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もしものふたり
休日おうちデート 3
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※もしものふたり の世界線です。
____________
「ん、おいしいです」
長い昼寝から目を覚ました零は、
圭吾のつくった不格好なお好み焼きを食べ、そう言った。
「よかった。
零くんの料理には到底敵わないけどね」
圭吾は美味しそうにたべてくれる零を見ながら、自分もお好み焼きを食べる。
二人は向かい合い、軽く雑談しながら食事をした。
「あ、圭吾さんこの間のあれ録ってくれましたか?」
零は食器を洗いながらリビングでくつろぐ圭吾に声をかける。
「あー、録っておいたよ。
あとで見る?」
圭吾はスマートフォンを机に置くと、洗濯機を回しに洗面所へ向かう。
洗い物を終えた零は二人でテレビを見ながら飲む用に、温かい紅茶を入れた。
そして食後のプリンもお皿に出す。
洗面所から戻ってきた圭吾にそれらを運ぶ手伝いをしてもらい、二人はソファに腰掛けた。
「このプリン、すっごくなめらかで美味しいです」
零はプリンを口に含むと、圭吾の方を向いてそう言った。
圭吾は自分の分のプリンを手に取ると、それを零に渡す。
「気に入ってくれてよかった。
じゃあこれ、零くんがたべて」
零は圭吾のプリンをじっと眺め、
「でも…」
と遠慮する。
それでも目の輝きからものすごく食べたいのが伝わり、圭吾は微笑む。
「じゃあ、半分こしようか。
さっき食べたお好み焼きでお腹いっぱいだからさ」
そう圭吾が提案すると、零は嬉しそうにプリンを受け取る。
そして半分に分け、大きい方を圭吾に渡した。
テレビの中では零のすきな俳優が自身の恋愛観について語っている。
『俺は女性でも男性でも、子ども好きな人がいいですね~』
『そっか~、あれっ、〇〇くん子ども産めるんやったな!
ほんなら男でも女でも関係ないもんな~』
『そうですね、選び放題のラッキーな身体です』
スタジオではわはは、と一気に笑いが起こる。
零は自分の下腹に手を当て、ぼそっと呟く。
「僕も、ラッキーな身体ですね」
圭吾はそう言った零の方を見ると、
微笑んで優しく手を重ねる。
「そうだね、前に子どもほしいって言ってたっけ」
圭吾が零の下腹から手を離すと、零は名残惜しそうな目をして言った。
「はい、圭吾さんの赤ちゃん…産みたいです」
子どもを作る行為すらまだなのに、
と圭吾は思った。
「そっか、いつかはそうなるといいね」
さ、もうそろそろ送らないと。
圭吾は立ち上がり、ジャケットを羽織る。
本当はまだ少しだけ時間があるが、
これ以上隣にいては一線を越えかねない。
零は少し寂しそうな表情をした後、
今朝来た時に着ていたコートを羽織る。
玄関で零を待つ圭吾は、ぎゅ、と車の鍵を握りしめた。
_______________
二人はまだ付き合っていないので、
お泊まりデートはしていません。
未成年と成年が保護者に挨拶もせずお泊まり、というのは作者的にアウトなので、
零が20歳になってお互いの親に挨拶を済ませたらお泊まりしてほしいですね。
というか、書きます。
書きましょう…。
休日おうちデート編はこれにて終了です!
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「ん、おいしいです」
長い昼寝から目を覚ました零は、
圭吾のつくった不格好なお好み焼きを食べ、そう言った。
「よかった。
零くんの料理には到底敵わないけどね」
圭吾は美味しそうにたべてくれる零を見ながら、自分もお好み焼きを食べる。
二人は向かい合い、軽く雑談しながら食事をした。
「あ、圭吾さんこの間のあれ録ってくれましたか?」
零は食器を洗いながらリビングでくつろぐ圭吾に声をかける。
「あー、録っておいたよ。
あとで見る?」
圭吾はスマートフォンを机に置くと、洗濯機を回しに洗面所へ向かう。
洗い物を終えた零は二人でテレビを見ながら飲む用に、温かい紅茶を入れた。
そして食後のプリンもお皿に出す。
洗面所から戻ってきた圭吾にそれらを運ぶ手伝いをしてもらい、二人はソファに腰掛けた。
「このプリン、すっごくなめらかで美味しいです」
零はプリンを口に含むと、圭吾の方を向いてそう言った。
圭吾は自分の分のプリンを手に取ると、それを零に渡す。
「気に入ってくれてよかった。
じゃあこれ、零くんがたべて」
零は圭吾のプリンをじっと眺め、
「でも…」
と遠慮する。
それでも目の輝きからものすごく食べたいのが伝わり、圭吾は微笑む。
「じゃあ、半分こしようか。
さっき食べたお好み焼きでお腹いっぱいだからさ」
そう圭吾が提案すると、零は嬉しそうにプリンを受け取る。
そして半分に分け、大きい方を圭吾に渡した。
テレビの中では零のすきな俳優が自身の恋愛観について語っている。
『俺は女性でも男性でも、子ども好きな人がいいですね~』
『そっか~、あれっ、〇〇くん子ども産めるんやったな!
ほんなら男でも女でも関係ないもんな~』
『そうですね、選び放題のラッキーな身体です』
スタジオではわはは、と一気に笑いが起こる。
零は自分の下腹に手を当て、ぼそっと呟く。
「僕も、ラッキーな身体ですね」
圭吾はそう言った零の方を見ると、
微笑んで優しく手を重ねる。
「そうだね、前に子どもほしいって言ってたっけ」
圭吾が零の下腹から手を離すと、零は名残惜しそうな目をして言った。
「はい、圭吾さんの赤ちゃん…産みたいです」
子どもを作る行為すらまだなのに、
と圭吾は思った。
「そっか、いつかはそうなるといいね」
さ、もうそろそろ送らないと。
圭吾は立ち上がり、ジャケットを羽織る。
本当はまだ少しだけ時間があるが、
これ以上隣にいては一線を越えかねない。
零は少し寂しそうな表情をした後、
今朝来た時に着ていたコートを羽織る。
玄関で零を待つ圭吾は、ぎゅ、と車の鍵を握りしめた。
_______________
二人はまだ付き合っていないので、
お泊まりデートはしていません。
未成年と成年が保護者に挨拶もせずお泊まり、というのは作者的にアウトなので、
零が20歳になってお互いの親に挨拶を済ませたらお泊まりしてほしいですね。
というか、書きます。
書きましょう…。
休日おうちデート編はこれにて終了です!
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