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口技って?
しおりを挟む「もしもし、祐一君。昼すぎに電話したんだよ! どこ行っていたのよ? ちゃんと家で勉強しないといけないでしょ」
やはり、愛する詩織は雅博のところに遊びにいってる間に電話してくれていた。
「ごめん、ごめん。雅博から電話あって――遊びに行っていたんだよ」
僕は、雅博の家にいった経緯をかいつまんで話した。
それと、キスをして以来、詩織は僕に対して母親みたいな事を言ってくるのが少々気になるところでもある。
「え、そうなの? 雅博君って余裕なんだね! だってこの時期に遊びにこないかなんて言えないよ」
僕は、雅博の印象が詩織に悪くなってはいけないと思ったので多少の嘘を言った。
「まぁ、遊びに行ったといっても、いろいろ受験の悩み事とか、勉強教えてもらっていたんだよ。詩織は知らないかもしれないけど雅博って頭いいんだよ。受験も慶早受けるって言ってたし……」
「え!? 慶早って雅博君、賢いんだね!」
詩織の言うように、確かに雅博は賢い。
僕と同じように受験とかに無縁だと思われるぐらいに勉強などしてるそぶりなど一切無いのに慶早受けるのだから、おそらく持って生まれた天才なんだと思ってしまうのだ。
「うん、雅博は賢いよ。受験なんかも全然余裕こいてたし、全く羨ましい限りだよ」
「へぇ、雅博君って凄いんだね」
せっかくの詩織との会話で、私よりも何事も恵まれてる雅博の話をしてもつまらないので、クリスマスの話を切り出すことにした。
「それで、今度のクリスマスイブの話なんだけど……雅博のところも一緒にデートしないかって話になったんだけど――その方が楽しくないかって雅博が言うんだ。もちろん詩織が嫌だったら断るけど……」
僕は、すでに勝手に決めていたが、なるべく断られないようないい方で聞いてみた。
「詩織は全然OKだけど、でも、雅博君の彼女のこと知らないし、大丈夫なの?」
実のところ、私自身も雅博の彼女のことはよく知らない。知っていることといえば、雅博の彼女の名前が朱美といって、雅博よりも年上でフェラチオが上手いってことぐらいである。もちろん顔など見たことがない。
「大丈夫だと思うよ! だって詩織は物凄く社交的だし、あんまり人見知りしないだろう」
自分の母親とすぐに打ち解けあう詩織の姿を知ってるだけに、そこのところは安心だと考えていた。
「詩織は知らない人でも平気だけど、相手が私のこと、どう思うかは責任もてないよ」
「うん、そのことなんだけど、雅博の話では彼女は口技がうまいらしいから安心していいと思うよ」
僕は、少しでも詩織を安心させるために適当なことを言っていた。
「口技って何よ? 話し上手ってことなんでしょう」
あぶない、あぶない、いい方を間違ってしまったようである。
詩織がいいように解釈してくれて助かったと肝を冷やした。
「そうそう、話し上手ってことなんで安心してよね。じゃ、詩織はダブルデートでも問題ないよな」
なんとか誤魔化しながら詩織に確認をとった。
「うん、詩織は全然大丈夫だよ! 雅博君の彼女も見てみたいから、なんだか楽しみになってきた」
二人っきりのデートだとあんまり楽しみじゃなかったのかよと一瞬思ってしまう詩織の返答だったが、デートを楽しみにしてくれることはいい事なので深く考えないことにした。
「それじゃ、雅博にOKだと連絡しとくね。また詳しい時間とかも決めておくし、それでいいかな?」
「うん、それでいいよ」
詩織がいい返事をしてくれたので、胸をなでおろした。
これで、今度こそ詩織の処女をいただけると股間に熱いものを感じるのであった。
しばらく詩織と会話したあと電話を切った。
その後に、すぐに雅博に電話してだいたいのデートの打ち合わせをした。
デートは12月24日の火曜日で、待ち合わせは午後二時に雅博の家の近所にあるバス停。
映画を見たあとにレストランで食事をして、その後は雅博達とは現地解散をして、その後にうふふな展開をすると言う計画であった。
僕は二日後に迫った聖夜ならぬ、性夜に大いに股間を膨らませるのであった。
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