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番外編、圭吾と零
月一のアレ
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※男性の生理ネタなので苦手な方はスルーしてください!
_______________
「う~…」
月に一度くるアレで、今朝の零は痛みに悶えていた。
子宮から血の壁が剥がれ落ち、それに伴う痛みはなんとも言えない。
ただそれだけでなく、立ち上がった際の立ちくらみや、膣から溢れ出る血のドロッとした感覚にはうんざりしてしまうほどだ。
「零、無理して起きないで。
今あさごはん作ってるけど、零も食べられそう?」
圭吾は息子二人の世話をしながら、寝室で休んでいる妻の様子を伺う。
毎月ここまで酷い訳では無いけれど、今回の月経は比較的重い方らしく、昨日の夜からずっと辛そうにしている。
零は眉間に皺を寄せ、ひたすら襲いかかる痛みに身体を丸めた。
七歳の長男、ゆいが弟の朝ごはんを見てくれている間に、圭吾は零の介抱に専念した。
「お粥、ここに置くね」
先程作ってきた卵がゆをサイドテーブルに置き、零の腰を温めるように摩った。
下腹よりも、腰を温める方が効くらしい。
「少し良くなったらお粥食べて、そしたら薬飲めるからね」
こうなったら、もう薬を飲むしかない。
温めるよりもそれが一番良い。
「はい…ありがとうございます、二人のことも…」
こんな時でさえ、零は息子二人のことが気がかりなのだ。
自分の事は二の次な妻に、圭吾は少し呆れたように微笑んだ。
ガチャ、と寝室のドアが開き、ゆいが顔を出す。
「お母さん、大丈夫?ゆいもう学校行くね!」
すっかりお兄ちゃんになって、だんだん圭吾に似てきたゆいは頼もしい。
弟のりおを寝室まで連れてきて、小学校へ行ってしまう。
心配なので圭吾が追いかけて玄関まで見送りに行くが、ゆいはもうとっくに家を出てエレベーターに乗っていたらしい。
下に行けば近所に住む五年生のお兄さんと合流するので安心だが、小学校1年生であそこまで自立していると少し怖くもある。
圭吾は部屋に戻り、朝ごはんの片付けをした。
「まま…だいじょうぶ?よしよし」
四歳になったばかりの次男、りおは大好きなママのお腹をパパの真似してよしよしする。
「ありがとう、りお」
小さなおててで一生懸命ママを楽にしてあげようとよしよしする姿に、体調不良で弱った零は今にも泣き出しそうになる。
︎「ありがとうね、りおのおかげでまま元気になった!
ぱぱが作ってくれたおかゆさん食べようかな~」
本当はまだしんどいけれど、これ以上心配させるわけにはいかない。
重い身体を起こし、冷めてきたお粥を食べる。
「ん…美味しい」
零が食べている間も、りおは絶え間なくよしよしを続けた。
幼稚園ではあまり積極的にお友達を作ろうとせず、いつも一人遊びをしてるらしいりおだけど、困っている子にはなんの躊躇いもなく手を差し伸べられる。
連絡ノートでたまにそんなことが書かれていると、零は嬉しくて堪らなくなる。
「圭吾さん、ありがとうございます」
お皿を洗っていた圭吾に、零はりおを引き連れてお粥のお礼を言った。
「食べられたんだね、よかった。
薬飲んだらしばらく寝てて」
こういう時に、(ああ、この人と結婚してよかったな。)と零は思う。
安心して家のことを任せ、自分はいち早く体調を治すことに専念できる。
そして治ったら、今日活躍してくれた3人には美味しい料理を作ってお礼をしよう。
そんなことを考えながら眠りにつくのだった。
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「う~…」
月に一度くるアレで、今朝の零は痛みに悶えていた。
子宮から血の壁が剥がれ落ち、それに伴う痛みはなんとも言えない。
ただそれだけでなく、立ち上がった際の立ちくらみや、膣から溢れ出る血のドロッとした感覚にはうんざりしてしまうほどだ。
「零、無理して起きないで。
今あさごはん作ってるけど、零も食べられそう?」
圭吾は息子二人の世話をしながら、寝室で休んでいる妻の様子を伺う。
毎月ここまで酷い訳では無いけれど、今回の月経は比較的重い方らしく、昨日の夜からずっと辛そうにしている。
零は眉間に皺を寄せ、ひたすら襲いかかる痛みに身体を丸めた。
七歳の長男、ゆいが弟の朝ごはんを見てくれている間に、圭吾は零の介抱に専念した。
「お粥、ここに置くね」
先程作ってきた卵がゆをサイドテーブルに置き、零の腰を温めるように摩った。
下腹よりも、腰を温める方が効くらしい。
「少し良くなったらお粥食べて、そしたら薬飲めるからね」
こうなったら、もう薬を飲むしかない。
温めるよりもそれが一番良い。
「はい…ありがとうございます、二人のことも…」
こんな時でさえ、零は息子二人のことが気がかりなのだ。
自分の事は二の次な妻に、圭吾は少し呆れたように微笑んだ。
ガチャ、と寝室のドアが開き、ゆいが顔を出す。
「お母さん、大丈夫?ゆいもう学校行くね!」
すっかりお兄ちゃんになって、だんだん圭吾に似てきたゆいは頼もしい。
弟のりおを寝室まで連れてきて、小学校へ行ってしまう。
心配なので圭吾が追いかけて玄関まで見送りに行くが、ゆいはもうとっくに家を出てエレベーターに乗っていたらしい。
下に行けば近所に住む五年生のお兄さんと合流するので安心だが、小学校1年生であそこまで自立していると少し怖くもある。
圭吾は部屋に戻り、朝ごはんの片付けをした。
「まま…だいじょうぶ?よしよし」
四歳になったばかりの次男、りおは大好きなママのお腹をパパの真似してよしよしする。
「ありがとう、りお」
小さなおててで一生懸命ママを楽にしてあげようとよしよしする姿に、体調不良で弱った零は今にも泣き出しそうになる。
︎「ありがとうね、りおのおかげでまま元気になった!
ぱぱが作ってくれたおかゆさん食べようかな~」
本当はまだしんどいけれど、これ以上心配させるわけにはいかない。
重い身体を起こし、冷めてきたお粥を食べる。
「ん…美味しい」
零が食べている間も、りおは絶え間なくよしよしを続けた。
幼稚園ではあまり積極的にお友達を作ろうとせず、いつも一人遊びをしてるらしいりおだけど、困っている子にはなんの躊躇いもなく手を差し伸べられる。
連絡ノートでたまにそんなことが書かれていると、零は嬉しくて堪らなくなる。
「圭吾さん、ありがとうございます」
お皿を洗っていた圭吾に、零はりおを引き連れてお粥のお礼を言った。
「食べられたんだね、よかった。
薬飲んだらしばらく寝てて」
こういう時に、(ああ、この人と結婚してよかったな。)と零は思う。
安心して家のことを任せ、自分はいち早く体調を治すことに専念できる。
そして治ったら、今日活躍してくれた3人には美味しい料理を作ってお礼をしよう。
そんなことを考えながら眠りにつくのだった。
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