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もしものふたり
再び、名前の話
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※ もしものふたり の世界線です。
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「じゃあ、交互に候補を出していきましょう。
僕がこのホワイトボードに記入します」
なかなか本格的だね、と圭吾に言われながら、零はホワイトボードのペンを握る。
このために百均で買ってきたのだ。
「じゃあ、まず圭吾さんから」
零に言われ、圭吾は手に持っていたメモ帳を開いた。
「じゃあ、いくよ。
一つ目は『ひかり』くん」
ひ、か、り…と言いながら、零かホワイトボードにその名前を書く。
「かわいらしい響きですね。
僕の一つ目は『るい』くんです」
零の方こそ、かわいい響きだね。と圭吾。
また零が、る、い…と言いながら書いていく。
この、第一子名前決め会議が行われる一週間前、零の作ったジェンダーリビールケーキによって性別が発表された。
男の子だと判明する前からふんわりと名前は考えていたものの、まだちゃんと話し合ったことがなかった。
ということで、一週間で何個か候補を考えておくように、零が言い出したのだ。
「次、俺だね。
二つ目は…」
と、交互に何個か発表していく。
そして圭吾が4個、零が三個発表し、それから話し合いが始まった。
「まず、圭吾さんの『ひかり』くんですけど、漢字にするならどういうのにしますか?」
一文字で光、もいいけど、なにか他の文字との組み合わせてもいいですよね。
零がまた漢字の候補をそれぞれに記入しながら話し合いを進める。
「今のところ、『輝』『涙orるい』『燐』『莉久』『のえる』『結or唯』『壱佳』『由良』の七つですね」
お互い二つに絞りましょう。
と零。
「うーん…。零の『ゆい』くんとか、好きかも」
圭吾は悩みながらもだんだん絞っていく。
「僕も、圭吾さんの『輝』くん、きらきらしててすきです」
これもいいですね、と二人で会話したり、互いの親に電話して聞いてみたり、零のお腹が張るまで楽しい会議が続いた。
「ちょっと張ってきたかな…。とりあえず、最終決定はこの子のお顔を見てからにしましょう」
圭吾が零の腰を支えながらソファーへ連れていく。
「長引いちゃったね。今温かいお茶入れてくるから待ってて」
圭吾がキッチンへ行くと、零は残った4つの名前を見る。
「輝くん、燐くん、唯くん、由良くん…」
どれがいいかな~、と言いながらお腹に手を当てる。
「おまたせ。お腹、まだ張ってる?」
圭吾が入れたお茶を、零はありがとうございます、と言って受け取った。
「まだ若干張ってる感じはしますけど、さっきよりは落ち着きました。
長い間椅子でじっとしてたから、冷えちゃったのかな~…」
今日はもうこれ飲んだら寝ましょうか。と零。
圭吾が心配そうにお腹をさする。
ホワイトボードはすぐに消えてしまうので、圭吾が零にメモとしてメッセージを送り、そのまま二人は寝室へ向かった。
「またゆっくり考えようね」
零は圭吾の腕にすっぽりと埋まり、それからすぐにすやすやと寝息を立てて眠ってしまった。
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「じゃあ、交互に候補を出していきましょう。
僕がこのホワイトボードに記入します」
なかなか本格的だね、と圭吾に言われながら、零はホワイトボードのペンを握る。
このために百均で買ってきたのだ。
「じゃあ、まず圭吾さんから」
零に言われ、圭吾は手に持っていたメモ帳を開いた。
「じゃあ、いくよ。
一つ目は『ひかり』くん」
ひ、か、り…と言いながら、零かホワイトボードにその名前を書く。
「かわいらしい響きですね。
僕の一つ目は『るい』くんです」
零の方こそ、かわいい響きだね。と圭吾。
また零が、る、い…と言いながら書いていく。
この、第一子名前決め会議が行われる一週間前、零の作ったジェンダーリビールケーキによって性別が発表された。
男の子だと判明する前からふんわりと名前は考えていたものの、まだちゃんと話し合ったことがなかった。
ということで、一週間で何個か候補を考えておくように、零が言い出したのだ。
「次、俺だね。
二つ目は…」
と、交互に何個か発表していく。
そして圭吾が4個、零が三個発表し、それから話し合いが始まった。
「まず、圭吾さんの『ひかり』くんですけど、漢字にするならどういうのにしますか?」
一文字で光、もいいけど、なにか他の文字との組み合わせてもいいですよね。
零がまた漢字の候補をそれぞれに記入しながら話し合いを進める。
「今のところ、『輝』『涙orるい』『燐』『莉久』『のえる』『結or唯』『壱佳』『由良』の七つですね」
お互い二つに絞りましょう。
と零。
「うーん…。零の『ゆい』くんとか、好きかも」
圭吾は悩みながらもだんだん絞っていく。
「僕も、圭吾さんの『輝』くん、きらきらしててすきです」
これもいいですね、と二人で会話したり、互いの親に電話して聞いてみたり、零のお腹が張るまで楽しい会議が続いた。
「ちょっと張ってきたかな…。とりあえず、最終決定はこの子のお顔を見てからにしましょう」
圭吾が零の腰を支えながらソファーへ連れていく。
「長引いちゃったね。今温かいお茶入れてくるから待ってて」
圭吾がキッチンへ行くと、零は残った4つの名前を見る。
「輝くん、燐くん、唯くん、由良くん…」
どれがいいかな~、と言いながらお腹に手を当てる。
「おまたせ。お腹、まだ張ってる?」
圭吾が入れたお茶を、零はありがとうございます、と言って受け取った。
「まだ若干張ってる感じはしますけど、さっきよりは落ち着きました。
長い間椅子でじっとしてたから、冷えちゃったのかな~…」
今日はもうこれ飲んだら寝ましょうか。と零。
圭吾が心配そうにお腹をさする。
ホワイトボードはすぐに消えてしまうので、圭吾が零にメモとしてメッセージを送り、そのまま二人は寝室へ向かった。
「またゆっくり考えようね」
零は圭吾の腕にすっぽりと埋まり、それからすぐにすやすやと寝息を立てて眠ってしまった。
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