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6.女
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「ミシェル?」
ラジオ体操が行われる広場まで歩いている時だった。
突然、ご主人様の名前を呼ぶ女の声が聴こえた。
「アデルじゃないか」
声の主はアデル。
以前、一度会ったことがある。
ご主人様と同じ種族の女だ。
腰まで伸びる金髪とお姫様が来ているようなドレスをはためかせながら、ペットを連れて歩いていた。
ちなみに私はこの女が嫌いだ。
「貴方もラジオ体操に行くのかしら」
アデルはご主人様に問いかけた。
ということはアデルもラジオ体操に行くのだろうか。
それにしては運動に不向きな服装だと思う。
「そうだ。ソラと一緒に行く」
ご主人様は私の方を見て笑みをこぼす。
私もご主人様に微笑み返した。
「ソラ?嗚呼、ペットのことね。忘れてたわ」
アデルは私を睨みつける。
私もご主人様に見られない角度で睨み返した。
「実は私もこの子と一緒にラジオ体操へ行くの。ほら挨拶なさい」
アデルはリードを引いてペットをご主人様の前に出す。
「初めまして。スイと言います。アデル様にはとても良くして頂いています」
スイはそう言って頭を下げる。
「初めましてスイ。とても礼儀正しい子だね」
「でしょう?きっとソラと良い友達になれると思いますわ」
嫌な予感がする。
「だからどうでしょう。ラジオ体操はソラとスイだけで行うの。その方がこの子達のためになると思うわ」
そしてアデルは付け加える。
「その間、私たちは近くのカフェにでも行きましょうよ」
焦ってご主人様の方を見ると悩んでいるようだった。
《そんなご主人様!この女はご主人様と2人っきりになりたいだけです!》
と叫びたかったがペットの私が口を挟める訳がなかった。
「確かにその通りだ」
ご主人様は呟いた。
ラジオ体操が行われる広場まで歩いている時だった。
突然、ご主人様の名前を呼ぶ女の声が聴こえた。
「アデルじゃないか」
声の主はアデル。
以前、一度会ったことがある。
ご主人様と同じ種族の女だ。
腰まで伸びる金髪とお姫様が来ているようなドレスをはためかせながら、ペットを連れて歩いていた。
ちなみに私はこの女が嫌いだ。
「貴方もラジオ体操に行くのかしら」
アデルはご主人様に問いかけた。
ということはアデルもラジオ体操に行くのだろうか。
それにしては運動に不向きな服装だと思う。
「そうだ。ソラと一緒に行く」
ご主人様は私の方を見て笑みをこぼす。
私もご主人様に微笑み返した。
「ソラ?嗚呼、ペットのことね。忘れてたわ」
アデルは私を睨みつける。
私もご主人様に見られない角度で睨み返した。
「実は私もこの子と一緒にラジオ体操へ行くの。ほら挨拶なさい」
アデルはリードを引いてペットをご主人様の前に出す。
「初めまして。スイと言います。アデル様にはとても良くして頂いています」
スイはそう言って頭を下げる。
「初めましてスイ。とても礼儀正しい子だね」
「でしょう?きっとソラと良い友達になれると思いますわ」
嫌な予感がする。
「だからどうでしょう。ラジオ体操はソラとスイだけで行うの。その方がこの子達のためになると思うわ」
そしてアデルは付け加える。
「その間、私たちは近くのカフェにでも行きましょうよ」
焦ってご主人様の方を見ると悩んでいるようだった。
《そんなご主人様!この女はご主人様と2人っきりになりたいだけです!》
と叫びたかったがペットの私が口を挟める訳がなかった。
「確かにその通りだ」
ご主人様は呟いた。
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