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番外編、圭吾と零
花嶺家のバレンタイン
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「まま~なにちゅくってるの?」
お昼寝から目が覚めたゆいは、りおをおんぶ紐に背負いながらせっせと何かを混ぜている零を覗き込む。
「ゆいおはよ~。これはね、ガトーショコラっていうケーキを作ってるんだよ」
零が教えると、ゆいはパッと顔を明るくし、
「けーき!」
とその場で飛び跳ねた。
「ふふ、でもこれはいつものおやつの時間に食べるやつじゃなくて、パパが帰ってきてからみんなで食べるやつだからね」
今日のおやつはこっち、と言ってゆいに手を洗いに行くよう促した。
「まま~なんでけーきいまたべないの?」
ゆいは椅子に座って足をぷらぷらさせながら、零に聞く。
今日のおやつは作り置きしている生地を切った焼きたてのクッキー。
クッキープレーンとココアの2種類焼いたので、ゆいはそれを交互に食べている。
「んーとね、バレンタインって言って、一年に一回大好きな人達にチョコとかお菓子をあげる日だからだよ。
いつもみたいにお皿に乗せるんじゃなくて、かわいい袋に入れてプレゼントにするの」
ゆいは零の説明をわかったのかわかっていないのか、
「へ~、くっきーおいしいね」
と言って牛乳を飲んだ。
「はい、圭吾さん。ハッピーバレンタイン」
夕食後、零はかわいくラッピングしたガトーショコラを渡した。
「ありがとう~、零」
圭吾は受け取るなり零をぎゅ、と抱きしめ、おでこにキスをする。
零は子供たちの前でキスをされて恥ずかしかったのか、
「も~」
と言ってゆいにもガトーショコラを渡す。
りおはまだ一歳なので、赤ちゃん用のレンジで作れるケーキを焼いてプレゼントする。
りおはラッピングよりもはやく食べたいらしいので、お皿に乗せてあげた。
「ほら、二人ともどうぞ食べてください」
紅茶とホットミルクを入れ、家族4人でケーキを食べる。
「ん、おいしい!」
圭吾は一口食べると、目を見開いて感想を言う。
零の作るガトーショコラは、今まで食べたどのガトーショコラよりも美味しかった。
外はサクッと中はしっとり、口の中に広がるココアの香りでほっぺたが落ちそうになる。
「零、ケーキ屋さんになれるよ。俺だったら毎日通う」
圭吾お得意の○○屋さんになれるよ、という定型文で褒められた零は、ふふ、と笑った。
「ケーキ屋さんにはなりませんけど、また作ってあげますよ」
お昼寝から目が覚めたゆいは、りおをおんぶ紐に背負いながらせっせと何かを混ぜている零を覗き込む。
「ゆいおはよ~。これはね、ガトーショコラっていうケーキを作ってるんだよ」
零が教えると、ゆいはパッと顔を明るくし、
「けーき!」
とその場で飛び跳ねた。
「ふふ、でもこれはいつものおやつの時間に食べるやつじゃなくて、パパが帰ってきてからみんなで食べるやつだからね」
今日のおやつはこっち、と言ってゆいに手を洗いに行くよう促した。
「まま~なんでけーきいまたべないの?」
ゆいは椅子に座って足をぷらぷらさせながら、零に聞く。
今日のおやつは作り置きしている生地を切った焼きたてのクッキー。
クッキープレーンとココアの2種類焼いたので、ゆいはそれを交互に食べている。
「んーとね、バレンタインって言って、一年に一回大好きな人達にチョコとかお菓子をあげる日だからだよ。
いつもみたいにお皿に乗せるんじゃなくて、かわいい袋に入れてプレゼントにするの」
ゆいは零の説明をわかったのかわかっていないのか、
「へ~、くっきーおいしいね」
と言って牛乳を飲んだ。
「はい、圭吾さん。ハッピーバレンタイン」
夕食後、零はかわいくラッピングしたガトーショコラを渡した。
「ありがとう~、零」
圭吾は受け取るなり零をぎゅ、と抱きしめ、おでこにキスをする。
零は子供たちの前でキスをされて恥ずかしかったのか、
「も~」
と言ってゆいにもガトーショコラを渡す。
りおはまだ一歳なので、赤ちゃん用のレンジで作れるケーキを焼いてプレゼントする。
りおはラッピングよりもはやく食べたいらしいので、お皿に乗せてあげた。
「ほら、二人ともどうぞ食べてください」
紅茶とホットミルクを入れ、家族4人でケーキを食べる。
「ん、おいしい!」
圭吾は一口食べると、目を見開いて感想を言う。
零の作るガトーショコラは、今まで食べたどのガトーショコラよりも美味しかった。
外はサクッと中はしっとり、口の中に広がるココアの香りでほっぺたが落ちそうになる。
「零、ケーキ屋さんになれるよ。俺だったら毎日通う」
圭吾お得意の○○屋さんになれるよ、という定型文で褒められた零は、ふふ、と笑った。
「ケーキ屋さんにはなりませんけど、また作ってあげますよ」
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