take 5

2022

怒らなくてもいい人、怒らなければならない人

　小生はお隣の国の反応をまとめたブログを観るのを好みます。かの国の人々が我が国に対して起こす発作のような「火病」が大好きだからです。「日帝３６年」だとか「慰安婦」だとか「フクシマのホーシャノー」だとかの、アレです。

　そうした記事に接する度に、「よくもまあ飽きもせず他国をディスるネタを探してくるもんだなあ」とカンシンするワケです（笑）。


 

　そのブログに気になる記事がありました。


 

　現在ロシアに侵攻されこれを撃退するべく応戦中のウクライナがツイッターに投稿した、「支援してくれた世界各国への感謝の動画」に韓国、日本、台湾の名前がなかった、というものです。

　それはかの国の「５ちゃんねる」のようなサイトの紹介記事だったのですが、気になったのでいくつかのサイトを調べてみました。

　元は４月２７日配信の中央日報日本語版の記事だったのですね。曰く、

「ウクライナ外務省の公式ツイッターで紹介された『ウクライナ支援国』の国名リストから韓国、日本、台湾が除外されていた」と。

　それを怒って、かの国の人々が「火病」しているわけです。


 

　我が国がなにがしかの援助をしているとは聞きましたが、寡聞にしてどれだけの金額なのかは知りませんし、ましてや韓国や台湾のウクライナへのそれなどは全く存じません。

　ですが、今日本が行っている金融支援や避難民の受け入れなどは出来る限りするべきだと思いますし、武器輸出三原則に触れない程度の装備品の提供も継続するべきだと思います。


 

　さて、その「国名除外」問題ですが。

　はっきり申し上げれば「日本人」としてはその程度のことで怒る必要はないんじゃないかと思います。

　それ以前にもウクライナの政府だか有志だかは知りませんが、別の動画で「我々はファシズムとナチズムに対して戦っている」としてヒトラー。ムッソリーニの写真に並べて昭和天皇の写真を掲載したそうですね。それに比べれば今回のは些細なことだと思っています。ちなみに日本政府はすぐに抗議したそうですね。それで件の昭和天皇の写真は動画から削除されたと聞きました。当然ですね。

　

「日本政府」としては、昭和天皇をファシズム視した件と同様にウクライナが感謝の動画に日本の名前を除外した件にも抗議すべきだと思います。そういう認識は後に大きく影響してくるのです。それをしておかないと日本は対ロシア包囲網の一員ではなかった、という認識が広まり、日本もそれを認めたことになり、後でいろいろ不都合があるからです。しかも、援助したお金は日本国民の税金ですしね。

　ですが、我々市井の「日本人」としては、その程度のことであまり怒らない方がいいと思うのです。

「間違いは誰にでもある」　今こそこの言葉を想起すべきだと思います。

　ウクライナは戦争しているのです。それも、自分の国に攻め込まれているのです。多くの罪のない自国の一般市民を殺されているのです。

　その状況に対して日本政府は軍隊も送れませんし殺傷兵器も提供できないのです。義勇兵として参加するためにウクライナに渡航しようとする人を諫めているほどなのです。

　榴弾砲や対艦ミサイルや自爆ドローンや戦車装甲車を提供している欧米各国に比べればその存在感が薄いのは否めないのです。

　しかも、日本が行っている金融支援や数は数百人と少ないですが避難民の受け入れは、ボランティアです。「感謝される」ことを目的にボランティアを行うのはその趣旨に添わないと思います。

　それに、「力で現状を変更しようとする」行き方は日本人として絶対に認めてはいけないと思うのです。既に潜在的敵国である中国と向かい合う日本にとって、今ウクライナが直面している試練は決して他人事ではなく、「明日は我が身」なのです。

　ですからこれは、この支援は「日本のため」でもあるのです。


 

　ですので、「日本政府」は「怒らなければならない人」であり、我々「日本人」は「怒らなくてもいい人」だと思うのです。

　ウクライナの政府のことは知りませんが、ウクライナの人々はきっと感謝してくれると思いますよ。

　そう思っていればいいんじゃないでしょうかね。


 

　ちなみに、件の「感謝」動画は既に訂正されているようです。修正版にはちゃんと「JAPAN」のテロップが入っていますよ。