強制結婚させられた相手がすきすぎる

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もしものふたり

おめでとう、零

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※もしものふたり の世界線です。
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「改めて、卒業おめでとう」
カチン、と二人のグラスがぶつかり合う。
圭吾は連日深夜から早朝にかけてこっそり練習していた料理を漸く振る舞うことが出来、大変満足そうな顔をしている。
「わ、これ美味しいそう…これも圭吾さんが?」
零が指すのは、圭吾が生地から作ったミニピザ。
具材の上にバジルソースがかかっており、
何種類かのそれは色鮮やかでとても綺麗だ。
「うん、喜んでくれてよかった。
ケーキは後で食べようね」
そう言ってドリアを零の取り皿によそる。
「わ~、ありがとうございます」
零はさっそくいただきます、と言ってピザやドリアをもぐもぐと食べている。
「そういえば…
明日は僕、一旦実家に帰りますね。
まだこっちに持ってきてなかった荷物もありますし…」
零が言うと、圭吾は少し緊張したような面持ちで席を立った。
零が困惑していると、再び席に座った圭吾は、真剣な顔をしている。
「そのことなんだけどね、明日は二人で一緒に行こう。
零のご両親にはもう連絡してあるから」
え?と更に困惑した零を他所に、
圭吾は何やら箱を取りだした。
「もう少し後で言おうかと思ってたけど…」
パカ、と箱を開くと、そこには零が見たことの無い大きなダイアの指輪が。
「この約三年間、ずっと今日が待ち遠しかった。
はやく零と夫婦になりたくて、家族になりたくて…」
零は既に目をうるうるとさせ、圭吾が用意した食事用のペーパーナプキンで目元を押さえている。
圭吾は立ち上がり、
「立花零さん」
零は顔を上げ、真っ直ぐ圭吾を見る。
「はい」
圭吾はふう、と一息つき、そして。
「結婚しよう」
零は立ち上がり、圭吾に抱きついた。
ずっと二人で決めていたことだけれど、
こうしてはっきりとプロポーズされるとは思っていなかった。
なんとなく、卒業したら自然と婚姻届を書くのだろうと。
だから、こうして料理を作ってくれただけでもすごく嬉しかったのに。
「ありがとう…圭吾さん…する、結婚するうぅ…」
圭吾は抱きしめ、落ち着くまで頭を撫でてやる。
涙でぐしょぐしょになった零の顔を拭き、
「これ、サイズ大丈夫かな」
と言って指輪を嵌める。
零の薬指には、キラキラと光る宝石。
「すごい…これ…」
零は圭吾の腕の中に収まりながら、
指輪を色んな方向から眺めている。
「これは婚約指輪だから、また今度二人でお揃いの結婚指輪を見に行こうね。
明日は零のご両親に挨拶に行こう」
零は圭吾の手をぎゅ、と握った。
「ありがとう。圭吾さん」

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