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どうしてもしたいんです
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「おはようございます、圭吾さん」
零はどうやら朝から機嫌がいいようだ。
悪阻も落ち着き、前のようにとはいかないが家事もそれなりにできるようになった。
圭吾はネガティブな零を見るのが辛かったので、夫婦共々これにはとても歓喜している。
「零…おはよう…」
朝に弱い圭吾には、今日も零が目覚ましとなって優しく起こす。
「…あれ、その格好どうしたの?」
零はこの日朝からでかける格好をしていて、
妊娠がわかった時に圭吾がプレゼントした小さめのショルダーバッグに「お腹に赤ちゃんがいます」というキーホルダーをぶらさげて肩にかけている。
「もう、忘れたんですか?今日は検診の日ですよ」
ああ、そうだったか。と圭吾は思う。
今日の出勤は昼過ぎからなので、二人で散歩がてら少し歩いて産婦人科に向かう。
「ほら、はやく起きてご飯食べてください。
今日は圭吾さんの好きな唐揚げおにぎりもありますよ」
零は検診がある日、圭吾を起こすとはやく朝ごはんを食べさせ、まだ時間はあるというのにでかける格好をしてそわそわしている。
だがこの日はいつもより落ち着かない様子で、
家の中をとたとたと歩き回っている。
「零、そんなにそわそわしてどうしたんだ」
圭吾は思考が回っておらず、この日ある事をすっかり忘れている様子だ。
「どうしたって、今日は赤ちゃんの性別がわかるかもしれないんですよ?!」
よしよし、とお腹を撫でながら、
まだ寝ぼけている圭吾にぷんすかぷんすかしている。
お腹はだいぶぽっこりしてきて、最近は僅かだがぽこぽこと胎動を感じるようにもなった。
前回の検診で、
「ん~隠れちゃってるねえ、次回また見てみようか~」
と先生に言われ、今日は漸くそれがわかるかもしれないのだ。
圭吾も零も、元気であれば性別など関係ない、と思ってはいるが、やはり初めての我が子だ。
性別は気になるのだろう。
「そういえばそっか、赤ちゃん、どっちなんだろうな~」
圭吾は零の手作り唐揚げおにぎりを頬張り、漸く目が覚めてきたらしい。
最近の圭吾は、というか零が妊娠してから、
仕事から帰ってきた時も、朝起きてすぐも、寝る前も、零のお腹に耳をあて、赤ちゃんに話しかけている。
零はそんな圭吾が愛おしくて、自分の下腹に耳をあてて微笑む圭吾の頭を撫でる。
「さ、はやくおにぎり食べちゃってください」
「は~い」
腹から離れることを惜しみながら、再び美味しそうにおにぎりを頬張る。
味噌汁をずずっと啜り、これまた幸せそうな顔をした。
「花嶺さーん花嶺零さーん」
はい、と元気よく返事をし、診察室へ入る。
「先生、今日こそ赤ちゃんの性別わかりますかね」
零がそわそわしながらエコーを見る。
「うーん、あ、これついてるね、男の子だ。
ほらここ、あるでしょ?」
ほんとだ…と圭吾もじっくり眺める。
二人で目を合わせ、
「男の子だ…!!」
と大喜びし、
「病院内ではお静かに…」
と軽く注意を受け、
「あ…ごめんなさい、つい…」
と苦笑いした。
「いや~男の子でしたね、僕の予想では女の子だったんですけど」
「ね、でも俺の予想はあたったな~」
零は女の子、圭吾は男の子と予想し、いつも二人で赤ちゃんに話しかけていた。
手を繋ぎ、自宅までの道をゆっくりと歩く。
「そういえば、さっき先生と何話してたの?」
圭吾がそう聞くと、零は一瞬固まる。
さっき産婦人科で検診を受けた時、零は
「先生に聞きたいことがあるから」
と圭吾だけ先に診察室を出てもらったのだ。
「ここではちょっと…」
と言う零に、圭吾は少し心配そうな顔をした。
「あの…それで、さっきの話なんですけど」
帰宅後、ソファーでゆっくりしていると、零が話を切り出す。
「あの、そろそろ安定期に入るので、先生に聞いてみたんです」
?を表情に浮かべると、零が続きを話す。
「今日まで、ずっと我慢してたじゃないですか、その、あれを…」
ああ、性行為のことか、と圭吾は納得する。
「それで、今日先生に、もうしても平気かって聞いたんです」
「それで、先生はなんて?」
「ゆっくりなら、大丈夫って。
負担がかからないようにだけ気をつければ、って…だから…その…」
「そっか、零はしたい?」
え?と驚いたような零に、圭吾は言葉を続けた。
「零がしたいのであれば、俺もしたいよ。
でも俺に気を遣ってるだけなら、しない」
妊娠が発覚してから今日までは、たまにお触りする程度で、挿入まではしていない。
赤ちゃんに負担がかかるかもしれない、というのと、零の身体を気遣ってのことだ。
「あ、僕は、その、したいです…」
顔を赤らめる零に、圭吾はふ、と微笑む。
「それならよかった。
じゃあ、今夜さっそくしてみようか」
「いい?零、少しでも辛かったら絶対に言うんだよ。
無理して赤ちゃんに何かあっても怖いからね」
はい、と零は返事をし、
圭吾に抱きついた。
「こうしてするの、すごく久しぶりですね」
きもちいい、と囁く零に、圭吾は我慢していたものが溢れそうになる。
零の性器を自分の男性器が入るように優しく解し、
何度も
「痛くない?」
と問う。
零の下腹が冷えないよう、小さめのブランケットをかけてやる。
流石に奥まで入れるのは怖いので、浅い所を擦る。
それでも、久しぶりの行為に興奮しているのか、
零は目をとろん、とさせながら喘いだ。
零が達すると圭吾はしばらく中で落ち着かせた後、
自分のモノを引き抜き、手で擦る。
流石にゆっくりだったのと、零の身体を気遣いながらの行為で達するところまではいかなかった。
零はすうすうと寝息を立て、きもちよさそうに眠っている。
「騒がしくてごめんね」
零のお腹を撫でると、圭吾は優しく話しかけた。
零はどうやら朝から機嫌がいいようだ。
悪阻も落ち着き、前のようにとはいかないが家事もそれなりにできるようになった。
圭吾はネガティブな零を見るのが辛かったので、夫婦共々これにはとても歓喜している。
「零…おはよう…」
朝に弱い圭吾には、今日も零が目覚ましとなって優しく起こす。
「…あれ、その格好どうしたの?」
零はこの日朝からでかける格好をしていて、
妊娠がわかった時に圭吾がプレゼントした小さめのショルダーバッグに「お腹に赤ちゃんがいます」というキーホルダーをぶらさげて肩にかけている。
「もう、忘れたんですか?今日は検診の日ですよ」
ああ、そうだったか。と圭吾は思う。
今日の出勤は昼過ぎからなので、二人で散歩がてら少し歩いて産婦人科に向かう。
「ほら、はやく起きてご飯食べてください。
今日は圭吾さんの好きな唐揚げおにぎりもありますよ」
零は検診がある日、圭吾を起こすとはやく朝ごはんを食べさせ、まだ時間はあるというのにでかける格好をしてそわそわしている。
だがこの日はいつもより落ち着かない様子で、
家の中をとたとたと歩き回っている。
「零、そんなにそわそわしてどうしたんだ」
圭吾は思考が回っておらず、この日ある事をすっかり忘れている様子だ。
「どうしたって、今日は赤ちゃんの性別がわかるかもしれないんですよ?!」
よしよし、とお腹を撫でながら、
まだ寝ぼけている圭吾にぷんすかぷんすかしている。
お腹はだいぶぽっこりしてきて、最近は僅かだがぽこぽこと胎動を感じるようにもなった。
前回の検診で、
「ん~隠れちゃってるねえ、次回また見てみようか~」
と先生に言われ、今日は漸くそれがわかるかもしれないのだ。
圭吾も零も、元気であれば性別など関係ない、と思ってはいるが、やはり初めての我が子だ。
性別は気になるのだろう。
「そういえばそっか、赤ちゃん、どっちなんだろうな~」
圭吾は零の手作り唐揚げおにぎりを頬張り、漸く目が覚めてきたらしい。
最近の圭吾は、というか零が妊娠してから、
仕事から帰ってきた時も、朝起きてすぐも、寝る前も、零のお腹に耳をあて、赤ちゃんに話しかけている。
零はそんな圭吾が愛おしくて、自分の下腹に耳をあてて微笑む圭吾の頭を撫でる。
「さ、はやくおにぎり食べちゃってください」
「は~い」
腹から離れることを惜しみながら、再び美味しそうにおにぎりを頬張る。
味噌汁をずずっと啜り、これまた幸せそうな顔をした。
「花嶺さーん花嶺零さーん」
はい、と元気よく返事をし、診察室へ入る。
「先生、今日こそ赤ちゃんの性別わかりますかね」
零がそわそわしながらエコーを見る。
「うーん、あ、これついてるね、男の子だ。
ほらここ、あるでしょ?」
ほんとだ…と圭吾もじっくり眺める。
二人で目を合わせ、
「男の子だ…!!」
と大喜びし、
「病院内ではお静かに…」
と軽く注意を受け、
「あ…ごめんなさい、つい…」
と苦笑いした。
「いや~男の子でしたね、僕の予想では女の子だったんですけど」
「ね、でも俺の予想はあたったな~」
零は女の子、圭吾は男の子と予想し、いつも二人で赤ちゃんに話しかけていた。
手を繋ぎ、自宅までの道をゆっくりと歩く。
「そういえば、さっき先生と何話してたの?」
圭吾がそう聞くと、零は一瞬固まる。
さっき産婦人科で検診を受けた時、零は
「先生に聞きたいことがあるから」
と圭吾だけ先に診察室を出てもらったのだ。
「ここではちょっと…」
と言う零に、圭吾は少し心配そうな顔をした。
「あの…それで、さっきの話なんですけど」
帰宅後、ソファーでゆっくりしていると、零が話を切り出す。
「あの、そろそろ安定期に入るので、先生に聞いてみたんです」
?を表情に浮かべると、零が続きを話す。
「今日まで、ずっと我慢してたじゃないですか、その、あれを…」
ああ、性行為のことか、と圭吾は納得する。
「それで、今日先生に、もうしても平気かって聞いたんです」
「それで、先生はなんて?」
「ゆっくりなら、大丈夫って。
負担がかからないようにだけ気をつければ、って…だから…その…」
「そっか、零はしたい?」
え?と驚いたような零に、圭吾は言葉を続けた。
「零がしたいのであれば、俺もしたいよ。
でも俺に気を遣ってるだけなら、しない」
妊娠が発覚してから今日までは、たまにお触りする程度で、挿入まではしていない。
赤ちゃんに負担がかかるかもしれない、というのと、零の身体を気遣ってのことだ。
「あ、僕は、その、したいです…」
顔を赤らめる零に、圭吾はふ、と微笑む。
「それならよかった。
じゃあ、今夜さっそくしてみようか」
「いい?零、少しでも辛かったら絶対に言うんだよ。
無理して赤ちゃんに何かあっても怖いからね」
はい、と零は返事をし、
圭吾に抱きついた。
「こうしてするの、すごく久しぶりですね」
きもちいい、と囁く零に、圭吾は我慢していたものが溢れそうになる。
零の性器を自分の男性器が入るように優しく解し、
何度も
「痛くない?」
と問う。
零の下腹が冷えないよう、小さめのブランケットをかけてやる。
流石に奥まで入れるのは怖いので、浅い所を擦る。
それでも、久しぶりの行為に興奮しているのか、
零は目をとろん、とさせながら喘いだ。
零が達すると圭吾はしばらく中で落ち着かせた後、
自分のモノを引き抜き、手で擦る。
流石にゆっくりだったのと、零の身体を気遣いながらの行為で達するところまではいかなかった。
零はすうすうと寝息を立て、きもちよさそうに眠っている。
「騒がしくてごめんね」
零のお腹を撫でると、圭吾は優しく話しかけた。
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