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痒み 痒いの
しおりを挟むその日の朝の目覚めは、尋常ならざる痒さによってもたらされた。
とにかく、アソコが痒くて痒くて仕方が無いのだ。
その痒さといったら、朝から「コンニャク知らない」と僕に聞いてくる母親を無視できるぐらいの凄まじいものであった。
痒さの原因は明白である。
痒さの原因はコンニャクに決まっているのだから……
僕は、トイレに入ると確認してみた。
見た瞬間、驚愕してしまった。
アソコ全体に発疹みたいなものが無数に点在している。
先輩からはこのようなことになるなんて聞いていないのに、なんたる状況なんだと昨晩の行為を深く後悔した。
たぶん、こんなことになったのは、僕の皮膚が弱いからに違いないと思った。
今までコンニャクでアレルギーを起こしたことなんて無いのに……
アレルギーがあるとしたらトロロ芋ぐらいしか心あたりがないのである。
その時、僕はアッと思った。
慌てて、ゴミ箱にほってある、
コンニャクのパッケージの成分を見た。
そこには、山芋をすり込んである旨がしっかりと記載されていたのであった。
僕は、山芋コンニャクによってかぶれてしまったアソコを抱えこみながら、どうしたらいいものかと思案した。考えながらも、尋常じゃない痒みが襲ってくる。
虫さされなどに使うスプレー式の薬でも噴射してやろうかとも思ったが、もし、失敗してしまい、状況がさらに悪化してしまうことを考えたら怖くて出来ない。
それと、学校にも行かなければいけない。
放課後に詩織が告白の返事を待っているので休むわけにはいかないのだ。
思案してるといっても答えはでていた。
自分で、この状態を打破する最善の方法はわかっているのだった。
それは、今すぐに学校を休んで、皮膚科ないし泌尿器の病院に行って診てもらうのが一番なのだ。
でも、それだけは避けたいと思うからこそ悩んでしまう。
病院に行くのだけは避けたい。医者に見せて物笑いの種になって生き恥をさらすことだけはなんとしても避けなければならないのである。
とりあえず、僕はもう少し様子を見ることにした。
いくら考えたところで痒みがおさまるわけでもなく、学校にもいかなければいけないからだ。
僕は鞄に教科書などの授業道具を急いで詰め込むと、朝食を食べに居間に行った。
居間では、母親が探偵ばりに消えたコンニャクのことを推理していた。
「祐一、コンニャクなんか生で食べないわよね。間違って捨てちゃったのかしら」
僕はとてもじゃないが、母親に「コンニャクはオナニーの道具に使ったよ。使ったらかぶれてしまって痒くて仕方がないんだ。だから、今から医者行って診てもらってくる」なんて、痒さで狂い死んでも言えることではなかった。
「母さん、きっと間違って捨てたんじゃないの」と答えるのが精一杯だった。
母親に白を切ると、飛び出すように学校に向かった。
時間が経つと、もしかしたら痒さがおさまるのではないかと甘い考えをしていたのだったが、授業中に痒さはますます増すばかりで、同級生の目を盗んではポリポリとアソコを掻く始末だった。
授業中に何度も早退して病院に行こうかと迷うぐらい痒かったのだが、なんとか放課後まで耐えた。
仲のいい友人は、いつもより口数の少ないことに「顔色悪いぞ、大丈夫か?」など心配して言葉をかけてくれた。
いっそのこと心配してくれてる友人にアソコが痒くて仕方がないことを相談してみようかと思ったが、やはり恥ずかしくて言えるような代物ではないと自重せざるえなかった。
唯一、相談できるとしたら、僕がこのようなことになってしまった原因の発端の一つでもある先輩しかいないと考えるのであった。
そう考えると、早く先輩に相談して、何か助けてもらえないだろうかといてもたってもいられなくなってくる。しかし、先輩のいるクラブに行く前に、詩織とのことを片付けないといけないのだ。
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