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筧 義松Ⅱ
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「あれ、どうしたの。この間来てくれたばっかりなのに」
出迎えてくれたアオイは、今日は真っ白い無地のTシャツを着ていた。
オーバーサイズのTシャツは、はいているはずのショートパンツをすっぽりと覆い隠していて、何もはいていないように見える。
いわゆる、彼シャツというやつだ。
アオイは言葉とは裏腹に、嬉しそうに微笑んだ……ように見えるのは決して義松の願望ではないはずだ。
アオイさんに会いたくて会いたくて仕方がなかったので――と、言いたいところだが、鼻で笑われるのは目に見えているので絶対に言わない。
「別に……たまたま時間が空いたので。そしたらアオイさんが出勤するって、書いてあったから」
「そうなんだ。もしかしてブログ、毎日チェックしてくれてる?」
「毎日ってわけじゃ……本当にときどき、時間が空いたときだけです」
「ふ~ん、毎日チェックしてくれてるんだぁ。ありがと」
「だから……っ、違いますって!」
アオイはハイハイと軽く笑った。ブログの更新があろうとなかろうと、本当は毎日チェックしている。更新通知設定した意味は、今のところあまりない。
図星をつかれた気恥ずかしさを誤魔化すため、義松はだんまりを決め込み、無言でアオイの胸に手を伸ばした。
Tシャツの下に、インナーは着ていないようだ。この暗い個室の中でも、目を凝らせば美味しそうな乳首がうっすらと透けて見える。
シャツの上から指先で引っかくように刺激してやれば、アオイは「ん……」と小さく可愛い声を上げ、そこはすぐにぷっくりと腫れあがった。
「アオイさんのエッチなおっぱい。今日も可愛いですね」
「キミは回を追うごとに変態っぽくなっていくね」
「……俺の名前、覚えてますか?」
「覚えてるよ、筧クンでしょ? この間はどうもご馳走様でした」
にこりと微笑み「あそこのラーメン美味かったでしょ?」と小首を傾げる。
そんな仕草ひとつひとつが、いちいち可愛い。
たまらなくなって、ベッドサイドに腰掛けた義松はアオイの手を引き、向かい合わせで跨らせた。
きゅっとアオイの体を抱き締めると「今度は甘えん坊さんだね」とアオイはくすりと笑い、義松の頭を抱きしめよしよししてくれた。
――あ~! もうっ、好き!
これは仕事なのだとわかっているが、頭を撫でる優しい手つきに義松はうっかりときめいた。
たしかにこれは癒される。自称癒し系だけはある――いやらしいこともするけど――これは間違いなく癒しだ。
しかし、アオイといやらしいことをしているのも、癒されているのも、残念ながら義松だけではない。
義松は更に甘えるように、ぐりぐりと頭を押し付けた。アオイはやっぱりくすくす笑って「あんた、犬みたいだな」と言った。
犬でもなんでもいいや。アオイが飼い主なら最高だ。
鼻先をつんと尖った乳首に擦り付けると、余裕のあったアオイの声が熱を帯びてくる。
「んっ……あ、ちょっと……」
すりすりすり。
もどかしげに腰を揺らすアオイがたまらなくて、義松はわざと焦らすように乳首に緩やかな刺激を与え続けた。
「もしかして俺にイジワルしてる?」
答えるかわりに、シャツの上からもわかる可愛い突起をはむ、と啄ばむように唇で挟んだ。「んっ!」と声を出してアオイの肩が跳ねた。
「俺を焦らすなんて生意気……」
アオイはムッとしたのか、義松を押しのけると自らTシャツを捲りあげ義松の目の前に胸を押し付ける。
「慣れないことしてないで、早く舐めたら? 舐めたいんでしょ?」
目の前に現れた乳首に義松ははっと息を呑んだ。
舐めたい。
本当は切なげに腰を揺らすアオイももう少し楽しみたかったのだが、こちらも我慢の限界だ。たしかに慣れないことはするもんじゃない。
生唾を飲み込み、舌先を伸ばしてツンと突起に触れてみる。
「ん、あ……」
アオイが、その刺激を待ちわびていたかのような色っぽい吐息を漏らす。
義松は歓喜にぞくぞくと震えた。
小さな息子も大喜びだ。ジーンズの下で目一杯膨らみ、存在を主張している。
「ん、そう、上手だね筧クン……」
アオイに色っぽい声で褒められ気をよくしたのは一瞬だった。そのあとに続いた「今日は弄られ過ぎたから、優しくしてね?」という言葉に、思わずムッとする。
アオイは今日一日、いろんな男にこの綺麗な身体を弄られまくったのだ。この愛らしい突起を舌先に乗せて味わったのも、悩ましい吐息混じりの声を耳にしたのも、義松だけではない。
だがそんなことはわかっていたはず。アオイは人気者だ。みんな、アオイに会いたくて朝一から電話をかける。金を払う。
どうしようもない憤りと悔しさを感じつつも、義松は言われたとおりに、そっと優しく、砂糖菓子を舐め溶かすようにゆったりとアオイの乳首を舌先で転がした。
「うん、そう、上手。言われたとおりにできてお利口さんだね」
どうやらアオイは本気で義松を犬扱いする気のようだ。
何だっていい。
今だけは、今のこの五〇分間だけは、アオイは義松だけのものだ。
出迎えてくれたアオイは、今日は真っ白い無地のTシャツを着ていた。
オーバーサイズのTシャツは、はいているはずのショートパンツをすっぽりと覆い隠していて、何もはいていないように見える。
いわゆる、彼シャツというやつだ。
アオイは言葉とは裏腹に、嬉しそうに微笑んだ……ように見えるのは決して義松の願望ではないはずだ。
アオイさんに会いたくて会いたくて仕方がなかったので――と、言いたいところだが、鼻で笑われるのは目に見えているので絶対に言わない。
「別に……たまたま時間が空いたので。そしたらアオイさんが出勤するって、書いてあったから」
「そうなんだ。もしかしてブログ、毎日チェックしてくれてる?」
「毎日ってわけじゃ……本当にときどき、時間が空いたときだけです」
「ふ~ん、毎日チェックしてくれてるんだぁ。ありがと」
「だから……っ、違いますって!」
アオイはハイハイと軽く笑った。ブログの更新があろうとなかろうと、本当は毎日チェックしている。更新通知設定した意味は、今のところあまりない。
図星をつかれた気恥ずかしさを誤魔化すため、義松はだんまりを決め込み、無言でアオイの胸に手を伸ばした。
Tシャツの下に、インナーは着ていないようだ。この暗い個室の中でも、目を凝らせば美味しそうな乳首がうっすらと透けて見える。
シャツの上から指先で引っかくように刺激してやれば、アオイは「ん……」と小さく可愛い声を上げ、そこはすぐにぷっくりと腫れあがった。
「アオイさんのエッチなおっぱい。今日も可愛いですね」
「キミは回を追うごとに変態っぽくなっていくね」
「……俺の名前、覚えてますか?」
「覚えてるよ、筧クンでしょ? この間はどうもご馳走様でした」
にこりと微笑み「あそこのラーメン美味かったでしょ?」と小首を傾げる。
そんな仕草ひとつひとつが、いちいち可愛い。
たまらなくなって、ベッドサイドに腰掛けた義松はアオイの手を引き、向かい合わせで跨らせた。
きゅっとアオイの体を抱き締めると「今度は甘えん坊さんだね」とアオイはくすりと笑い、義松の頭を抱きしめよしよししてくれた。
――あ~! もうっ、好き!
これは仕事なのだとわかっているが、頭を撫でる優しい手つきに義松はうっかりときめいた。
たしかにこれは癒される。自称癒し系だけはある――いやらしいこともするけど――これは間違いなく癒しだ。
しかし、アオイといやらしいことをしているのも、癒されているのも、残念ながら義松だけではない。
義松は更に甘えるように、ぐりぐりと頭を押し付けた。アオイはやっぱりくすくす笑って「あんた、犬みたいだな」と言った。
犬でもなんでもいいや。アオイが飼い主なら最高だ。
鼻先をつんと尖った乳首に擦り付けると、余裕のあったアオイの声が熱を帯びてくる。
「んっ……あ、ちょっと……」
すりすりすり。
もどかしげに腰を揺らすアオイがたまらなくて、義松はわざと焦らすように乳首に緩やかな刺激を与え続けた。
「もしかして俺にイジワルしてる?」
答えるかわりに、シャツの上からもわかる可愛い突起をはむ、と啄ばむように唇で挟んだ。「んっ!」と声を出してアオイの肩が跳ねた。
「俺を焦らすなんて生意気……」
アオイはムッとしたのか、義松を押しのけると自らTシャツを捲りあげ義松の目の前に胸を押し付ける。
「慣れないことしてないで、早く舐めたら? 舐めたいんでしょ?」
目の前に現れた乳首に義松ははっと息を呑んだ。
舐めたい。
本当は切なげに腰を揺らすアオイももう少し楽しみたかったのだが、こちらも我慢の限界だ。たしかに慣れないことはするもんじゃない。
生唾を飲み込み、舌先を伸ばしてツンと突起に触れてみる。
「ん、あ……」
アオイが、その刺激を待ちわびていたかのような色っぽい吐息を漏らす。
義松は歓喜にぞくぞくと震えた。
小さな息子も大喜びだ。ジーンズの下で目一杯膨らみ、存在を主張している。
「ん、そう、上手だね筧クン……」
アオイに色っぽい声で褒められ気をよくしたのは一瞬だった。そのあとに続いた「今日は弄られ過ぎたから、優しくしてね?」という言葉に、思わずムッとする。
アオイは今日一日、いろんな男にこの綺麗な身体を弄られまくったのだ。この愛らしい突起を舌先に乗せて味わったのも、悩ましい吐息混じりの声を耳にしたのも、義松だけではない。
だがそんなことはわかっていたはず。アオイは人気者だ。みんな、アオイに会いたくて朝一から電話をかける。金を払う。
どうしようもない憤りと悔しさを感じつつも、義松は言われたとおりに、そっと優しく、砂糖菓子を舐め溶かすようにゆったりとアオイの乳首を舌先で転がした。
「うん、そう、上手。言われたとおりにできてお利口さんだね」
どうやらアオイは本気で義松を犬扱いする気のようだ。
何だっていい。
今だけは、今のこの五〇分間だけは、アオイは義松だけのものだ。
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