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番外編、圭吾と零
学生if ②
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「もう、何時まで寝てるの!」
結局零は夜中まで眠り続け、圭吾が家に連れて行ったのは20:00頃になった。
「ごめん、なにしても起きなくてさ」
圭吾が零の母親に謝る。
「も~、圭吾くんはいいのよ?
悪いのはこの子なんだから…。
ほら、はやく靴脱ぎなさい!」
まだうとうとしている零の靴を、圭吾が脱がせる。
「圭吾くん泊まっていくでしょ?
お夕飯あるから二人で食べてね」
お母さんはもう寝るわよ、と歯磨きをしに洗面所に行ってしまう。
「ほら、零。せっかく用意してくれたから食べよ」
なんとか零を運び、二人並んで夕飯を食べる。
今日の夕飯はチキンカツとお味噌汁、それから白米とデザートに苺だ。
「ん…いたらきます…」
零は寝ぼけながら箸を握る。
文字通り、揃えた箸をグーで握っている。
「はあ…またか」
圭吾は見兼ねて零の口に食べ物を運ぶ。
「ん、んまい」
零は食べているうちに目が覚めてきたようで、途中からはちゃんと自分で食べた。
「もうわかんない…圭くんがやって」
夜中、零の宿題を圭吾が見守る。
二人は同じ高校だけれど、学力は天と地ほどの差がある。
圭吾は特待生で返済不要の奨学金を貰っているので、学校でもトップクラスの学力がある。
その一方で零は、ギリギリ受かった最底辺の学力だ。
なので、こうしていつも零の宿題を圭吾が見ている。
「あ、わかった!圭くんほんと教えるの上手いね~」
「調子いいこと言うな」
ぽん、と教科書で頭を叩かれ、零はえへへ、と笑った。
「ほら、終わったなら風呂入って寝るぞ」
宿題を片付け、二人で湯船に浸かる。
「きもち~ね~」
圭吾の前に零が重なり、男子高校生二人がギリギリ湯船に収まっている。
「アヒルで遊んでないでさっさと出よう、零」
圭吾が催促するも、零は言うことを聞かない。
「だめ、まだまだ。
圭くんもちゃんと肩まで浸かって?」
熱かったお湯はいつの間にかぬるま湯になっている。
「はあ…手、しわしわじゃん」
圭吾が零の手を取り、長風呂でしわになったところを撫でる。
「いいの。圭くんとのお風呂久しぶりだもん…」
しゅん、としてる零がかわいくて、圭吾は零の頭を撫でた。
結局零は夜中まで眠り続け、圭吾が家に連れて行ったのは20:00頃になった。
「ごめん、なにしても起きなくてさ」
圭吾が零の母親に謝る。
「も~、圭吾くんはいいのよ?
悪いのはこの子なんだから…。
ほら、はやく靴脱ぎなさい!」
まだうとうとしている零の靴を、圭吾が脱がせる。
「圭吾くん泊まっていくでしょ?
お夕飯あるから二人で食べてね」
お母さんはもう寝るわよ、と歯磨きをしに洗面所に行ってしまう。
「ほら、零。せっかく用意してくれたから食べよ」
なんとか零を運び、二人並んで夕飯を食べる。
今日の夕飯はチキンカツとお味噌汁、それから白米とデザートに苺だ。
「ん…いたらきます…」
零は寝ぼけながら箸を握る。
文字通り、揃えた箸をグーで握っている。
「はあ…またか」
圭吾は見兼ねて零の口に食べ物を運ぶ。
「ん、んまい」
零は食べているうちに目が覚めてきたようで、途中からはちゃんと自分で食べた。
「もうわかんない…圭くんがやって」
夜中、零の宿題を圭吾が見守る。
二人は同じ高校だけれど、学力は天と地ほどの差がある。
圭吾は特待生で返済不要の奨学金を貰っているので、学校でもトップクラスの学力がある。
その一方で零は、ギリギリ受かった最底辺の学力だ。
なので、こうしていつも零の宿題を圭吾が見ている。
「あ、わかった!圭くんほんと教えるの上手いね~」
「調子いいこと言うな」
ぽん、と教科書で頭を叩かれ、零はえへへ、と笑った。
「ほら、終わったなら風呂入って寝るぞ」
宿題を片付け、二人で湯船に浸かる。
「きもち~ね~」
圭吾の前に零が重なり、男子高校生二人がギリギリ湯船に収まっている。
「アヒルで遊んでないでさっさと出よう、零」
圭吾が催促するも、零は言うことを聞かない。
「だめ、まだまだ。
圭くんもちゃんと肩まで浸かって?」
熱かったお湯はいつの間にかぬるま湯になっている。
「はあ…手、しわしわじゃん」
圭吾が零の手を取り、長風呂でしわになったところを撫でる。
「いいの。圭くんとのお風呂久しぶりだもん…」
しゅん、としてる零がかわいくて、圭吾は零の頭を撫でた。
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