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葵生川 望
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順番にシャワーを終え、ベッドに入る。いつものパターンだと、浅野が主導でセックスがはじまる。
「あ――ちょっと待って」
ねっとりと情熱的な口付けからはじまったセックスだが、望はふと思いついて、熱心に望の乳首に口付ける浅野を制止した。
このまま進むと、いつものように望はわけがわからなくなるまで感じさせられてしまう。もっとも、浅野とのセックスはそれを求めているわけだが――その前に、望は行動に移した。
戸惑っている様子の浅野をベッドに押し倒し、自分は身体を起こしたまま、よじよじとベッドの上で体をずらし足元に移動する。そして浅野の股座に蹲ると、すでに兆した浅野のペニスに触れた。
「え? 何するつもりだい?」
浅野に返事をする代わりに、望はぱくりとそれを口にした。「……っ!」と、浅野が声にならない様子で息を詰めた。望は気をよくして、たちまちぐぐんと体積を増したそのペニスに、チロチロと舌を動かし愛撫をはじめた。
「あ……っ、アオイ……っ、何を……」
浅野は戸惑っている風ではあったが、どうやら気持ちよくなってくれているらしい。
これまで、男のものを咥えたことなんてない。浅野に望のそれを咥えられたことはあっても、逆はない。そう、先週、焼鳥屋のトイレで義松の粗品を口にしたのが初めてだ。
はぁはぁと浅野が息を乱している。いつもより興奮しているようだ。浅野はいつも冷静で、セックスの最中に、こんな風に息を乱すことはなかった――少なくとも、こうして望が浅野の様子を観察する余裕のある間は、息を乱すようなことはなかった。唯一達する直前、その俳優然とした端正な顔を歪めるのみだ。
浅野の達する瞬間が好きだった。
いつも余裕の浅野が見せる、唯一の余裕のない表情だったから。しかし彼とセックスするようになってから、その感覚は味わうことがない。浅野の行為は巧みで、いつも望は何度もイかされて余裕がない。
久々の感覚に、望はぞくぞくと興奮が走った。
義松を感じさせたように、舌を動かし唇を窄め、頭を動かす。声こそ出さないが、徐々に浅野の息が上がり、ときどき苦しそうに呻く。浅野に口で奉仕しながら、義松が涙を流してよがりそのまま口の中で射精した瞬間を思い出し、望も興奮していた。
今までにないほど、浅野のペニスが口の中で硬く張り詰めている。早くそれが欲しいと思い、自身の後孔に手を伸ばしたそのとき――浅野が体を起こし、あっという間に体勢が入れ替わってしまった。
仰向けにベッドに転がされると、膝の裏を掴まれ脚を開かされた。無防備に勃起した望のペニスと陰嚢、後孔が浅野の眼前に晒される。すぐにぬるりと生温いものが後ろに触れた。どうやら舐められているらしいそこは、まだ固く閉ざされている。
「あ――……っ! 浅野さ……っ」
ぺしゃぺしゃと舐められ、舌先が強引に侵入してきた。無理矢理こじ開けられた隙間から、唾液を流し込まれる。次いでいつも繊細な動きで望を翻弄する浅野の指が性急に入り込んできた。
はじめは一本。すぐに二本に増やされた指は、舌と同時に後孔に入り込み、交互にぐじゅぐじゅと掻き回す。
「あっ……っ、あっ、あ……ッ!」
いつになく興奮している様子の浅野は、息を荒げたまま指を抜き去り状態を起こした。浅野とのセックスは、いつもトロトロのぐちゃぐちゃになるまで丁寧に慣らされてから挿入される。挿入前にも挿入後も、非常なほど時間を掛けて何度もイかされ毎度意識が飛びそうになるほど気持ちよくなる。だから次の瞬間、いつも以上にガチガチに熱く滾ったそれを押し当てられたときは驚いた。
「えっ――……もう挿れるの⁉」
驚いて上げた声に浅野からの返事はなく、ぐっと熱い先端がめり込んでくる。
「う……っ、あ、うぅ……ッ」
ず、ず、ずずっと、怒張したそれが少しずつ押し入ってくる。痛くはないが、強引で少し乱暴とすら感じられる余裕のない動きだった。
「あ、浅野さ……っ、あ、ああっ……!」
ようやくすべて挿入ったあとも、いつも以上の圧迫感に望は喘いだ。なめらかに挿入らなかったせいだろうか。いつもより大きくなっているせいだろうか。浅野とは何度も体を合わせているはずなのに、初めての感覚だった。ややあって気付いた――必ずコンドームをつけるはずの彼のそれが生身であることに。そこまで余裕をなくすほど彼を興奮させたのかと思うと、望も不思議とときめいた。思わずナカをぎゅっと締めれば浅野が呻く。
「あ……っ、アオイ……気持ちいいよ……」
情欲に掠れた声で呟く合間にも、がつがつと腰を突き上げる動きは止まらない。乱暴な腰の動きとは対照的に、そっと優しく浅野の指先が望の頬を撫でた。
「ん、ん……っ、あっ、出ちゃ……ッ、あ、あっ、イっ……!」
「いいよ……っ、今日もたくさんイってごらん」
ただ乱暴に腰を打ち付けているわけでない。浅野の弱い個所を的確に追い上げるような動きは確実に望を追い詰めた。
「あ、イく、イくっ、ああ、あ……ッ!」
ピュッピュッ、と精液が飛び散る。
「うっ……、く……っ」と、低く呻き声を上げた浅野は一度引き抜き、息を整える。ずるりと熱く滾ったままのそれが出ていってしまう感覚にも、望はふるふる震えながら悶え喘いだ。
「ああ、今のは危なかったよ……」
浅野とのセックスの最中に何度もイかされるのはいつものことだが、今日はいつにも増して感じている。口淫によって浅野はいつも以上に高まっていた。また、望自身もいつも以上に興奮しているのだ。
「挿れるよ、アオイ……」
「あっ、待って、待ってっ! あ、あ、ああっ!」
ヒクつく後孔にふたたび滾った浅野のそれが押し当てられる。
ずぶずぶとスムーズにそれは飲み込まれていき、ふたたび激しい律動がはじまった。
「あ――ちょっと待って」
ねっとりと情熱的な口付けからはじまったセックスだが、望はふと思いついて、熱心に望の乳首に口付ける浅野を制止した。
このまま進むと、いつものように望はわけがわからなくなるまで感じさせられてしまう。もっとも、浅野とのセックスはそれを求めているわけだが――その前に、望は行動に移した。
戸惑っている様子の浅野をベッドに押し倒し、自分は身体を起こしたまま、よじよじとベッドの上で体をずらし足元に移動する。そして浅野の股座に蹲ると、すでに兆した浅野のペニスに触れた。
「え? 何するつもりだい?」
浅野に返事をする代わりに、望はぱくりとそれを口にした。「……っ!」と、浅野が声にならない様子で息を詰めた。望は気をよくして、たちまちぐぐんと体積を増したそのペニスに、チロチロと舌を動かし愛撫をはじめた。
「あ……っ、アオイ……っ、何を……」
浅野は戸惑っている風ではあったが、どうやら気持ちよくなってくれているらしい。
これまで、男のものを咥えたことなんてない。浅野に望のそれを咥えられたことはあっても、逆はない。そう、先週、焼鳥屋のトイレで義松の粗品を口にしたのが初めてだ。
はぁはぁと浅野が息を乱している。いつもより興奮しているようだ。浅野はいつも冷静で、セックスの最中に、こんな風に息を乱すことはなかった――少なくとも、こうして望が浅野の様子を観察する余裕のある間は、息を乱すようなことはなかった。唯一達する直前、その俳優然とした端正な顔を歪めるのみだ。
浅野の達する瞬間が好きだった。
いつも余裕の浅野が見せる、唯一の余裕のない表情だったから。しかし彼とセックスするようになってから、その感覚は味わうことがない。浅野の行為は巧みで、いつも望は何度もイかされて余裕がない。
久々の感覚に、望はぞくぞくと興奮が走った。
義松を感じさせたように、舌を動かし唇を窄め、頭を動かす。声こそ出さないが、徐々に浅野の息が上がり、ときどき苦しそうに呻く。浅野に口で奉仕しながら、義松が涙を流してよがりそのまま口の中で射精した瞬間を思い出し、望も興奮していた。
今までにないほど、浅野のペニスが口の中で硬く張り詰めている。早くそれが欲しいと思い、自身の後孔に手を伸ばしたそのとき――浅野が体を起こし、あっという間に体勢が入れ替わってしまった。
仰向けにベッドに転がされると、膝の裏を掴まれ脚を開かされた。無防備に勃起した望のペニスと陰嚢、後孔が浅野の眼前に晒される。すぐにぬるりと生温いものが後ろに触れた。どうやら舐められているらしいそこは、まだ固く閉ざされている。
「あ――……っ! 浅野さ……っ」
ぺしゃぺしゃと舐められ、舌先が強引に侵入してきた。無理矢理こじ開けられた隙間から、唾液を流し込まれる。次いでいつも繊細な動きで望を翻弄する浅野の指が性急に入り込んできた。
はじめは一本。すぐに二本に増やされた指は、舌と同時に後孔に入り込み、交互にぐじゅぐじゅと掻き回す。
「あっ……っ、あっ、あ……ッ!」
いつになく興奮している様子の浅野は、息を荒げたまま指を抜き去り状態を起こした。浅野とのセックスは、いつもトロトロのぐちゃぐちゃになるまで丁寧に慣らされてから挿入される。挿入前にも挿入後も、非常なほど時間を掛けて何度もイかされ毎度意識が飛びそうになるほど気持ちよくなる。だから次の瞬間、いつも以上にガチガチに熱く滾ったそれを押し当てられたときは驚いた。
「えっ――……もう挿れるの⁉」
驚いて上げた声に浅野からの返事はなく、ぐっと熱い先端がめり込んでくる。
「う……っ、あ、うぅ……ッ」
ず、ず、ずずっと、怒張したそれが少しずつ押し入ってくる。痛くはないが、強引で少し乱暴とすら感じられる余裕のない動きだった。
「あ、浅野さ……っ、あ、ああっ……!」
ようやくすべて挿入ったあとも、いつも以上の圧迫感に望は喘いだ。なめらかに挿入らなかったせいだろうか。いつもより大きくなっているせいだろうか。浅野とは何度も体を合わせているはずなのに、初めての感覚だった。ややあって気付いた――必ずコンドームをつけるはずの彼のそれが生身であることに。そこまで余裕をなくすほど彼を興奮させたのかと思うと、望も不思議とときめいた。思わずナカをぎゅっと締めれば浅野が呻く。
「あ……っ、アオイ……気持ちいいよ……」
情欲に掠れた声で呟く合間にも、がつがつと腰を突き上げる動きは止まらない。乱暴な腰の動きとは対照的に、そっと優しく浅野の指先が望の頬を撫でた。
「ん、ん……っ、あっ、出ちゃ……ッ、あ、あっ、イっ……!」
「いいよ……っ、今日もたくさんイってごらん」
ただ乱暴に腰を打ち付けているわけでない。浅野の弱い個所を的確に追い上げるような動きは確実に望を追い詰めた。
「あ、イく、イくっ、ああ、あ……ッ!」
ピュッピュッ、と精液が飛び散る。
「うっ……、く……っ」と、低く呻き声を上げた浅野は一度引き抜き、息を整える。ずるりと熱く滾ったままのそれが出ていってしまう感覚にも、望はふるふる震えながら悶え喘いだ。
「ああ、今のは危なかったよ……」
浅野とのセックスの最中に何度もイかされるのはいつものことだが、今日はいつにも増して感じている。口淫によって浅野はいつも以上に高まっていた。また、望自身もいつも以上に興奮しているのだ。
「挿れるよ、アオイ……」
「あっ、待って、待ってっ! あ、あ、ああっ!」
ヒクつく後孔にふたたび滾った浅野のそれが押し当てられる。
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