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第四部 ついにもぐらとの死闘に臨むマルスの娘。そして、愛は永遠に。
65 脱出。そして、「お色直し」
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あれは、何だったのだろう。
暗闇の中に閉じ込められて絶望しかけていたところにふいに差し込んだ、希望の光。
その光のお陰で闘志が湧き、そして、偶然なのか、この名も知らぬ、ヤヨイをここに落とした女が脱出のキッカケをくれた。
なんだかわからないが、いまは経緯を考える時ではない。この千載一遇のチャンスを生かす! それだけだ。
絶対に、生き延びてやる!
ヤヨイは生へのエクソダスを開始した。
名も知らぬ、今自分が始末した女が出てきた穴に這入りこみ、抜け出した。
這い出てみれば、そこはまたもや薄暗い階段の底。だが見上げると長い石段のはるか上に小さな明かりが見えたのはラッキー。やはり、見えるというのは、素晴らしい!
しなやかな体を何度か屈伸して強張りをほぐし、静かに駆けあがる。
階段の上に着く。なにやら、風呂桶くらいの四角い箱の底のような。
皇太后の刺客は他にもいるかもしれない。暗闇の中で開き切った瞳孔を慣らすためしばし佇み、そっと頭を出す。
薄暗くはあるが、石積みの壁にいくつかのブラケット。おそらくは十数時間ぶりのひとの佇まいの灯り。その灯りで部屋の中は見渡せた。
漂う湿った洗剤の匂い。壁際に並んだ棚に畳まれたシーツやカバーが置かれている。どうやら、後宮内のリネンを扱う部屋のようだ。
よし。敵影無し!
ヤヨイは箱の中から身を引き出した。
「無様ね。『アイゼネス・クロイツの英雄』っていうから、もっとタフな子かと思ったわ」
はっ?!
思いがけない帝国語。咄嗟に身を低くし、迎撃態勢を取った。
すると、ブラケットの灯りの間の暗がりから黒い人影が現れた。
「大事な任務の最中にすべり台で遊んで穴に落ちるなんて。呆れてものが言えないわ」
後宮の女官たちの黒衣に身を包んだ、艶やかな黒髪を結い上げた目のきつい女。初めて見る顔か。いや、前にどこかで・・・。
「だれだ?! 皇太后の手の者か!」
もしそうなら、あり得ない場所にいるヤヨイを見られた。さっき始末した女官同様に消してしまわねば!
だが、黒衣の女は、アサシン・ヤヨイの言葉にも動じる風を見せず、腕組みしたままゆっくりと近づいてきた。
「忘れた? 国王の謁見で一度会ってるわよ。
わたしはこの後宮の女官長ヴェンケ。でも、もうひとつ名前がある」
顔はジミなのだが、目つきにどこか迫力がある。その威圧に気圧(けお)され、構えた手刀の先に彼女が立つまで、ヤヨイは手出しができなかった。
「『ジュピター』。ウリル少将から聞いていない? 」
「え? 」
ジュピターだって?
この人が?
ノール人らしく、「ジュピター」は背が高かった。ヤヨイの鼻先まで近づくや、尊大に顎を挙げてヤヨイを見下ろし、フフン、鼻で笑った。
「あなたのウワサは知ってるわ。『軍神マルスの娘』、でしょ? だから、ウリル少将から聞いてはいたけど出番はないだろうと思ってたのにね」
それで、ヤヨイも戦闘態勢を解き、立ち上がった。自分より15センチは背の高い「女官を見上げた。
「まあ、顔も体中全部煤だらけよ。それに、ヘンな臭い! これじゃあ、ノルトヴェイト家の末裔の絶世の美女も台無しだわね。ふふ」
「あの、すいません。今、何時ですか? 」
地下だから時間の感覚がまったくわからなくなっていた。
「まだ夜明け前よ。でも、サボりが一晩で済んでよかったわね。これ以上サボると閣下に叱られるだけじゃ済まなくなってたかも」
女官たちが外出時に着るフード付き漆黒のマントを被せられ、女官長ヴェンケこと「ジュピター」に誘われるまま、ヤヨイは階上の彼女の居室の奥に誘われた。
まだ半信半疑ながら、ではあるけれど、クィリナリスの者しかしらない符丁を口にしたのだから、この女官長という女が『ジュピター』であることはもう疑いようがない。
途中、カンテラを捧げた後宮の侍女たちと2、3すれ違った。早朝の支度をする者たちだろう。みなヴェンケの顔を見るなり目を伏せ、会釈もそこそこに足早に立ち去ってくれた。後宮の女官長とは、たいした権力があるらしい。
居室に入った。
薄暗い燭台の灯りに照らされた、控えめな調度の部屋。言われてみれば、カーテンの向こうは朝未だ来らしい。
ありがたいことに、ヴェンケの居室には大ぶりな鏡台があった。
黒のマントを脱ぎ棄てたヤヨイは、汚れたコートや半ズボンのブリーチズを脱がされて下着姿で鏡台の前に座りジュピターの化粧直しを受けた。
「だいぶハデに汚したわね。メイク、大丈夫?」
「ええ、なんとか」
「それはそうと、アクセルはまだ戻らないわ。大聖堂へ行ったのよね」
そこまで知っているのか!
「え、ええ」
「で、どうするの? 偵察しに行ったにしては、戻りが遅い。非常事態を考えた方がいいんじゃない?」
「直接行ってみようと思います!」
「一応はまだバロネン・ヴァインライヒね。従者の帰りが遅いから様子を見に来た、でいいと思うわ。でも、バレてる可能性も考慮が必要よ」
鏡の中のヴェンケのジミな顔の奥の目が鋭く光った。
「わかっています。イザとなったら・・・」
「それなら、いいわ」
「あの、なにか、服がありますか?」
「こんな事態は想定していなかったから、国王の衣装ぐらいしかないわ」
「それでいいです!」
「サイズがちょっと、おおきいけどね」
ヴェンケの指す方を見ると幾着かの真っ赤な軍服が下がった衣装棚があった。国王の正装は近衛騎兵連隊と同じ深紅のジャケット。
「ちょっと苦しいけど、国王陛下とコスプレして遊んでいたので、とでも言っておけばいいんじゃない?」
「こすぷれ?」
「旧文明にはね、物語の登場人物に扮して楽しむ庶民文化があったんですって。ヒマよねえ」
ヴェンケはジミ顔をくしゃくしゃにしてからからと笑った。
これが、対ノールの諜報でキーを務める女、か・・・。
顔はジミだが、少なくともヤヨイよりははるかに肝の据わった女だ。
もっとも、そうでなくては単独で隠密であの冷酷な皇太后のそばになど居られないかもしれない。
近衛騎兵連隊の制服を着て仕上げに大量の香水を振りかけられて、ヤヨイの「お色直し」は終わった。キツ過ぎるパフュームに咽(むせ)そうになる。
「急がないと日が昇るわ。暗いうちに聖堂に入れば女官たちや修道士たちにも目立たない」
「ええ、いろいろありがとう」
「仕事だから。礼には及ばないわ。さ、行きましょ!」
十数時間前に落とされた地下通路に降りた。縁起が悪いが、外は土砂降りだということだから仕方がない。足元を気にしながら「ジュピター」の後を追った。
長く暗い通路を足元を気にしつつ歩くと、突き当りに小さなブラケットの灯に照らされた鉄の帯がある古い樫の木のドアがあった。
ヴェンケは取り出した鍵束の中から一つを選び鍵穴に差し込み、回しだ。
「ちょうど交代時間だから、今なら向こう側は誰もいないわ。あ、ちょっと待って・・・」
彼女は長い官服のスカートの裾をまくり上げると美脚を露にした。太腿にゴムバンドで留められたあるものを引き抜いた。
「持って行く?」
掌にすっぽり収まるほどの、小さな二連の拳銃。
冷たいはずの黒い銃身は、ヴェンケの体温で温まっていた。それが少し、可笑しかった。
ちょっと考えて、ヤヨイは断った。
「ありがとう。でも、要らないわ」
ウリル少将の隠しエージェントはニコ、と笑った。
「わかったわ。じゃ、幸運をね」
そう言って、ドアを開けた。ぎい、とドアが鳴った。
「じゃあ、行きます」
深紅の衣装に身を包んだヤヨイは、「ジュピター」に黙礼し、ドアの中に入った。
こうして、「軍神マルスの娘」は大聖堂の地下に入った。
暗闇の中に閉じ込められて絶望しかけていたところにふいに差し込んだ、希望の光。
その光のお陰で闘志が湧き、そして、偶然なのか、この名も知らぬ、ヤヨイをここに落とした女が脱出のキッカケをくれた。
なんだかわからないが、いまは経緯を考える時ではない。この千載一遇のチャンスを生かす! それだけだ。
絶対に、生き延びてやる!
ヤヨイは生へのエクソダスを開始した。
名も知らぬ、今自分が始末した女が出てきた穴に這入りこみ、抜け出した。
這い出てみれば、そこはまたもや薄暗い階段の底。だが見上げると長い石段のはるか上に小さな明かりが見えたのはラッキー。やはり、見えるというのは、素晴らしい!
しなやかな体を何度か屈伸して強張りをほぐし、静かに駆けあがる。
階段の上に着く。なにやら、風呂桶くらいの四角い箱の底のような。
皇太后の刺客は他にもいるかもしれない。暗闇の中で開き切った瞳孔を慣らすためしばし佇み、そっと頭を出す。
薄暗くはあるが、石積みの壁にいくつかのブラケット。おそらくは十数時間ぶりのひとの佇まいの灯り。その灯りで部屋の中は見渡せた。
漂う湿った洗剤の匂い。壁際に並んだ棚に畳まれたシーツやカバーが置かれている。どうやら、後宮内のリネンを扱う部屋のようだ。
よし。敵影無し!
ヤヨイは箱の中から身を引き出した。
「無様ね。『アイゼネス・クロイツの英雄』っていうから、もっとタフな子かと思ったわ」
はっ?!
思いがけない帝国語。咄嗟に身を低くし、迎撃態勢を取った。
すると、ブラケットの灯りの間の暗がりから黒い人影が現れた。
「大事な任務の最中にすべり台で遊んで穴に落ちるなんて。呆れてものが言えないわ」
後宮の女官たちの黒衣に身を包んだ、艶やかな黒髪を結い上げた目のきつい女。初めて見る顔か。いや、前にどこかで・・・。
「だれだ?! 皇太后の手の者か!」
もしそうなら、あり得ない場所にいるヤヨイを見られた。さっき始末した女官同様に消してしまわねば!
だが、黒衣の女は、アサシン・ヤヨイの言葉にも動じる風を見せず、腕組みしたままゆっくりと近づいてきた。
「忘れた? 国王の謁見で一度会ってるわよ。
わたしはこの後宮の女官長ヴェンケ。でも、もうひとつ名前がある」
顔はジミなのだが、目つきにどこか迫力がある。その威圧に気圧(けお)され、構えた手刀の先に彼女が立つまで、ヤヨイは手出しができなかった。
「『ジュピター』。ウリル少将から聞いていない? 」
「え? 」
ジュピターだって?
この人が?
ノール人らしく、「ジュピター」は背が高かった。ヤヨイの鼻先まで近づくや、尊大に顎を挙げてヤヨイを見下ろし、フフン、鼻で笑った。
「あなたのウワサは知ってるわ。『軍神マルスの娘』、でしょ? だから、ウリル少将から聞いてはいたけど出番はないだろうと思ってたのにね」
それで、ヤヨイも戦闘態勢を解き、立ち上がった。自分より15センチは背の高い「女官を見上げた。
「まあ、顔も体中全部煤だらけよ。それに、ヘンな臭い! これじゃあ、ノルトヴェイト家の末裔の絶世の美女も台無しだわね。ふふ」
「あの、すいません。今、何時ですか? 」
地下だから時間の感覚がまったくわからなくなっていた。
「まだ夜明け前よ。でも、サボりが一晩で済んでよかったわね。これ以上サボると閣下に叱られるだけじゃ済まなくなってたかも」
女官たちが外出時に着るフード付き漆黒のマントを被せられ、女官長ヴェンケこと「ジュピター」に誘われるまま、ヤヨイは階上の彼女の居室の奥に誘われた。
まだ半信半疑ながら、ではあるけれど、クィリナリスの者しかしらない符丁を口にしたのだから、この女官長という女が『ジュピター』であることはもう疑いようがない。
途中、カンテラを捧げた後宮の侍女たちと2、3すれ違った。早朝の支度をする者たちだろう。みなヴェンケの顔を見るなり目を伏せ、会釈もそこそこに足早に立ち去ってくれた。後宮の女官長とは、たいした権力があるらしい。
居室に入った。
薄暗い燭台の灯りに照らされた、控えめな調度の部屋。言われてみれば、カーテンの向こうは朝未だ来らしい。
ありがたいことに、ヴェンケの居室には大ぶりな鏡台があった。
黒のマントを脱ぎ棄てたヤヨイは、汚れたコートや半ズボンのブリーチズを脱がされて下着姿で鏡台の前に座りジュピターの化粧直しを受けた。
「だいぶハデに汚したわね。メイク、大丈夫?」
「ええ、なんとか」
「それはそうと、アクセルはまだ戻らないわ。大聖堂へ行ったのよね」
そこまで知っているのか!
「え、ええ」
「で、どうするの? 偵察しに行ったにしては、戻りが遅い。非常事態を考えた方がいいんじゃない?」
「直接行ってみようと思います!」
「一応はまだバロネン・ヴァインライヒね。従者の帰りが遅いから様子を見に来た、でいいと思うわ。でも、バレてる可能性も考慮が必要よ」
鏡の中のヴェンケのジミな顔の奥の目が鋭く光った。
「わかっています。イザとなったら・・・」
「それなら、いいわ」
「あの、なにか、服がありますか?」
「こんな事態は想定していなかったから、国王の衣装ぐらいしかないわ」
「それでいいです!」
「サイズがちょっと、おおきいけどね」
ヴェンケの指す方を見ると幾着かの真っ赤な軍服が下がった衣装棚があった。国王の正装は近衛騎兵連隊と同じ深紅のジャケット。
「ちょっと苦しいけど、国王陛下とコスプレして遊んでいたので、とでも言っておけばいいんじゃない?」
「こすぷれ?」
「旧文明にはね、物語の登場人物に扮して楽しむ庶民文化があったんですって。ヒマよねえ」
ヴェンケはジミ顔をくしゃくしゃにしてからからと笑った。
これが、対ノールの諜報でキーを務める女、か・・・。
顔はジミだが、少なくともヤヨイよりははるかに肝の据わった女だ。
もっとも、そうでなくては単独で隠密であの冷酷な皇太后のそばになど居られないかもしれない。
近衛騎兵連隊の制服を着て仕上げに大量の香水を振りかけられて、ヤヨイの「お色直し」は終わった。キツ過ぎるパフュームに咽(むせ)そうになる。
「急がないと日が昇るわ。暗いうちに聖堂に入れば女官たちや修道士たちにも目立たない」
「ええ、いろいろありがとう」
「仕事だから。礼には及ばないわ。さ、行きましょ!」
十数時間前に落とされた地下通路に降りた。縁起が悪いが、外は土砂降りだということだから仕方がない。足元を気にしながら「ジュピター」の後を追った。
長く暗い通路を足元を気にしつつ歩くと、突き当りに小さなブラケットの灯に照らされた鉄の帯がある古い樫の木のドアがあった。
ヴェンケは取り出した鍵束の中から一つを選び鍵穴に差し込み、回しだ。
「ちょうど交代時間だから、今なら向こう側は誰もいないわ。あ、ちょっと待って・・・」
彼女は長い官服のスカートの裾をまくり上げると美脚を露にした。太腿にゴムバンドで留められたあるものを引き抜いた。
「持って行く?」
掌にすっぽり収まるほどの、小さな二連の拳銃。
冷たいはずの黒い銃身は、ヴェンケの体温で温まっていた。それが少し、可笑しかった。
ちょっと考えて、ヤヨイは断った。
「ありがとう。でも、要らないわ」
ウリル少将の隠しエージェントはニコ、と笑った。
「わかったわ。じゃ、幸運をね」
そう言って、ドアを開けた。ぎい、とドアが鳴った。
「じゃあ、行きます」
深紅の衣装に身を包んだヤヨイは、「ジュピター」に黙礼し、ドアの中に入った。
こうして、「軍神マルスの娘」は大聖堂の地下に入った。
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