【完結】【やりちん】僕の青春グラフィティ。ノスタルジーな昭和チェリーボーイの卒業物語

カトラス

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インポ

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 次の日になって、僕はけたたましく鳴る電話の音で目覚めた。

 台所にある時計を見ると時刻は、もう昼前になっていた。

 ふだんなら、朝方になると尿意をもよおして自然と目覚めるのであるが、やはり昨晩は衝撃的な出来事が立て続けにおこってしまったので、体も精神も疲れていて眠りが深かったのだと思う。

 寝ぼけながら電話に出ると、相手は雅博からであった。

「暇だったら、遊びに来ないか?」

 雅博にいろいろ聞きたいことがある私にとっては渡りに船なので、雅博の家に行かない手はないと思った僕は早速に、「おう、いくいく、すぐに遊びに行くよ」と答えていた。

 雅博からの電話を切ると、私はすぐに身支度をして雅博の家に向かった。



「ちょ、祐一……まじかよ! 腹いてぇ、笑かさないでくれよ」

 僕は雅博の自室で、昨日のラブホテルでの出来事をつつみ隠さず話したのだが、雅博は私の真剣な話を腹をかかえて笑っていた。

「おい、こっちは真面目に相談してるんだけど……」

 
 雅博の笑い転げてる姿に少しムッとして言った。

「すまん、すまん。しかしお前……逝きそうになったら、母親の姿浮かべるって……ネタじゃねぇかよ!」

 雅博は、謝りながらも、また思い出したように大笑いしていた。

「まぁ、心配することはないと思うよ――初めてだったらよくあることだから……」

 雅博は大笑いさせてもらったお礼をするかのように、昨日の僕におこった現象を解説してくれた。

 雅博の話によると、童貞と処女の組み合わせによる、初めての初交セックスは結構な割合で失敗するそうなのである。

 だいたい五人に二人ぐらいは失敗するのだと雅博は力説してくれた。

 たいていが童貞側の男の方に問題があって、女性の性器に興奮してしまい、挿入前にもらしてしまったり、また挿入しようとした時に女性が「痛い」と叫んだりして男性の気持ちとアソコが萎縮してしまって失敗してしまうのがポピュラーなパターンなんだそうである。

 その他にも、女性の膣口の場所がわからないうちに焦ってしまい萎えてしまうとか、膣口の場所がわかっても、うまく挿入出来なくて何度もペニスをついてるうちに興奮してしまい、入ってもいないのに射精してしまうこともあるのだそうである。

 この膣口が分かっていても入らないってのは、女性の方が痛みがあると恐怖心を抱いてしまって体が堅くなってしまい膣の筋肉が縮んでしまうのが原因なんだそうである。

 それで、雅博が言うのには、僕の場合、射精を遅らせようとした努力が裏目に出すぎて、脳の勃起に対する指令がパニックを起こしたのではないかと推察してくれた。

「まぁ、祐一の場合は軽い心因性から起こったインポだな。次からは、母親なんか想像せずにしたらうまくいくんじゃないのかな。とにかく、最初から射精を遅らせてやろうとか初心者が考えるな、お前はAV男優か?」

 そう言って、雅博は呆れた表情をして結論づけてくれた。

 私は、雅博の話を聞いて、なるほどなぁ! と妙に納得していた。しかし、心因性のインポってなんだ?

 と思ってしまう。

 僕は恥の上塗りついでに聞いてみることにした。

「ところで、インポってなんだ?」

 雅博は一瞬、はぁ? って顔をしたが、すぐに教えてくれた。

「インポってのはインポテンツって正式な病名のことなんだ。日本語で言うと、勃起不全だな。インポには大きく分けて、心因性インポと器質性インポの二種類に分かれるんだ。心因性ってのは、主に精神的なことから起こってしまう。例えば、彼女から(下手くそ)とか(小さい)などと言われたら、そのストレスからインポになってしまう人もいるんだ。だいたいインポの七割はこの心因性インポだな。それと、心因性インポにも一次性インポと二次性インポがあるんだ。一次性ってのは最初から立たないことで、二次性ってのはある日突然起こってしまうものだ。心因性インポは病院に行かなくても治ることが多いので、そんなに心配はいらないとされてるな。次に器質性インポなんだが、これは事故や病気の合併症からくるものなんで、病院で治療しないと治らないとされてるもんだな。まぁ、こっちのインポは祐一には関係ないんで説明しなくていいだろう」

 そう言って、雅博はインポの説明をやめた。

 しかし、雅博の奴は博識だなぁとつくづく感心してしまう。

「じゃ、俺のは病院とかいかなくてもいいんだよな?」

 雅博のインポの話を最後まで聞いた僕は雅博に確認していた。

「あぁ、途中まで、立っていたんだから病院なんかに行かなくても治るよ。それよか、中折れの原因になった母親を想像しない方が大事だろ。あ、そうそう、インポはシコシコをし過ぎてもなるって言われるから、ほどほどにした方がいいぞ!」

 雅博は、質問に対して、病院に行かなくていいと太鼓判を押してくれたが、しっかりとオナニーのやりすぎには注意しろと、毎日かかさず右手を動かしてる私に釘をさしてくれた。それでも、雅博にいろいろ聞いたおかげで、私の不安はほとんど解消されたといっていいだろう。やっぱり、持つべきものは何でも話せる友だなと感じてしまっていた。

「ところで、雅博達は、あの後どうしてたんだ?」

 自分の不安がひと段落ついたので、今度は雅博の事を聞いてみた。

「あのあとか? うーん……」

 雅博は、昨日のことを思い出すために記憶をたどってるようだったが、すぐに話だした。

「祐一達と同じように、プレゼント買いにいってから……俺達もエンペラーに行ったんだよ」

 
 やはり、雅博もお約束ではあるが、Hをしたんだと思った。しかも、エンペラーで。
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