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第一部

第六話 九番目の依頼人 人妻ツクモ・アヤ(後編の下)

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 唇を吸い、舌と舌を絡め合うような、舌と舌でセックスするみたいな、濃厚すぎるキスをして、アヤさんはぼくに跨った。

 シャフトを掴んで。さきっぽを何度もクレヴァスに滑らせて。

「Oh・・・。Ah・・・。ん、いい・・・」

 日本語と英語ごちゃまぜで吐息を漏らしながら、やがて、ぴた、と先っぽを止め、

「ねえ?」 

と、言った。

「はい」

「ウソでもいいから、好きって、言って」

「好きですよ、アヤさん」

「『好きだよ』って。『さん』はなし!」

 ますますアヤさんが可愛くなって、困った。

 ぼくは半身を起こし、アヤさんにキスされるに任せた。

「好きだよ、アヤ。アヤが、欲しいよ」

「じゃあ、犯すね。いい?」

 アヤさんはにっこり笑った。ゾクゾクした。ぐううっと、腰を沈めてきた。

 マイサンが、ぼくの分身が、アヤさんの暖かいヴァギナの中に埋められてゆく。あまりにもエロ過ぎて、気が遠くなりそうだった。

「ん、お、んんっ・・・」

 せつなげに眉を寄せるアヤさん。でも、その口元が、緩んでくる。

 気持ちいい・・・。

 比べちゃいけないのはわかってるんだけど、カオリやマリのよりも柔らかくて、ジュンさんのよりも柔らかくて、サチコさんやハナエさんのよりも優しくて、それでいて、強く、ぼくを絞めてくる!

 もう何度も女の子の中に入ったけど、これはその中でもダントツだ!

 並みの男なら、きっとすぐにまいっちゃうだろうなあ・・・。

 何度も強い締めを感じながら、ぼくはアヤさんの奥に、届いた。

「・・・Oh, ふぁーっく・・・。す、ごい・・・」

 アヤさんの少し冷たいおしりの肌が、ぼくの肌に密着した。

 顎を上げ、深い息を吐きながら、ゆっくりとアタマを回して髪を振り、感触を全身で味わっている。そんな風に見えた。

「すごいよ、ヒロキ・・・。これ、すごい・・・。来て!」

 両手を後ろに着いてそのまま半身を起こし、ぼくの上に跨ってるアヤさんに身を寄せた。

 アヤさんはゆっくりとぼくを抱き、豊かな胸を押し付け、ぼくの背中に両腕を回し、抱きしめた。そして、耳元で呟く。

「幸せ・・・。何年かぶりだよ、こんな、あったかいの・・・」

 アヤさんのカラダが、だんだん熱くなってくる。

 そして、それよりもっと熱いくちびるがぼくの耳を甘く噛み、首に強く吸い付き、ぼくの頬を弄り、ぼくの唇をこじ開け、ぼくの舌を犯した。ぼくは両手を使えないから、アヤさんにされるがままだ。それが、何とも言えずゾクゾクして、ぼくの分身がアヤさんの中でヒクつくのがわかる。

「ああ、ステキ! ヒロキのがナカでピクピク、するのお・・・」

 日本語特有のオノマトペまで上手に使いこなすアヤさん。

 その魅力的な唇から吐き出される言葉は限りなく淫らで、エロい。思わず、吸われている舌をアヤさんのに絡めようとするけれど、逆にスッと引かれる。

「うふふふっ! 可愛い。・・・お、Oh! また動いた・・・んん・・・」

 駆け引きも、今までの女の子中、ダントツ。こういうことされた男は俄然むしゃぶりつきたくなる。

 思わず豊かなお尻のわりにくびれた腰を掴もうとしたけれど、逆に覆いかぶさって来て、ぼくは易々と押し倒された。もちろん、つながったままだ。

「動くね。カクゴしてね。ふふっ!」

 妖しく笑うアヤさんは、ふたたびカラダを起こして膝着きのまま腰を前後に動かし始めた。はじめは、じんわり、ゆっくりと。

「Oh・・・。なんて、なんて子! おお、カタい、たまらない・・・。ふぁ・・・っく。うう・・・」

 ぼくのがナカで動くだけじゃない。クリもこすれて気持ちいいのだろう。

 目をつむって時折少し開いた口から吐息を漏らし、何度もくちびるを舐め、湧き上がる快感をぞんぶんに愉しんでいるのがはっきりわかる。

 ぼくの両手を抑えていた手がぼくの頬に、胸に移り、お尻に負けずに大きな胸を反らし、突き出た乳首の先が震え、それにつれてだんだん腰の動きが速くなり、ぼくの分身が強く絞られ、先がぐにゅぐにゅと奥を突いているのがわかる。

 ブルネットを振り乱し、眉の間に縦皴を寄せ、歯並びのいい口元からは動きに合わせて短い喘ぎが絶え間なく漏れてくる。

「は、は、あ、No、・・・ぐ、・・・お、お”、お”、お” お”じざす、ふぁっ、No!、はあっ! はお”あ” あ”っ!」

 悶えつつくいくい、くいくい、リズミカルに動き続ける腰。もう、全然止まらない。

 その可愛らしくさえある外見とは裏腹に、アヤさんの体内からは淫らな女の本性みたいのが這い出てきているみたいだ。

 すると、アヤさんはさらに仰け反るように向こう側にカラダを倒していった。

 女の子によってまちまちなのだけれど、膣の上らへんを刺激されるのが一番気持ちいいという子は多いらしい。きっと、アヤさんはそれなのだろう。この態勢だと、その上らへんにぼくのの先っぽが当たるんだろう。

 ヘンな例えだけれど、ぼくはミックスフライ定食で大好きなヒレカツを一番最後の愉しみに取っておくタイプ。でもアヤさんは違うんだと思う。きっと一番最初に大好きなエビフライを食べちゃうタイプなんだろう。アヤさんみたいなセレブはミックスフライ定食なんて食べないとは思うけれど。

 そこはアヤさんが一番感じる、好きなトコなんだ。

 ぼくは右手の先を伸ばしてアヤさんの下腹に触れた。そこを彼女の動きに合わせてトントン軽く叩いてやる。ナカのマイサンと外のトントンが合わさって、そこを刺激する。いわゆる「ポルチオ」ってやつ。これはハナエさんに教わった。

「お、お”、お”、お” お、かむっ! あい、あ、あんっ! お”、お”、お”、お”、お”お”っ、・・・」

 急に固まったと思ったら、意外に盛り上がってる腹筋をピクピクさせてお尻や太腿が震えた。もちろん、あそこも。

「・・・んっ、・・お”お”お”んっ、・・・、んああ・・・、・・・」

 仰向けにぶっ倒れるかと思ったら、ぼくの方に倒れてきてまたもくちびるを貪られた。

「すごいっ! ・・・なんて、なんてタフなの! なんて可愛いの! こんなイキかたしたの、初めて・・・」

 大きなムネを押しつぶすようにしてギュッと抱きしめてくるアヤさんに応えて、ぼくも彼女の汗ばんだ背中やお尻を撫でまわした。

 マリも着やせするタイプだったし、サチコさんもボリューミーだったけど、アヤさんは全然太って見えないのにそれ以上のボリューム。かといってジュンさんほど重くはないし、なんというか「抱き心地」? それがサイコーだった。抱いていると可愛さがこみあげてくる。自分のものにしてしまいたくなる? そんなカンジのカラダ。そういうのは、存在する。きっと、売れっ子だったんじゃないかな。

「まだ、イケるよね」



 ぼくの首筋をペロペロしながら、ちょっとだけ息を荒くしたアヤさんがニコニコして言う。

「うん。だいじょうぶですよ」

 ちゅ!

 そんなバードキスひとつすると、アヤさんはマイサンを呑んだままよっこらしょと後ろむきになった。

 これもまた、当たる角度が違う。しかも、両足を逞しくぼくのカラダの両側に踏ん張ってゆっくりと上下運動を始めた。

 おっぱいが見えてるよりも、こっちのほうが断然にエロイ。

 もちろん、お尻の穴は丸見え。俗に尻エクボっていうらしい、お尻の上らへんの筋肉に囲まれた窪みがピクピク動く。それに、背筋も。女の人は皮下脂肪があるから相当鍛えている人でも外見からはわかりづらいが、こういうシチュに出合うとそれがすぐわかる。その筋肉の蠢きが、何とも言えずエロイのだ。しかも、

「おおっ・・・。んあっ・・・。んん・・・」

 低い彼女の嗚咽も加わって、そのエロさはさらに増す。

 やがて、慣れてきた彼女のお尻の動きが活発になってくる。

 ぱん、ぱん、ぱん・・・。

 アヤさんの豊かなお尻が波打ちながらぼくの下半身に打ち付けられる。しかも、時折打ち付けた後ぎゅ~っと押し込んで、しかもギュウギュウにあそこを絞って。さらにマイサンの先を彼女の奥の戸口にぐりぐりと押し付けるのだ。女の子によっては、これは痛いこともある。彼女は慣れていた。そこを刺激して、目いっぱいカンジていた。

「お”お”お”んっ、・・・」

 イク直前の、ケモノみたいな唸り声があがった。

 それが、ぼくのイタズラ心を刺激した。

 アヤさんの腰を、お尻をギュッと鷲掴みにして、前後に揺すった。

「お”あ” あ”っ!」

 途端に逃げようとするアヤさん。でも、逃がさなかった。

 浮いた腰に、下から突き上げた。何度も。何度も。何度も。

「お、お”、お”、お”じざす、かむっ! あいむ、あ、ああ お”、お”んっ! お”、お”、お”お”っ、・・・、・・・、・・・ 」

 さっきよりも早く、彼女は果てた。しかも、ケイレンまでしてた。

 ぼくはさらに追い打ちをかけた。

 まだピクピクしてるアヤさんを引っ張って、ゴーインに窓に両手を突かせた。

「え、な、ちょ、んんあ、お”お”っ! 」

 そして、また後ろから突っ込んだ。

 ケモノの声がケダモノになった。窓が曇るほどアヤさんのカラダは熱を帯び、汗を流した。マリに感じた加虐の気持ちが再燃し、ぼくは怒りに似たものをアヤさんのお尻に叩き続けまくった。何度も。何度も。何度も。




 やがて、

 もう数えきれないほど連続してイキまくったアヤさんは、腰から下をガクガクさせながら、崩れ落ちた。ぼくも彼女の背中に腰を下ろし、両手を回し、アヤさんを抱きしめた。おっぱいも、優しく揉んだ。

「満足した? アヤさん」

「・・・な・・・、なんて子なの? ヒロキ・・・」

 彼女が求めてきたキスに、もちろんぼくは応えた。


 


 

 来た時と同じ、バスローブをひっかけただけ、ぼくだけアイマスクをして、ツクモさんの家に向かった。

 運転しながら、彼女は言った。

「わたし、決めたわ」

 と。

「ヒロキはすごいよ! サイコーのセックスだったわ。プロなんかよりはるかにスゴかった。もちろん、ダンナなんか足元にも及ばないぐらいにね。

 でも、一番じゃない」

 アヤさんは言った。

「わたしの一番はね、ハイスクールの時付き合ってたカレとの、なの。

 正直言えば、ヒロキなんかとは比べ物にならないくらい、ヘタだったし、早かった」

 うふっ!

 アイマスクの外で、アヤさんはほほ笑んだ。

「でも、いまだにあのときほどの熱いセックスはしてないわ。ハートがね、違うの。

 ハートの籠ってるセックスって、違うのよ。全然」

「ハート、ですか・・・」

「旦那とは、別れるわ。国に帰るか、それとも知らないどこかへ行くかはまだわからない。

 でも、カラダを売ることはもうしない。虚しいセックスを繰り返すのは、不幸よ」

 その一言は、深くぼくのムネを刺した。

「あなたとのセックスでね、それがわかったの。

 でも、セキニンなんか感じないでね。むしろ、ありがとう、って、言いたいの」

 そう言って、アヤさんはぼくのアイマスクを外した。ツクモさんの家の前に着いていた。

「ありがとう、ヒロキ。もう一度言うけど、あなたのセックスは、サイコーだったわ」

 そしてぼくは、もう何度目かになるアヤさんのキスを受けた。

 ゲートが開いた。

 だけど、エントランスの小径の途中で、アヤさんはクルマを止めた。

 彼女はドアを開けて外に出た。もちろん、バスローブをひっかけただけの、ほとんど、真っ裸で。

 ぼくは前を見た。

 小径の真ん中で、ツクモさんが土下座してた。

 彼は、泣いていた。号泣? といってもいいぐらいに。

 アヤさんを見た。

 さっき、別れると言った時とは別人のような、途方にくれたような、それでいて、優しさの入り混じった、憐憫? を浮かべているような、そんな、複雑な貌をしていた。

 

    第六話 九番目の依頼人 人妻ツクモ・アヤ 終わり










 ここまでを「第一部」とし、ひとまず完結します。
 第二部は「take」から「kei」名義に変更してお届けする予定です。

 X(旧ツイッター)美作 桂🍉@JAotake52130から入れます。

 いままで応援ありがとうございました。
 第二部もよろしくお付き合いお願いいたします!
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