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一緒にバスルーム
しおりを挟む僕の閃きとは、なんで別々にシャワーあびないといけないのだ。
せっかくこんなところまで、勇気を出して来たっていうのに、一緒にシャワーに入らない手はないのじゃないかと……しかも一緒に入ると時間を短縮出来るだけじゃなく、うまくいけば、詩織の体を触り放題じゃないか。
「詩織、一緒にシャワーあびよっか! お互いに洗いっこしようよ」
僕は思いたったら吉日とばかりに、自身のエロイ妄想を引っさげて詩織に提案してみた。
「え!? 何言ってるのよ! 嫌だよ。恥かしいよ」
「大丈夫だって、変な事しないし……それに背中とか洗いづらいだろ」
僕も必死である。男である。
そもそも変な事=Hな事をするためにホテルに来ているのであって、どんなに訳の分からぬことを言ってでも押し通さないといけないのである。
「祐一君、絶対に変な事しない? もちろんHな事もだよ!」
僕は詩織の言ったことを聞いて、何をいまさら眠たいことを言っているの詩織ちゃんと思ったのだが、返事は「しないよ、ただ体を洗いっこするだけ……」と全然思ってもいない事をのべた。
もちろん、僕の気持ちは触る気満々、Hな事する気全開である。
「じゃ、一緒に入ってもいいよ」
僕のペテンの勝ちであった。
詩織は、なくなく提案を了承してくれたのだった。
僕はウキウキした気分で詩織の背中を押すと、一緒にバスルームに向かったのであった。
「ちょっと、祐一君。あんまりジロジロ見ないでよ!」
脱衣所で服を脱いでる詩織の姿を鼻の下を伸ばして見ていた僕に、詩織は少しほっぺたをふくらませて、そんなことを言ってくる。詩織の怒った表情もキュートでいい感じだ。
「いいじゃないかよ。見てるだけなんだし、減るもんじゃないだろう」
「もう、祐一君のエッチ! スケベなおっさんみたいなこと言わないでよ」
「わかったよ。見ない、もう見ないよ」
僕は着ているシャツを雑に脱ぎ捨てながら、見ないと言いつつ横目で詩織の下着姿を捉えていた。
先にパンツを脱ぎ捨て全裸になった私は、詩織にどう? と立ち始めかけてる正宗を見せる。
僕の分身である正宗は、詩織に向かってピクンピクンと上下に海綿体の塊を動かすと、「こんばんわ」と詩織に挨拶をした。
「もう、バカぁ、そんなの見たくないよ!」
詩織は頬を赤らめて正宗から目を反らしたが、口元が緩んでいたので「見たくない」と言ってるほど、正宗の事を毛嫌いしてるのでは無いと見てとった。
それが証拠に一瞬目を反らした後、すぐに僕のほうに詩織は顔を向きなおしていたからだ。
そんな詩織の照れ隠しをしてる様子を垣間見て、僕は心の中で正宗に囁いていた。
「あとでしゃぶってもらおうな」正宗は僕の言った事を聞いて、また一回、正宗の主要成分である海綿体組織をへそにつくのではないくらいと思うぐらいに、ゆっくりと持ち上げて「わかった」と返事をしてくれた。
「さぁ、詩織も早く脱いで――手伝おうか?」
僕の正面でなかなか下着を脱ごうとしない詩織を催促するように言った。
「そんなにジロジロ見てたら恥かしくて嫌だよ。祐一君は先にバスルームの中に入っていてよ」
詩織はこの期におよんで、まだそんな甘っちょろい事を言っている。
全く乙女っていうか女性は難しいと思った。
「じゃ、先に中で待ってるよ」
粘っていても時間の無駄だと思われるので、僕はバスルームの中に入った。
初めて、ラブホテルのバスルームに入った僕は、ここでも驚かされてしまった。
とにかく、バスルームのスペースが半端なく広いのだ。
バスルーム全体でいうに自分の自室よりかはかなり大きく作られていて、4人ぐらいは一緒に入れるのではないかと思ってしまう。
バスルームの内装はピンクを基調としていて、壁のタイルには酔っ払ったような漫画ちっくな太陽が顔つきで描かれていた。家のカビだらけのタイルと違って清掃がいきとどき清潔感がする。
タイルの壁には、プールで浮き輪代わりに使用するようなマットが立てかけられていた。最初マットを見たときは何でこんなものあるのと? 思ってしまったのだが、のちほどに僕はマットがあることの意味に気がつくのであった。
バスルーム内で一人突っ立ていても仕方ないので、僕は浴槽に湯をはることにした。家の湯の溜まり具合を常時確認しないといけないようなショボイ浴槽ではなく、ラブホテルのは自動で湯をはってくれる便利なものであった。
浴槽の便利な機能はそれだけでなく、寝室の回転式ベッドと同じように多機能であるようだ。
泡を出すことが出来るジェットバスや四方八方から湯が飛び出すボディシャワーなどが出来ることが浴槽の横についてるタッチパネルから確認できた。タッチパネルからバスルーム内の照明も操作できるようになっていて、僕はバスルームの明るさを調整してみた。その中の一つにプラネタリウムってものがあり、パネルをタッチしてみた。するとバスルーム内の天井一面に北斗七星をはじめとする綺羅星達が天井を埋め尽くしてくれて、ここはどこ? と錯覚してしまうのだった。
「うわぁ、何これ……むちゃくちゃ綺麗」
タイミングがいい事に、前面ガラス式のドアからバスルームに詩織が入ってきた。
詩織は全身がちがちにバスタオルを巻いておられた。
どうせ、すぐにバスタオルなんか僕にはぎ取れられて、すっぽんぽんにされるのに……全く往生際がこのうえなく悪い。
「バスルームって思えないだろう」
「うん、素敵だね」
いいムードをつくってくれるラブホテルの演出に私は感謝の気持ちでいっぱいになる。
詩織が気にいってるので照明は薄暗い状態のプラネタリウムのままにしておくことにした。
僕は詩織のバスタオル姿を見て、焦らされてるような気分になっていた。早くバスタオルを取ってしまい詩織の裸を拝みたい衝動に駆られる。
「今、バスタブにお湯入れてるから――体洗ってやるよ」
「えぇ、いいよ、いいよ! 体くらい自分で洗えるから……」
幼稚園児じゃあるまいし、体くらい自分で洗えることなんか百も承知である。
「詩織、こんな機会滅多にないんだ! 察してくれよ」
僕は思わず心の叫びを発してしまっていた。
「うん。でも……洗うだけだよ!」
これまた、洗うだけですまないことなど私は百も承知であった。
「洗うだけ、もちろん洗うだけだよ」
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