【完結】【やりちん】僕の青春グラフィティ。ノスタルジーな昭和チェリーボーイの卒業物語

カトラス

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受験より大事なこと

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 そんなことを考えていたら、母親が台所から私を呼んだ。

 母親の声のトーンからして夕飯が出来たみたいである。

 

 いつも、母親は十分に聞こえる大きな声で呼ぶのですぐにわかるってものである。

 早く、行かないと叫ばれそうなので居間に行くことにした。

 正直、おっさんの愛撫指南によって、お腹はすでに満腹なのであるが、腹が減っては戦は出来ぬと言う諺があるように、夜間のトレーニングに備えないといけないのである。

 

 僕は台所から漂ってくるニンニクの香りのいざなわれながら、居間に夕飯を食べにいったのだった。

 
 予想通り、夕飯のおかずは餃子とレバニラ炒めであった。

 

 朝出かける前に母親に、見えすいたお世辞というか嘘を言っておいたのが功を得たっていうものである。

 勢のつく食事もトレーニングの一環であるからして、夕飯の献立は嬉しかった。

 
 特に餃子は大好物なので、ご飯がすすむ。

 白飯をがっつきながら食べていると、母親が食欲を無くすような事を言ってきた。

「祐一、ちゃんと勉強してるの?」

 

 死にそうになるぐらい、毎日、毎晩あっちの勉強はしてるのだが、無論、母親の聞いてきた事は、世間一般でいうところの勉学、学業のことである。


「来年、受験なんだから――公立高校に受かってもらわないと困るわよ」

 母親の言うところを要約すると、我が家には私立に通わすぐらいの金銭的な余裕は無いので、せめて公立高校の普通科ぐらいは受かってくれというものであった。

 母親はことあるごとに受験の話をしてくるので、うっとしい。

 ちなみに二学期の中間テストの結果や塾の模試試験の結果から見て、僕の公立高校に受かる確立は五分五分ってところであった。

 つまり確実に合格できるレベルではないのである。

 

 でも、その時の気持ちは、周りの同級生達と違って、受験なんてどうでもいいことだと思っていた。

 頭を支配しているのは、いかに早く詩織と結ばれて、同級生よりいち早く童貞を捨てることが出来るかが、一番の感心事だったのである。

「あぁ、飯食ったら、ちゃんと勉強するよ」

 

 僕にとっては、まんざら嘘でないことを母親に返事した。もちろん、勉強ってのはメンズボーイのおっさんの指南を受けることなのだが……

 

 途中から、食事は味気ないものになってしまったが、しっかりと夕飯を平らげた私は、再び、勉強に励むために自室に戻って、メンズボーイをひろげた。



 “明日のために……その九、合体結合こそ究極の快楽。神に感謝すべし”

 思わず、本を閉じたくなるようなタイトルが書かれていて、メンズボーイ内のおっさんは、正座して拝んでる絵が描かれていた。


「まずは、ここまでよく我慢して読んできたことを褒めてやるぞ。いままで、女性の口説き方に始まり、局部強化の仕方、そしてキスと愛撫の方法など教えてきたことは、これから説明する結合合体、つまりSEXをするためのものであるからして、決して無駄でないことだと思ってくれ、全ての要素をマスターしてこそ、女性と心身ともに結ばれる快感が得られることになるに違いないと約束する。では、前書きが長くなったが、これから、具体的に説明してやるので、最後だと思って心して読むべし、学ぶべし」

 さすがに、最後だけあって、おっさんの気合いは只者でないように思った。

 まるで誌面から、おっさんのオーラーすらただよってきそうな感じだ。

「それでは、始めるぞ。まず結合ってのは、女性の膣口や肛門に男性器を挿入することを指すんだ。ここでは、主に膣口に関することだけの説明にする。それは、たいていの女性は肛門に挿入されることなんて好んでいないからである。どうしても、俺はアナルが好きだっていうのなら、それ専門の店に行くか、サウナなどで、好きそうな同性を探すことをお勧めする」

 おっさんの言ってるアナルに挿入の意味がわからなかったが、そのような趣向がある奴もいるのだと驚いたのであった。

「それで、前述した愛撫によって、十分に女性器が濡れてきたら、挿入の準備が出来たと思ってくれ。アダルトビデオなどを見ていると、いきなり挿入しているものもあるが、あれは間違いなので真似はしないように注意が必要である。いきなり挿入しても女性が痛がるだけなので勘違いしにようにすることだ。それと、一番肝心なことなのだが、挿入って行為は、本来は結婚をして子供を授かるために行うためのものだと、おっさんは思っている。だが、おっさんは、そこまで昔の人のように固いことを言うつもりはない。何が言いたいかって言うことなのだが、子供を望んでいなかったり、パートナーが学生だったりするのなら、必ず、コンドームをつけて、しっかり避妊をしてから行為をするべし。でないと、人気ドラマの金八先生のような事になっても、おっさんは責任を持てないことだけは、はっきり明記しておこう」

 僕は一瞬、金八先生の劇中での宮沢保(鶴見辰吾)と浅井雪乃(杉田かおる)のシーンがよぎって身震いした。


「挿入前にゴムをしっかり装着したら、ゆっくりと膣口に男性器を当てて挿入するんだ。女性が処女なら、なかなか入りずらいので、優しい言葉をかけてゆっくりと挿入すべし。基本的には男がリードして行うことなので、女性をいたわって挿入することだ。お前自身が始めてなら、決してあせらないことも合わせて言っておく。そして、見事に挿入が成功したら、次に性運動に入ることになる。性運動ってのは、お互いの腰を前後や斜行、はたまた、「の」の字を描くように回転することをいうんだ。初めてなら、いろんな動きをせずに、前後の腰の動きだけのピストン運動だけで十分に快感を得られるので、最初はそれだけでもいいだろう。それで、前後の動き方なのだが、興奮したからといって、お前がむやみやたらに腰を激しく動かしても、気持ちいいのは本人だけなので自重するこった。それは、男と女では感じ方が違うからのほかならないからだ。男は挿入した満足感が強いので、少しの刺激でも快感は得られるが、女性は違うってことなんだ。前にも言ったが、そもそも、男性と女性とではオーガズムに達する時間が違うからだ。女性はゆっくりと時間をかけて、性運動をすることによって、徐々に性感が高まっていくものだ。だから、挿入を開始した際は、まずは、男性器を完全に膣口の奥まで完全に入れずに、膣口の半分以下ぐらいまで挿入の深さを抑えて、ゆっくりと浅い、前後の動きをすることを勧めるってもんだ。それを、繰り返しているうちに、女性の膣の性感が高まっていき、もっと深い挿入を期待してくる。そこらの見極めは女性の表情や喘ぎ声で判断して柔軟に対応すべし」
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