強制結婚させられた相手がすきすぎる

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番外編、〇〇とゆい

かんぱき!

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「うん!ママかんぱき!」
今年4歳になった唯は、ママのほっぺにシールを貼ってそう言った。
「ほんと?ありがとう~」
零はゆいを抱きしめようとするが、シールを貼って満足したらしい息子は既に猫のももたを追いかけるのに夢中だ。
「ちょっとゆいく~ん。ももたにシールはだめだよ、お皿にしてあげようね~」
この一見妙な遊びは、数日前に突如始まった。

「ゆい、ピーマン食べたの?!すごい!完璧!」
父である圭吾が、なにやらシールを取り出してゆいのほっぺたに貼り付けた。
「なに!?パパなにっ!」
ゆいは自分のほっぺたからシールを剥がすと、それを見て目を輝かせた。
「わ~!」
喜ぶ息子に満足気な圭吾は、シールを零に見せてこう話す。
「堂崎さんっているじゃん?あの人が今日教えてくれたんだよ。
娘さんがお風呂嫌いらしくて、嫌がらずお風呂に入れたらこのシールをあげる、っていうのをしてたら克服したらしい」
見ると、シールにはかわいいくまやうさぎが描かれ、<カンペキ!>とか、<よくできました!>とか、<ありがとう!>といった言葉が書かれている。
「なるほど、よく考えましたね」
しかしゆいにはシールを使うほど克服しなければならないものがないので、圭吾がそのシールを丸ごとゆいにあげたのだ。

「ママ~りおくんには?はってもいー?」
最近1歳になった次男のりおは、ハイハイでももたを一生懸命追いかけている。
「ん~かぶれちゃうかもしれないから、お洋服だったらいいよ」
赤ちゃんの肌は繊細なので、一応やめておいた方がいいだろう。
しかしりおはももたと違って服を着ているので、そこになら問題はない。
「わかった!」
ゆいはまた、かんぱき!かんぱき!と言いながらぺたぺたとシールを貼るのだった。
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