カッサーは持っていた鞘入りの剣でエマの側頭部を殴ってきた。この家の連中が、揃いも揃って横暴で暴力的なのは、もう知っている。
「分かっているようだが、エルフィールド家を愚弄したことは……」
倒れないのを見て同様したカッサーの手の甲を的確に蹴り飛ばして剣を手から叩き落とすと、顔面に膝蹴りを見舞う。よろめいたところへ追撃。側頭部へ渾身のハイキックを叩き込んだ。
横にぶっ飛ばされて壁に打ち付けられたカッサーはぐったりして動かない。その彼の元へロレンスは駆け寄った。
エマはカッサーが持っていた剣を持ち上げる。
「お前も腰に下げてる玩具を抜きなさい」
もちろんエマは鞘から抜かない。スキルがなくなっていることになんてロレンスが気付く訳がないから。
そしてスキルがなくなると、途端にその人間の持っている技術は暴落する。料理長が昨日、何故こんなのしか作れないのかと嘆いていたのは、全てが料理スキルによる補助を受けていたから。
だが、ロレンスには『剣光』の補助はない。
エマはロレンスへ剣を向ける。
「私より、お前の方がよっぽど無能であると証明してあげる」
ロレンス付きの執事・カッサーだ。若い執事で、ロレンスの右腕の青年。うっかりしていた。使用人なのだから裏口から出れば良かった。
カッサーは冷ややかな視線でエマを見下ろした。
「使用人風情が、この扉を使うことは許されません」
「それは失礼したわ」
そう言って踵を返すが、見送りに来ていたサニアがカッサー相手に言い返す。
「エマ嬢様は、今もこの家のお嬢様です!」
「それを決めるのはお前じゃない」
さらに冷たく返したのは、ロレンスだ。路傍の石でも眺めるようにエマを見る。
エマも腰に手を当てて、その通りよと返答する。
「もうこんなクソッタレで無能な人間達がのさばっている家の人間じゃないわ。血が流れているだけ迷惑よ、『私』が」
エマは身体強化を使いながら、そう胸を張って言った。
カッサーは持っていた鞘入りの剣でエマの側頭部を殴ってきた。この家の連中が、揃いも揃って横暴で暴力的なのは、もう知っている。
「分かっているようだが、エルフィールド家を愚弄したことは……」
倒れないのを見て同様したカッサーの手の甲を的確に蹴り飛ばして剣を手から叩き落とすと、顔面に膝蹴りを見舞う。よろめいたところへ追撃。側頭部へ渾身のハイキックを叩き込んだ。
横にぶっ飛ばされて壁に打ち付けられたカッサーはぐったりして動かない。その彼の元へロレンスは駆け寄った。
エマはカッサーが持っていた剣を持ち上げる。
「お前も腰に下げてる玩具を抜きなさい」
もちろんエマは鞘から抜かない。スキルがなくなっていることになんてロレンスが気付く訳がないから。
そしてスキルがなくなると、途端にその人間の持っている技術は暴落する。料理長が昨日、何故こんなのしか作れないのかと嘆いていたのは、全てが料理スキルによる補助を受けていたから。
だが、ロレンスには『剣光』の補助はない。
エマはロレンスへ剣を向ける。
「私より、お前の方がよっぽど無能であると証明してあげる」
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