【完結】【やりちん】僕の青春グラフィティ。ノスタルジーな昭和チェリーボーイの卒業物語

カトラス

文字の大きさ
上 下
118 / 146
第二章

AV監督 村西

しおりを挟む


 テレビの芸人が「ナイスですねぇ~」と訳のわからない事を言っているのを聞きながら、自分の好きなことってなんだろうと考えてみた。僕の好きなことといったら……。

 また、テレビからは芸人が「ナイスですねぇ~」と誰かの物真似をしていた。

 しかし、この芸人はいったい誰の物真似をしているのだろう? と思っていると、もう一人の女装をした芸人が、テレビ画面に自身の腋毛を晒しながら、「監督、そこはダメです。アーン」と下品なコントをしていたのだった。

 さすが、ひょうきん族である。

 ゴールデンタイムという時間にも関らず、下品な内容で勝負してくる番組構成は男の自分にとっては脱帽ものであると感じてしまう。

 そういった訳で、僕はこの下品なコントに興味をもってしまい雅博に電話で聞いていた。

「雅博、テレビつけてくれ、俺達ひょうきん族ってのすぐに見てよ!」

「いま、つけたよ。これがどうしたんだ?」

「なぁ、このコント面白くないかぁ、お前なら誰の真似してるのか知ってるのじゃないかと思って……」

 

 雅博は、テレビのコントを見ているようでしばらく返事がなかった。

 テレビからは、相変わらずに「ナイスですねぇ~」と芸人が連呼している。

「祐一わかったよ! これは、村西とおるっていうAV監督の物真似してるんだ。その隣で女装してるのが、あの腋毛からして黒木 香っていうAV女優の真似してるんだろう。こいつら、バカだなぁ」

 雅博は笑いながら教えてくれた。

「その、村西監督ってのは有名なのか?」

 僕はAVとは縁のない生活をしていたので村西なる監督を知らなかったのである。

「あぁ、超有名なんじゃないか。監督の作ったAVビデオはバカ売れしてるみたいで、むちゃくちゃ儲けてるらしいよ。俺は、まだ見たことないけど、その黒木 香っていう腋毛を生やしたAV女優との絡みが物凄くエロいらしいよ。しかも、この監督自らが手にカメラを持って、その女優とエッチしてるのを撮影してるんだ。まぁ、監督兼AV男優ってやつだな」

 雅博はきっと見てるに違いないと思えるくらいに村西監督の事を詳しく説明してくれたのだった。

 僕は、雅博から村西監督の事を聞いて、非常に彼の撮影したビデオを見たくなってしまっていた。

 そして、雅博との電話を切り上げると、続けて、三平の自宅に電話していた。
 勿論、まだAVから卒業できない三平ならきっと村西監督のビデオを持っているに違いないと思ったからだ。



 翌日になって、僕は村西作品を三平の家で見ていた。

 そのAVは私が見た中ではトップクラスだと言えるほどにエロいものだった。

 監督が黒木 香なるとてもAVに出るような感じのしない清楚な女性をオモチャなどを使っていたぶっていく。

 そのたびに村西監督は「ナイスですねぇ~」と女性を褒めて、ハメちぎるのだった。
 また、この黒木 香っていうAV女優も清楚な顔に似合わず淫乱であってして、これみよがしによがり狂っていた。

 しかも、途中からほら貝のようなものを口に含むと、村西が腰を激しく動かすたびに「プー、ポワー」と間抜けな音をほら貝から出すのであった。

 そして村西監督は、すでに僕の耳から離れなくなってしまったフレーズの「ナイスですねぇ~」連呼するのであった。

「すげぇなぁ、三平!」

 僕は、思わず三平に感嘆の声を上げてしまう。

 とにかく黒木 香なる腋毛を生やした女性を起用した村西監督の斬新さにすっかりうちのめされたのだった。

 なるほど売れる理由が分かったような気持ちになってしまう。

「とおるちゃんは、天才だよ! これ、とおるちゃん自身がカメラ持って撮ってるんだぜ。こういうの、はめ撮りっていうのだけど、どこのAVメーカーもとおるちゃんに続けって感じで最近のはほとんどこのタイプで撮影してるんだ。今じゃ、とおるちゃんはビデオが売りに売れまくって億万長者なんだぜ! 羨ましいよな、いろんな女とHが出来て、しかも金まで稼げるんだぜ」

 三平は鼻息を荒くしながら、村西監督のことを尊敬してるような口調で熱く語っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...