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出会い〜恋人になるまで

翌朝

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目が覚めると、隣には泣き腫らした目のしのが、ぐっすりと眠っていた。
眠りが浅く、よく魘されているしのを慰めるため、ここ数ヶ月は一緒に眠っていたけれど。
こうして、昨日のように身体を繋げたことは無かったし、こんなに虚しい目覚めはない。
しのの変えられない過去に苛立って、いいとは言われたものの、その言葉に甘えて抱いた。
しのは途中から、タガが外れたかのように泣きじゃくった。
それでも、俺は抱き続けた。
しのを、傷つけ続けた。
今更後悔しても仕方がない。
俺はもう、しのの隣にいる資格はないのだろうか。
ならば、せめて生活費だけでも…。
…こんな最低な男の金は、受け取ってくれないだろうか。
そんなことをひたすら考えていると、しのが目を覚ました。
俺の顔を見るなり、微笑んで。
「…おはよ、榊さん」
いつもより少しやつれた笑顔で、こちらを見ている。
「…しの、本当に悪かった。
合意とはいえ、あんなに…。
身体は痛くないか」
謝っても仕方がない。
身体は当然痛いだろう。本来受け入れる場所ではないのに、俺がひたすら出し入れし続けた。
「ちょっと腰が痛いけど、大丈夫。
榊さんが気持ちよかったなら、それでいい。
これからも好きなときに抱いて、ね?」
しのの笑顔が寂しそうで、心が傷んだ。
こんなことをしたかったわけじゃない。
覚悟を決めて俺に話してくれたのに、しのの優しさを利用した。
第一、俺に苛立つ資格はない。
出会う前のしのがやっていたことだ。
「ごめん。謝っても許されることじゃないというのはわかってる。
でも、本当に申し訳ないことをした」
謝ると、しのは俺に抱きついた。
「いいの、いいんだよ。
どんな形でも、俺…榊さんに抱いてもらえて、幸せだよ?」
ああ、こんな嘘までつかせてしまったのか。
俺は、絡められたしのの腕を優しく外し、部屋を出た。
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