【完結】【やりちん】僕の青春グラフィティ。ノスタルジーな昭和チェリーボーイの卒業物語

カトラス

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スケベ椅子

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 僕は下心を隠して詩織に答えると、マットの横においてあった椅子を持ってきて、水はけのよさそうな床に置いた。

 置いた椅子は、私が今までに見たことのないへんてこな形状をしていた。

 それは、尻を置く部分が凹状になっていたからだ。のちに知ることになるのだが、これは通称スケベ椅子と呼ばれているもので、ソープランドとかで広く愛用されてる椅子なのである。

 凹になっているのは、男女の大事な部分を手を入れて洗いやすくするようになっている為なのだ。

「ちょ、祐一君……何この椅子……なんか、いやらしいよ」

 す

 ぐに、僕の置いた椅子を見て詩織が拒否反応を示した。

 

 しかし、嫌がられても椅子はこれしかないのである。ここは押し切るしかない。


「そっかなぁ、なんか新しい時代を感じるじゃないか!」

 もう、自分で言っていて意味不明なのは笑うしかない。

 僕は、必死なのであった。

 とにかく、理由はどうあれ、早く詩織をスケベ椅子に座らせないといけない。

 とりあえず座らせる為には、あの邪魔なバスタオルを何とかしないといけなかった。

 僕は、詩織の後ろにまわると、そっと耳元で囁いた。


「これ、とっちゃうよ。これがあったら洗えないだろう」

「うん」

 詩織は、ダメと言うかと思ったが、今度は諦めたのかこくりと神妙な面持ちをして頷いてくれた。

 僕は、優しくバスタオルの結び目に手をかけて、詩織の体からバスタオルを取りさった。

 

 詩織の半分少女、半分女性の裸体が目に飛び込んでくる。

 詩織のまだ膨らみきっていない胸が少女を思わせ、丸みをおびだした体が女性らしさを感じさせてくれた。

 そんな、詩織の姿を見て私は興奮してくるのだった。

 このまま、押し倒したい気持ちに駆られるが、まだ早いと正宗と性欲を自重させる。

「さぁ、変な椅子だけど、座って」

 僕は詩織の手をとって椅子のところまでエスコートするとスケベ椅子に詩織を座らせた。

 詩織のスケベ椅子に座った姿は、程よいほの暗さも手伝って官能的に見える。

 しかも、スケベ椅子はその特殊な形状から、詩織の大事な部分を何の障害もなく触れるときている。

 僕はこんないやらしい椅子を発明した先人に拍手を送りたいと思いながら、体を洗うための泡作りに専念することにしたのだった。

 洗面器を持ってくるとそこにお湯を張った。

 洗面器の底には、ここにも太陽の絵が顔つきで描かれていて芸が細かい。

 太陽の絵と睨めっこしながら、お湯の中に石鹸を浸した。

 それは、よい泡を作るための方法であった。
 泡作りには自信があったのだ。

 僕が泡作りが得意なのは、父親に教えてもらったからだ。

 実は、いま住んでる家に引っ越してくる前は、僕達家族はアパートに住んでいた。

 そのアパートには風呂が無かったのでよく父親に銭湯に連れていってもらっていたのだ。
 その時に父親に泡風船を作ってもらって遊んでもらった経験があるのだった。そ

 れで父親は口癖のチェストと同じくらいの頻度で泡の作り方を私にレクチャしてくれたのである。

「いいかぁ、祐一。いい泡ってのはなぁ。だいたい45度くらいのお湯を洗面器に溜めて石鹸をそのお湯の中に浸すんだ。そしたらな、石鹸の周りが柔らかくなってくるだろう。柔らかくなったらスポンジで石鹸を擦るんだ。どうだぁ。祐一いい泡が出てくるだろう。この出てきた泡はよく体になじんでくれて、よく汚れをおとしてくれるんだぞ」

 僕は、その当時の父親の言ってくれた言葉を思い出しながら泡作りに夢中になっていた。

 まさかぁ、ラブホテルで泡作りが役に立つなんて夢夢にも思ってもいないことだったが、雑学ってのは、どこで使えるものになるかって分からないものだとしみじみ思ってしまうものである。

「どう、詩織……凄くないか?」

 程よく泡だったスポンジを詩織に見せた。

「うん。凄いかも……」

 詩織は、緊張しているのか、か細い声で答えた。

「じゃ、泡をつけるよ」

「うん」

 僕は泡だったスポンジをゆっくりと、詩織の首すじから順に下半身にむけてこすっていった。

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