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第二章

ピロ―トーク

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「祐一君ってめちゃくちゃエッチ上手だね! 本気で感じていっちゃったよ」

 エッチが終わりお互いが隣あわせに寝て余韻に浸ってる中、千草さんがそう声をかけてくれた。

「本当に逝ったの?」

 僕が自身なさげに聞くと、「ほんとのほんと」と言って、キスをしてくれた。

 それを聞いて千草さんが本気で逝ったのだと確信した。

 それが、証拠かのように、それから30分後には「また、気持ちよくさせて……」との千草さんの言葉をかわきりに第二回戦に突入したのであった。

 二回目が終わったあとも、僕達は肌があうのか、つごう三回もエッチをしたのであった。

 朝方になるまでエッチを千草さんと楽しんだあと、ワンルームマンションを後にした。

 


 流石に三回もエッチをしてしまったので、心身ともに若いといえども疲労困憊してしまっていた。

 それでも、先ほどまでの千草さんとのエッチを思い出すと自然と顔がにやけてしまうのであった。



 その後、千草さんとの関係は、バイトが終わってから、月に一、二度マンションに訪れるといたっもので、千草さんに新しい彼氏が出来てバイトを辞めるまで続いたのであった。

 僕は千草さんのエッチなテクニックに惚れ込んでしまい、なんとか彼女になって欲しいとお願いしたのだが、体の関係は許してくれても彼女には決してなってはくれなかった。

 理由を聞いても、いつも上手にはぐらかされてしまうのである。

 それでも、僕は千草さんとの体だけの関係に大いに満足をしていた。

 なぜなら、定期的にエッチが出来ることは勿論のこと、千草さんとエッチをすることによって、いろいろなことを学べたからだ。



 僕が学んだことは様々なものだったが、まずは千草さんと定期的にエッチをすることによって、いろいろな体位を試すことが出来てエッチの質が飛躍的に向上したってことが一番であった。

 無論、それまでに培ってきたメンズボーイのおっさんの指南や、AVビデオをはじめとするオカズ媒体で得た知識が元になってはいるのだが、それでも、やはり実体験に勝ることは出来ないのである。

 いくら、メンズボーイで正常位はどうだとか後背位の時の有効的な腰使いとか文面で見ても、なかなか頭ではわかっていても体はついていかないのである。

 実際にメンズボーイの知識だけで、知ったかぶりをして千草さんに難しい体位を挑んだこともあったのだが、慣れていないのでうまくはいかなかったのが現状なのであった。

 その他にも、女性にも男性と同じように性欲があることもわかったし、エッチする相手がいない時はオナニーすることも知った。

 とにかく、僕にとって千草さんは性に関していえば生きた教科書みたいなものだったのである。

 僕は千草さんによって女体の神秘を触れさせてもらってセックスに対する興味が以前より数倍あがってしまったのであった。

 しかし、人間の性欲というものは際限がないものである。

 千草さんという定期的に肉体を提供してくれる相手がいながら、他の女性の鞘の入れ具合も試してみたくなるのであった。

 それは千草さんが、詩織みたいに本当の彼女になってくれないから起こってくる衝動なのかも知れないが、とにかく僕はサムソンにいる千草さん以外の女性にも興味を示すようになっていった。

 サムソンって名のコンビ二は、女性を口説くには最適の場所であってして、狭いレジ内で女性と二人きりになれば口説くチャンスはいくらでも転がっているのだ。

 僕は、新しい鞘の納まり具合を知りたいがために、日々、女性達との会話の中で聞き上手に徹し、悩みを持っているなら、その女性が喜ぶであろう事をその時の感覚で察知して、褒めるということを織り交ぜながらいい男を演じてみせたのであった。

 常に女性を熱心に観察して些細な変化も見逃さないことに僕は努めたのである。

 その努力の甲斐があって、女性達はなんでも話してくれるようになっていった。

 絶対に男性に話せない内容のものまで包み隠さず話してくれるのだ。

 ゆこって名の女子高生からは「Hには興味があるのだけど、あれって初めての時痛いんでしょ……」とか、また香穂里さんという名の主婦からは「最近、主人が相手にしてくれなくて……欲求が――」はたまた、ちなっていう名の専門学校に通ってる子からは「彼氏とうまくいってないの。ねぇ、祐一君、彼氏になってよ」などと本音で僕に相談してくれる。

 そして、僕は女性達のお悩みを自身の体を使って解決して見せたのだった。

 サムソンというバイト先は正に、僕にとってはプチハーレムの様相を呈するおいしい場所なのであった。



 そんな風にして、千草さんとのHな関係を続けつつ、他の女性達とも関係を持つことが出来てバイト生活をエンジョイしていた高校三年に進級したばかりのある日の事であった。

 その日、バイトが終わったあとに千草さんのマンションでエッチをしたあとに深夜に帰宅していた。

 そしたら、机の上にメモが置いてあったのだ。

 メモは母親からで、「今日、雅博君から何度も電話があったわよ」と汚いよこなぐりの字で書かれていたのであった。

 雅博とは高校に入ってからも、ちょくちょく遊んでいたのだが、ここ最近は雅博も僕も忙しかったので会ったりはしていなかったのである。

 一番最近で雅博と話したのが三ヶ月ほど前だったから、ずいぶんと雅博とは会っていないなぁと、そのメモを見て思ったのであった。

 

 翌日、私はバイトに行く前に雅博の自宅に電話した。

 都合よく、雅博は自宅にいてくれてすぐに電話に出てくれた。

「昨日、何度も電話してくれたみたいだけど、しばらく会ってなくて寂しくでもなったのかよ」

 僕は冗談ぽいいい方をして昨日の電話の要件を聞いていた。

「バカ言え、祐一に一年ぐらい合わなかったって全然平気にきまってるだろ。それよりか、お前に昨日電話したのは詩織ちゃんのことでだ。俺、詩織ちゃん見たんだよ! 新宿で……」

 僕は、すっかり他の女性にうつつを抜かしていたので、詩織のことは頭の片隅にはあるのだが忘れていたに近い状態であったのだ。

 だが、雅博から詩織の名前を聞いたとたんに、あの楽しかった頃の詩織との日々が思いだされて気持ちの動揺を覚えたのである。

「まぁ、電話ではゆっくり話せないので、明日あたり家にこれないか?」

 明日はバイトがないので、雅博の家に行くことが出来る
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