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もしものふたり

一緒になる人は、

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「おまたせしました…!」
待ちに待った日曜日、零は約束の時間ちょうどに小走りで圭吾の元へ向かった。
圭吾はもちろん約束の30分前には到着している。
そのせいで零を焦らせることになってしまったのは
「ごめんね、楽しみにしてたからつい…」
と謝り、お詫びに息を整えるための水を買ってきた。
漸く落ち着くと、二人は早速並んで歩き出す。
「まずは本屋へ行こうか」
本屋は二階にあり、そのためにはエスカレーターに乗る必要がある。
圭吾は零を前にし、二人でエスカレーターに乗った。
「小さい頃、どうしてもエスカレーターが怖かったんです」
地面が動くなんて、子供にとっては恐ろしいですよね、とくすくす笑っているのが愛おしい。
「あ、これです。最近出たばかりで」
零が手に取ったのは、本屋の中にある新刊コーナーに置かれたうちの一冊だ。
表紙は至ってシンプルで、真ん中に薔薇の花束が描かれている。
ポップには「泣ける!話題の○○シリーズ、累計100万部を目前にしてついに完結!」
と書かれており、人気なのは一目見てわかる。
「じゃあ、これ買ってくるのでちょっと待っててください」
零が本を買っている間に、同じ本を手に取る。
あらすじにはそれっぽいことが沢山書かれており、恋愛小説だということがわかった。
「立花くん、恋愛小説が好きなんだね」
買って戻ってきた零に、圭吾はそう問うた。
すると零は少し俯くように顔を下に向け、
「…恋愛経験がないので…つい気になって…」
と言った。
照れているのか、頬がほんのり赤く色づいている。
こんなに綺麗な心とそれに相応しい容姿で、
よくここまで無事でいられたものだ。
「そっか、俺も経験と言えるほどのものはないかも。
幼馴染と高校の頃成り行きで付き合ってたくらい。」
圭吾も零に負けず劣らず綺麗な顔立ちなので、
それなりにモテはした。
だが、その先何かがあったのかと言われれば、
なにもなかった。
恋や愛に対して憧れを持っていたこともないし、
そんなことをしなくてもたのしいことはいくらでもあった。
性欲だって自分で抜くに留まるほどで、
別段何かに熱中したことは無い。
「じゃあ、これから花嶺さんと一緒になる人は、幸せですね。自分が最初で最後だなんて…」
僕何言ってるんだろう、と手をパタパタさせ、
「さ、本も買いましたし、次のところ行きましょう?」
と歩き出してしまった。

________________

くっつけるの難しいですね。
そして、圭吾は童貞じゃない方がいいかな、
なんて迷ってます。
それなりに経験があった方が後々萌えますかね…
なんて言いながら、零で初めてを経験して欲しくて童貞にしちゃいました。
ただ女性経験があっても男性経験があっても全然萌えます。
どっちがいいんだろう…
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