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折れた名刀 殉職された政宗
しおりを挟むやはり、この技は苦労して会得しただけあって、母親の感じてる姿を想像するだけで、一気に正宗は萎縮してしまい、僕に逝きそうな気持ちなど吹き飛ばしてくれるのである。
そうして、逝きそうな気持ちを消し去ると、形勢逆転とばかりに詩織をさらに攻め立てた。
「ダメェ……おかしくなっちゃう……」
その言葉を最後に、詩織はヒクヒクと体を痙攣させて果てたのだった。
僕のテクニカルノックアウト勝ちであるが、この競技にレフリーはいないので、ついに合体結合に挑むことにした。
メンズボーイのおっさんの指南では、正常位なるものが一番初心者向けだと言っていた事を私は思い出して、詩織の体を仰向けにした。
「詩織いいだろう? 入れるよ」と僕はやったこともないのに偉そうに詩織に聞いていた。
「うん」とだけ詩織は頷いてくれた。
いよいよ、夢にまで見た合体の瞬間に僕は心臓がドキドキしてしまう。
両手で詩織の股をカエルの平泳ぎのように開けると、正宗を詩織のホールがあると思われる部分に当てた。
そして詩織の顔を見つめたまま、正宗の頭をぶち込もうとした時、詩織の顔が一瞬、母親の顔と重なってしまった。しかし、名刀正宗である、そんな事は気にせず照準を絞ると、腰に力を入れて正宗を押し込んだ。
いや押し込んだはずだったと言っていいだろう。
僕は、すぐに挿入した感覚が脳に伝わってくるだろうと思ったのだが、数秒待ってもそのような感覚は起こらなかった。
もしかしたら、挿入って何も感じないものかも知れないなどと思ってしまったほどである。
しかし、いくら何でも何も感じないなんてと思ったので、挿入されてるはずの部分を見てみた。
その瞬間、私の体は凍りつくような感じになってしまったのである。
な……なんと、あの堅さを誇る名刀正宗が、詩織の入り口部分でぐにゃりと折れていたのだった。
その時の僕の気持ちを例えるなら、ドラマ“太陽に吠えろ”で殉職した刑事の名セリフ「なんじゃ、こりゃ」なのであったのだ。
僕は、殉職しかけの正宗を自身のプライドにかけて、右手で扱いて蘇生を試みた。それこそ、心臓マッサージをする勢いで「蘇れ、蘇れ正宗」と心の中でHな妄想をしながら、必死に念じながら扱く。
しかし、焦れば焦るほど、正宗は蘇るどころか、益々、縮んでいくのであった。
しかも、Hな妄想の中に母親の姿がまるで背後霊のようにまとわりつき、僕の扱く腕さえも金縛りのように硬直させるような気分にさせるのだ。
何故? 何故なんだ! あれほど堅いさやをもっていた名刀正宗が簡単に折れてしまうなんて…… 僕は自問自答してみたが答えは導きだされなかった。
詩織を見てみると、どうしたの? って顔をして正宗を待っている。
そうだ! きっとこの間抜けにクルクル回ってる回転ベッドが悪いんだ!! と思い動きを止めた。
しかし……結果は同じで正宗は蘇らなかった。焦りと屈辱から冷や汗が額から溢れ出してくる。詩織の方も、あれ以来、何もしてこずに、ひたすら正宗を扱いている僕に怪訝な表情を見せていた。
僕は奇跡を信じて、丹下のおっさんのように心で叫んでいた。
「立て、立ってくれぇ! 立つんだぁ正宗!!」
そして、何ふり構わずに必死に正宗を扱いたのだった。
その時であった。もう、すっかりフニャフニャになってしまった正宗の頭から、白いものが飛び出してしまったのである。
万事休す、どんなものでも貫くことが出来ると信じていた正宗が、僕の救命措置も虚しく死亡されてしまった瞬間である。
「詩織、ごめん。ダメだわ……」
「え、祐一君どうしたの?」
詩織は心配そうな顔で聞いてきた。
「出ちゃったよ――悪いけど……テッシュ取ってくれないか」
隠しても、仕方ないので正直に詩織に申告した。
「うん、そうなの……大丈夫? 気にしなくていいよ!」
詩織は、優しく慰めてくれるのだが、益々、私の気持ちの惨めさに拍車をかけているような気がしてしまう。それでも、僕は、この期に及んでもまだ詩織の処女を奪取することを諦めきれないでいた。
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