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脱衣所にて
しおりを挟む「ごめんなぁ、無理にさせて――苦しかっただろう」
「うん、苦しかったし、顎が疲れちゃったよ。でも……祐一君が気持ちよさそうだったから、がんばったんだよ」
その言葉を聞いて、僕は詩織の事がいとおしく感じてしまい、気がついたら強く抱きしめていた。全くもってして自分には勿体ない彼女だとつくづく思ってしまったのであった。
僕は、詩織をしばらく抱きしめたあと、愛し合った結果に体から出てきてしまったお互いの分泌物をシャワーで洗い流すと、すっかりお湯がたまってしまった浴槽に二人揃って入浴した。
浴槽は二人で入っても、余裕があるくらい大きく作られていたので快適である。
広く作られているのは、浴槽内でも愛し合う客がいるのだろうなぁと、そんな事を私は湯船に浸かりながら思っていた。
詩織の方は湯加減が体に合うのか、ほっこりとした表情で僕の顔を見ていた。
「気持ちいいね、祐一君」
詩織はニコニコしながら話かけてきた。
「気持ちよかっただろう。俺の舌使い」
「祐一君のばかぁ。お風呂が気持ちいいって言ってるの」
詩織は少し頬を膨らませて、怒った表情を見せたが、すぐに笑って言った。
「ほんと、祐一君の頭の中ってHのことでいっぱいなんだね」
「うん、悪いかぁ」
僕は否定もせずに素直に答える。
「もう、祐一君ったら、開き直らないでよ」
「うん、ごめん、ごめん。でも男ってみんなスケベなんだぞ」
そう言って、詩織の胸にタッチした。
「もう、触らないでよね」
また、詩織は膨れた表情をして文句を言う。
でも、かわいい顔である。
そんな、膨れてもかわいい詩織の顔を見ていたら、湯船の中で沈み込んでいた正宗がまた、むくむくと膨らみ始めた。お前って奴は全く、どうしようもないなと自分の事ながら呆れてしまうのだが、また心の中では邪まなHな気持ちが顔を出してきたのだった。
「そろそろ、上がろうっか」
僕の邪まな心が「早くベッドに連れていけ」と急かし始めるのである。
「もうちょっと浸かろうよ」
「ダメダメ、あんまり長く入っていたら、ふやけちゃうよ! それに……またこいつが……」
僕は、立ち始めた正宗を詩織の手をとって触らせた。
「もう、何これぇ」
詩織は顔を赤くして、びっくりした表情で言った。
「こういう事情なんで、早くあがろ……」
そうして僕は、湯船から立ちあがると、詩織の手をとりバスルームから脱衣所に向かうのであった。
脱衣所の前にある全身を映すことの出来る大きな鏡の前で、ホテルの備え付けのタオルで体を素早く拭いた。
素早く体を拭いたのは、鏡に映ってる完全に膨れあがった部位がその理由をもの言わずに語っていたからだ。
そうして、自分の体が拭き終わると、まだちんたらと髪の毛をタオルで拭いてる詩織のところに行って、体を拭くお手伝いをする。
詩織は小柄な体なので、すぐに体についている水分をふき取ることが出来た。
「ありがとう、祐一君優しいね。でも、せっかち」
そう言うと詩織は下着をはく為にかごに手を伸ばそうとしていた。
「下着はつけなくていいよ、詩織」
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