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もしものふたり
胎動
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※ もしものふたり の世界線です。
____________
「うーん…」
零は朝から、お腹を触って難しい顔をしていた。
圭吾が気になって聞いてみると、
「なんだか今朝からお腹がぽこぽこいってて…ガスでも溜まってるのかな…」
と言う。
そのぽこぽこが少し気持ち悪いらしく、かと言って妊娠中なので薬を飲むことも出来ない。
「なんだろうね~…。
もしあれだったら、病院連れて行くよ」
圭吾の問いかけに、零はありがとうございます、でも遠慮しておきます、と答えた。
それでもまだ気になるらしく、ふとした時にお腹を触っては眉間に皺を寄せている。
「とりあえず、お夕飯の材料を買いに行きましょう」
二人は近所のスーパーまで歩いて向かう。
お日様が眩しいので、日傘をさす。
「また…ぽこぽこしてるなあ…赤ちゃんもごめんね~…嫌だよね」
よしよし、とお腹を撫でる。
スーパーに到着し、日傘を閉じる。
圭吾がカートを押し、零がそこに食材を入れていく。
「今日は…お肉が安いですね。
これを2パックと…」
普段重いものを持てないため、今日のように圭吾がいる休日の買い物はたくさんの食材を買うことができる。
最近零がハマっているポテトチップスも、今日は3袋カゴに入れた。
もちろん栄養も重視して、朝に食べるヨーグルトや、そこに入れるフルーツも入れる。
「あ、それ取ってもらってもいいですか?
その、棚の一番上にある…ありがとうございます」
高くて届かないものは、圭吾に取ってもらう。
そうして買い物をしていると、近所のおばちゃんに声をかけられた。
「あらっ!花嶺さんと、旦那さん?」
二人はこんにちは、と挨拶をした。
「まだ一人目だからお腹が目立たないのね~でもほら、胎動はもうあるでしょ?
ぽこんぽこん蹴るんだからね~」
そう言われた途端、零と圭吾は顔を見合わせる。
「え…これ…胎動?!」
零はすぐにお腹に手を置く。
すると、
「あ…ぽこって…これ胎動だったんですね」
もっと蹴られる感覚なのかと…と苦笑いする。
圭吾も零のお腹に手を置く。
「んー…わからないな…」
お腹を直接蹴られている零にはわかる、小さな反応。
「あらやだ、気づかなかったの?!
そういえばわたしも一人目ん時は気づかなかったな~。
あ、もうすぐ特売の時間だから行くわね、またね」
近所のおばちゃんは、まるで台風のように去っていった。
二人は会釈し、笑い合う。
「まさかこれが胎動だなんて…ふふっ、赤ちゃんの仕業だったんですね」
小さいながらに自分の存在を主張する赤ちゃんが愛おしく、より一層楽しみな気持ちが高まった。
「元気にすくすく育ってね。
ままとぱぱが待ってるからね」
圭吾は愛する妻のお腹を、優しくそっと撫でた。
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「うーん…」
零は朝から、お腹を触って難しい顔をしていた。
圭吾が気になって聞いてみると、
「なんだか今朝からお腹がぽこぽこいってて…ガスでも溜まってるのかな…」
と言う。
そのぽこぽこが少し気持ち悪いらしく、かと言って妊娠中なので薬を飲むことも出来ない。
「なんだろうね~…。
もしあれだったら、病院連れて行くよ」
圭吾の問いかけに、零はありがとうございます、でも遠慮しておきます、と答えた。
それでもまだ気になるらしく、ふとした時にお腹を触っては眉間に皺を寄せている。
「とりあえず、お夕飯の材料を買いに行きましょう」
二人は近所のスーパーまで歩いて向かう。
お日様が眩しいので、日傘をさす。
「また…ぽこぽこしてるなあ…赤ちゃんもごめんね~…嫌だよね」
よしよし、とお腹を撫でる。
スーパーに到着し、日傘を閉じる。
圭吾がカートを押し、零がそこに食材を入れていく。
「今日は…お肉が安いですね。
これを2パックと…」
普段重いものを持てないため、今日のように圭吾がいる休日の買い物はたくさんの食材を買うことができる。
最近零がハマっているポテトチップスも、今日は3袋カゴに入れた。
もちろん栄養も重視して、朝に食べるヨーグルトや、そこに入れるフルーツも入れる。
「あ、それ取ってもらってもいいですか?
その、棚の一番上にある…ありがとうございます」
高くて届かないものは、圭吾に取ってもらう。
そうして買い物をしていると、近所のおばちゃんに声をかけられた。
「あらっ!花嶺さんと、旦那さん?」
二人はこんにちは、と挨拶をした。
「まだ一人目だからお腹が目立たないのね~でもほら、胎動はもうあるでしょ?
ぽこんぽこん蹴るんだからね~」
そう言われた途端、零と圭吾は顔を見合わせる。
「え…これ…胎動?!」
零はすぐにお腹に手を置く。
すると、
「あ…ぽこって…これ胎動だったんですね」
もっと蹴られる感覚なのかと…と苦笑いする。
圭吾も零のお腹に手を置く。
「んー…わからないな…」
お腹を直接蹴られている零にはわかる、小さな反応。
「あらやだ、気づかなかったの?!
そういえばわたしも一人目ん時は気づかなかったな~。
あ、もうすぐ特売の時間だから行くわね、またね」
近所のおばちゃんは、まるで台風のように去っていった。
二人は会釈し、笑い合う。
「まさかこれが胎動だなんて…ふふっ、赤ちゃんの仕業だったんですね」
小さいながらに自分の存在を主張する赤ちゃんが愛おしく、より一層楽しみな気持ちが高まった。
「元気にすくすく育ってね。
ままとぱぱが待ってるからね」
圭吾は愛する妻のお腹を、優しくそっと撫でた。
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