強制結婚させられた相手がすきすぎる

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初夜はどきどき

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バスローブの紐を丁寧に解き、
花嶺圭吾は妻である花嶺零の肌に触れた。
柔らかなその白い肌を撫でると、
「ん、」
と零は子猫のようなか細い声で喘ぐ。
「あ、あの、圭吾さん…」
さすがにはやすぎたか?
と圭吾は焦り、直ぐに手を離す。
「ごめんね、ちょっとはやすぎたかな」
困ったような顔で圭吾がそう問うと、
「いや、あの…えっと…」
とこれまた困ったような顔で零が言葉につまる。
「ゆっくりでいいよ、どうしたの?」
と優しく声をかけると、零は漸く安心したような表情を浮かべた。
「あの、僕こういうの初めてで…その、上手くできないと思うんですけど、ごめんなさい…」
よかった、したくないわけではないんだ。
圭吾は心底安心した。
そして、まだ手付かずの妻に嬉しさが込上げる。
生まれた時から結婚することは決まっているのだから、どうせ別れなくてはならない付き合いをする人は少ない。
零もその一人で、圭吾も当然過去の相手はいない。
だが、その事実に圭吾は恐ろしいほどの興奮を覚えた。
「うん、俺もそうだから。
これから一緒に成長していこうね」
その言葉に安心したのか、零は再び顔を赤らめ、
心の中で抱かれる準備を整えた。

圭吾は零の身体をゆっくりと押し倒し、
上から被さる体勢でキスをする。
ふっ、ん…と零から甘い吐息が漏れるのを、
圭吾は幸せそうに聞いている。
キスって、こんなにも気持ちがいいものなのか。
脳内が甘い薬で侵されたように、
ふわふわと心地が良い。
圭吾はしばらく続いた口へのキスを零の首筋へと移動させ、
愛液で濡れそぼった零の性器へと手を滑らせる。
くちゅくちゅと音を立てるのが恥ずかしいらしく、
零は顔をより一層赤らめた。
そうか、ローションは必要ないみたいだな。
緊張しているとはいえ、こんなにも甘く口づけをされると興奮で濡れてしまうようだ。
圭吾は解すように一本ずつ中の指を増やしていき、
そしてそのたび
「苦しくない?」
と優しく聞いた。
もうそろそろ自分のが入りそうだな、と圭吾は思う。
近いうちに子をつくるとはいえ、今日はさすがにコンドームを着けるべきだろうか。
いや、子孫繁栄のための結婚なのだから、
当然初夜も中に精子を注ぐべきか。
迷った末、やはりここは零の意見を聞いた方がいいと思った。
変にかっこつけていては、きっと夫婦にはなれないだろう、と考えたのだ。
「零くん、恥ずかしいんだけど、コンドームは着けた方がいいかな」
やはり声に出すとかっこ悪くて、穴があったら入りたいと思った。
零は少し考え、やがて恥ずかしそうに言った。
「えっと…はやく赤ちゃんほしい…です…」
ということは、コンドームは着ける必要がないのか。
「うん、わかった。もう入りそうだから、ゆっくり入れるよ」
ちゃんと息して、苦しかったらやめるからね、と声をかけ、
ゆっくりと挿入していく。
亀頭を挿入し、それから奥深く圭吾の男性器を埋めていく。
零も圭吾も、その瞬間をじっと眺めていた。
やがて何度かの中断を経て全てが中に入り込むと、
やはり少し苦しいのか、
「あぅ…あっ…んん…」
と零は切なく喘いだ。
「大丈夫?痛いかな」
「大丈夫、です…あっ…んっ」
声すらかわいい零に、目眩がする。
「動くよ、本当に、苦しかったら絶対言って」
余裕が無いのか、圭吾は少し切羽詰まったように言葉を口にする。
ゆっくりと抽挿を始めると、その気持ちよさに脳が溶けそうになった。
よく解したとはいえ初めてなのでやはり少し動きづらいが、それも何度か抜き差しを繰り返すうちに気にならなくなった。
やがて零の胎内で射精し、達して痙攣する零の腹を優しく撫でた。
「赤ちゃん、きてくれるといいですね」
疲れたのか、少しうつらうつらとする零がかわいくて、ふ、と微笑む。
「そうだね、零くんがママなら、きっとかわいいだろうな」
「いやいや、圭吾さんがパパだから、ですよ」
圭吾も零も、系統は違えど美形なのは同じだ。
どちらに似ても、きっとこの上ない美形が生まれる。
行為後は零の身体の負担を心配した圭吾が、
ぬるま湯でガーゼを濡らし、零の身体を綺麗に拭く。
それすらも気持ちがいいらしく、
零はまた先程のようにか細く喘いだ。
「こらこら、もうそろそろ寝ないと明日キツいよ」
「…はい」
勃ちあがってしまった零の男性器を圭吾が優しく擦ってあげると、すぐに達して脱力したのか眠ってしまった。
大事に大事に抱き上げ、寝巻きをそっと着せ、圭吾はシャワーをさっと浴びて零の横で眠った。
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