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第二章

女子大生 千草

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 僕は翌週の火曜日からコンビ二にバイトに行った。

 初めてのアルバイトなので、もの凄く緊張したが、予想していたよりかは仕事は楽で簡単なものだったのですぐにバイト生活に馴染むことが出来た。

 最初に少しとまっどったのが、客が店に入っていた時に「いらっしゃいませ」と声出しをすることぐらいで、一度発声したらすぐに慣れてしまう程度のものであった。

 しかも、初日に仕事を教えてくれたのが、僕がこのバイトを決めるきっかけになった女の人だったので幸運だったのである。その女の人は、千草って名前の現役女子大生であってして、少しウエーブがかった髪の毛からほのかなヘアーコロンの香りが、欲情した気持ちにさせるのだ。

 その日、仕事を教えてくれた千草さんは、少し風邪気味だったのか、仕事の説明をしてる途中に「うん、ウフン……あぁ、アフン」と少し高めの声で咳払いするため、僕はその咳払いの声に変な妄想をしてしまい股間をふくらませながら仕事を覚えたのである。



 コンビ二であるところのサムソンでバイトするようになってから、僕は詩織と付き合っていた頃のように身だしなみに気をつけるようになっていた。バイトにいく前には必ず、研磨剤セッチマ歯みがき粉で白い歯になるまで歯の表面エナメルを削りこんだし、鏡の前で鼻毛が出ていないか入念にチェックした。

 男子校では鼻毛が飛び出していた方が人気物になれたが、サムソンでは大敵であるからだ。

 また、初めてのバイト代を使って前髪だけ当時流行のローラースケートを履いて踊っていた人気アイドル風にパーマーを当て、少し髪の毛が茶色く見えるように脱色もしてみた。

 そんな、僕の変貌ぶりを見て、三平もパーマを当てたのだが、髪質が堅いために失敗してしまい拝みたくなるような大仏様のような姿になってしまったのである。

 それでも、三平はご機嫌であって「大人じゃーん」と訳の分からない事を口ぐせのように言っていた。

 三平も私がコンビ二でバイトするようになってから、ほどなくしてガソリンスタンドにバイトが決まり、二人とも本来の学業はほったらかして、授業中は睡眠をむさぼり夕方からのバイトに備えたのであった。

 それは、花道という名の職業訓練学校もどきだから許される特権のようなものだと僕達は理解していたのだった。

 コンビ二で働くようになってから、数ヶ月がすぎようとしていた僕は、土、日もバイトのシフトに入れてもらえて充実したバイト生活を過ごしていた。

 サムソンで過ごす時間が少しづつ長くなっていた僕は、この店のバイト女性の多さに驚かされてしまっていた。

 というか、僕と店長ともう一人の大学生の男以外は全て女性なのである。

 バイトは全部で12人いたのだがそのうち9人が女性なのである。

 しかも、店長が面食いなのか面接でとる女性は皆それぞれに特徴を持った美人やカワイ子ちゃんばかりであった。

 男が少ないので、正にハーレムと言っていいおいしい環境なのである。

 ガソリンスタンドで男ばかりの中で洗車ばかりさせられてる三平に比べると雲泥の違いであるのだ。

 そんな環境なので、僕はバイトに行くのが楽しくて仕方がなかった。

 バイトに行くたびに違う女性と狭いレジ空間に立ち、暇さえあれば女性たちと会話を楽しむことが出来るのである。

 僕はメンズボーイで教わった“女性は褒めるべし”を確実に実践していき、女性たちの様々な悩み事を聞いてやっていた。

 女性たちは、僕の見え透いたお世辞に機嫌をよくし徐徐に心を開いていくのである。

 もちろん、一番のお気に入りである千草さんも例外でなく、いまでは軽く、何気ないことで私の体にボディタッチするようになっていた。

 そんな風にしてバイトを満喫している時に千載一遇のチャンスが訪れたのである。

 それは、バイトの終わり間近に一緒に仕事をしていた千草さんから「今日、時間ある?」と聞かれたのであった。

 もちろん、バイトが終わってから、千草さんをオカズにして右手の運動を目論んでいた僕は暇そのものなので答えは「一時間ぐらいなら大丈夫ですよ!」と朝まで暇であることを隠して千草さんに返事をしていた。

 実は千草さんは、同じ大学にいる彼氏がいたのだが、最近彼氏と別れたことを知っていた。

 千草さんと彼氏が別れた理由は、彼氏の浮気で千草さんはかなり心が弱った状態なのである。

 僕にとってはその弱った心の隙間につけ込むチャンスが大いにあるってものであった。

 そして、僕と千草さんは、バイト先の近くにある喫茶店に行き、お茶をしたのである。

 そこで、元彼氏の愚痴を親身になって聞いてやった僕に、千草さんは人恋しくなったのか、信じられないことを言ってきたのだった。

 それは「祐一君よかったら、家にこない。私、一人暮らしだから、誰も家にいないよ」

 その言葉を聞いて、分身である正宗はズボンを突き破りそうになるくらい膨れあがったのである。

 千草さんの言った「誰もいない」はエッチしたいと受け取ったのであった。

 僕と千草さんは喫茶店から出ると、彼女のワンルームマンションに向った。

 サムソンから歩いて10分ほどの場所だと千草さんが教えてくれたので、バイト通いに使ってるママちゃりはコンビ二に止めておくことにする。

 外灯が点在していて、少し薄暗い住宅地の中を、僕達は無言でマンションに向い歩きだす。

 喫茶店では、あれほど陽気に話していた千草さんが無口になっている事に、これから千草さんと起こるであろう出来事に多いに期待してしまっていた。

 その期待を裏付けるかのように、僕と千草さんは、いつのまにか恋人達のように固く手をつないでいたのである。そう、さきほでまではただのバイト仲間のはずなのに手をつないでいるのだ。

 千草さんの手は少し汗ばんでいて熱をもっていた。

 その感触を確かめるかのようにさらに指に力をこめて強くにぎる。すると千草さんも、それに反応するかのように強く握り返してきて「もうつくからね」と意味深長なことを言うのであった。

 千草さんの言ったことの裏にあるものをすぐに理解したので、とっくの昔に先走ってる正宗に呼応するかのように心の準備をしたのであった。

 
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