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番外編、圭吾と零

駄々っ子次男

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※ 番外編です

______________

「かって!ままこでがっでよ~」
うわーん!と大声を出して泣く次男に、零は困り果てていた。
買えない値段ではないが、甘やかすとあとが大変だ。
次男のりおが欲しいのは、大きなくまのぬいぐるみ。
零や圭吾から見れば普通サイズだが、りおからすれば自分の身体ほどの大きさだ。
ぎゅ、とぬいぐるみにしがみつき、離れようとしない。
「りお…この前もほしいおもちゃパパに買ってもらったよね」
何度もそう言うが、りおは泣き止まず零をぽかぽかと叩いた。
そこに、長男をトイレに連れて行っていた夫が帰ってきた。
「零、おまたせ」
って、何やってるの?
圭吾はその光景に一瞬驚いたが、妻を夢中になって叩く次男をすぐに抱き上げた。
「りお、なにやってんの」
その顔は怒っている。
流石のりおもそれには驚き、涙を引っ込ませて固まっている。
「まま、どうしたの?」
長男のゆいが叩かれた零のお腹を優しく撫でた。
「あのぬいぐるみが欲しいんだって。
他の人の迷惑になるから、一旦フードコートで座ろうか」
零はカラのベビーカーを押して、3人を誘導する。

「で、何があったの?」
圭吾がりおの涙を拭きながら事情を聞く。
「くまのぬいぐるみを欲しがって…
でも、この前も圭吾さんにおもちゃを買ってもらってたので甘やかすのはよくないと思って」
なるほどね、と圭吾は納得する。
「りお、欲しいものが手に入らないからってままを叩いていいの?」
ううん、と首を振りながら、りおは自分のしたことに反省して涙を流す。
「そうだよね。
りおはいい子だから、ちゃんとままにごめんなさいって言えるよね」
りおは圭吾の膝から離れ、零のお腹をよしよしする。
「まま…ごべんなざい…」
ずび、と鼻をすすりながら謝る。
「うん、いいよ。
ちゃんとごめんなさいできて偉いね」
零はティッシュでりおの鼻をかみ、圭吾は4人分のアイスを買いに行った。
後日、零が小さなくまを裁縫で作り、りおはそれに「まま」と名前をつけて宝物にするのだった。
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