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第一部 求める
02 Resistance あるいは Childish
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「ナツキ・・・」
机に並んで座っていた奈美は、じゅうたんの上に腰を下ろして夏樹を呼んだ。
飲み物を持ってきた継母が部屋を出て行ったからだ。制服のスカートのまま緩~い体育座りをしているから、夏樹が同じようにじゅうたんの上に座ると股間の白い布が見えてしまう。奈美がワザとそうするのを夏樹は知っている。ワザと見せつけて夏樹の股間が反応するのを愉しんでいるのだ。
「人んちだってのに、お前いつも大胆だな」
「いいから。あのおばさんは一回来たら一時間は来ないよ。ねえ、もっとこっちに来なよ」
「パターン読んでるし・・・悪いヤツだな」
ときに夏樹にはこの二つ年上の二軒隣の家に住む幼馴染が悪魔のように思えてしまう。彼女は後ろに手をつき、さらに脚を開いてバッチリとそこを見せつけて来る。夏樹も伸び盛りであと少しで170センチに届くが、奈美はすでにそれを軽くクリアしている。いつまで経っても彼女を追い越せないもどかしさをずっと抱え込んだままでいる。
この、クソアマ・・・。
そうはいっても彼女の白い太腿の眩しさには敵わない。中学に引き続き高校でもバスケット部に入ったというから、きっとさらにデカくなるに違いない。
仕方なく奈美の傍に寄り脚を開いて互い違いにお互いの股に脚を差し入れる。バミューダショーツの夏樹の脚と奈美の太腿が触れ合う。肌が冷たい。すかさず奈美の手が夏樹の股間に伸びる。
「・・・勃起した?」
おっとりとした古風な美人顔に小悪魔のような薄笑いを浮かべるこの幼馴染の顔を見ているとムカついて来る。でも、憎めないヤツだ。
まだ彼が小学校に上がる前から、奈美はいつも彼の傍に居た。
「なーつき君!」
毎朝、迎えに来る奈美の声を合図にランドセルを背負っていた。
二年生の時、優しかった母が死んだと知らされた時には毎晩のように来て抱きしめてくれた。頭を撫でて一緒に風呂に入って添い寝までしてくれた。父のいない夜は奈美の家で彼女の家族と一緒に夕飯を食べ、姉弟同然に過ごしてきた。それは奈美の胸が膨らみ始めるまで続いた。
長じるにつれ、夏樹にもだんだんわかって来た。死んだと聞かされた母の遺影はあるが位牌もなければ線香も焚いたことがない。命日という存在を知ってからは母のはいつなのかと何度か父に訊いた。その度に父は視線を外し、はぐらかされ、お墓参りは? お墓はどこなのと聞いてもなしのつぶて。いよいよおかしいと思うようになった。
これは何かある。
子ども心にも異常を感じたころに家に乗り込んできたのが継母だった。
初対面から、夏樹はこのキツネ目の女が嫌いだった。
「ナツキ君、これから仲良くしてね」
もうお菓子を貰って喜ぶ歳じゃない。笑顔が真実か演技かぐらい見分けられるようにもなっていた。ただ、まだ心中のホンネを隠せるほどの大人ではない。夏樹の本意に気づくや、継母も演技をやめた。
そのころ奈美はもう中学生になっていたが、いつも夏樹の気持ちに寄り添ってくれ、愚痴を聞いてくれ一緒に泣いてもくれて彼の継母や父への怒りに同調してくれた。
奈美は、彼にとっては単なる幼馴染という存在を超えた心から信頼できる姉であり、同士でもあった。
奈美は奈美で、夏樹をいいように利用した。
夏樹がペニスの皮を剥いたのも、最初の精通を迎えたのも奈美の手によってだった。夏樹はそれが彼女の自分への好意や愛情からと思い込んだが、実は好奇心とか生理科学的実験精神の所作であることを知り、恨んだこともある。
たしか五年生の時だった。
夏樹が外から帰りシャワーを浴びていると制服姿のまま乱入してきた。
「洗ってあげる」
手をソープでヌルヌルにしていきなりそこを握って来たのだ。
ビックリして腰を引いたのだが大柄な奈美には力で敵わず、
「あのね、早いうちに皮剥いとかないとチンコが成長しないんだって。大人になってから小さいままだと女にバカにされるよお。それでもいいの?」
なんとなくそれはイヤな気がして大人しくされるがままになっていたら、あまりにも気持ちがよくて当然ながらそこが反応した。
「ああうっ、・・・はあうっ・・・あっ、痛い、痛いよォ」
「皮がくっついてるからだよ。ちょっと痛いけどガマンして。いまラクにしてあげるから。一瞬だからね。一気に行くよ!」
そう言って奈美は夏樹の竿の中ほどを握り締めるとグッと力任せに竿の根元に向かって皮を引き下ろした。亀頭のまわりにくっついていた皮がビッと破れる感覚があり、激痛が走った。
「あああっ! 痛っ! 痛いよォ 痛い・・・」
見ると亀頭の縁の部分に血がにじんでいた。
「処女無くす時もこんな感じなのかなあ・・・」
何を言っているんだ。
激痛を被った夏樹ではなく、自分の未来の心配をする奈美にハラが立った。さらにそこがシャワーで流されると、沁みて痛さが増した。どうしようもなく涙が出た。
「酷いよ、奈美・・・」
「でもこれでムケたよ。オロナイン塗ってあげるから、待ってな」
軟膏を塗ってくれたのはいいが、
「これでよしと。じゃね」
皮を剥いた日。夏樹は一人取り残されて唖然とした。
きっと自分の彼氏とのときの参考に実験してみただけなのだろう。夏樹は奈美が自分を一個の男として、気になる異性として扱っているのではないことを知った。いつまでもかわいい弟分の幼馴染としか思っていないのだろう。
ペニスの傷が癒えると同時に、当然ながらそこを意識して刺激するのを覚えた。風呂場やベッドに入ってからだけだったのが、歩くとぱんつの布に亀頭がこすれ、痛いほど勃起してきて困った。時々学校のトイレでもした。そこをこすると気持ちがいい。ただそれだけで、他に理由はなかった。
しばらくしてまた風呂場で奈美に襲われ、制服姿のままの奈美にまたそこを石鹸を塗りたくられてシゴかれた。自分でするのとは違い、天にも昇るような快感に襲われ、おしっこの穴から白い液体を漏らした、というより勢いよく何度も発射した。頭が真っ白になり、子供ながら無我の境地というものを知った最初だったような気がする。
「うわー、出たね。初めてでしょ。ね、どんな感じ?」
「どんなって・・・、頭の後ろが熱くなってゾクゾクして、お尻の穴とかも熱い感じ、脚とか足の裏にまでシビれが来て、でも、滅茶苦茶気持ちかった・・・」
「女と一緒だね」
「ナミも白いの出すのか?」
「出さないよ。あんたの出したのは赤ちゃんの素だよ。学校で習わなかった? 女は出せない。その代わりチンコを受け入れやすくするために、濡れて来るんだよ、穴がね。男は入れやすくなった穴にチンコをさして、その白いのを女の中に発射するの。すると赤ちゃんができる」
「見せてよ」
イッたばかりのフニャチンが指でピンと弾かれた。とてつもない、激痛。
「・・・ってーな! 何すんだよ。オレのは散々見て触ってるくせに」
「調子に乗るなよ、小坊(しょうぼう)・・・」
もちろん、一度射精の快感を覚えると病みつきになった。
たちまち、くずかごはティッシュの山になり、それまでは庭に植えてあるオクラくらいだったものが、次第に亀頭がムクムクと大きくなり、普段の時でも皮が戻らなくなった。
それまでは竿の胴を上下するだけだったのを、亀頭の縁を刺激するようになると、快感が何倍も違うのを発見した。うっかりすると、声まで出てしまいそうなほどの気持ちよさ。
そうなると伸び盛り。チンコの成長も早い。毎日亀頭を充血させて射精しているせいもあり、夏樹のチンコはあれよという間に最初の二倍ぐらいの大きさになった。オクラがフランクフルトになった。
奈美は時折襲いに来ては夏樹のチンコの成長に頬を緩めていく。その度に、手でしてくれた。
「おっきくなったね。カレシのと同じくらいだよ、コレ」
その奈美が、何故か今も目の前にいる。
「先っぽから汁、出ちゃってるんじゃないのォ」
「・・・うるせーよ」
「やせ我慢しちゃって、ホントはヤリたくてしかたないくせに・・・」
「ヤラしてくれんのかよ。てか、いい加減にヤラせろよ」
「ヤラせるわけないでしょ。バカじゃないの?」
そうして夏樹が怒るのを見て愉しんでいる。とてつもなくイジワルな女でもある。
手でするのは幼馴染のオナニーの手伝いをしているだけ。自分のを見せたり触らせたりするのはよくない、というまことに自分勝手な理屈だった。
きっと奈美は夏樹を実験台にして知り得た性の知識を、他の男との逢瀬のための参考にしているのだろう。ちゃんとカレシもいる。部活も忙しいはずなのに、ヒマさえあればこうして遊びに来て夏樹を揶揄い手で扱いて出させて帰ってゆく。継母の目があるので、机の上には数学の教科書が開いたままにしてあるが、今まで奈美から勉強を教わったことは一度もなかった。その必要もなかった。ハッキリ言って、奈美とは違い、夏樹は学校の成績だけは良かった。多分高校は彼女とは別のところに行くことになるだろうとぼんやりと思っていた。
「ねえねえ、それよりさ・・・」
と奈美は言った。
「なんだよ」
「あんた、本当にやるの?」
「・・・」
「やめときなよ。大学入っちゃうまでの辛抱だって。そんな、家出なんかしても何にもいいことないって・・・」
奈美は夏樹の頬に掌を寄せ、撫でた。
夏樹はその手を振り払った。
「ほっといてくれ。もう決めたんだ」
「せめてあと二年ガマンしなよ。高校入りゃ違うって。年上の言うことは聞くもんだよ」
「ヤラせてくれるなら、考えてもいい」
「・・・ったく。いつからこんなナマイキ言うようになっちゃったかなあ・・・」
奈美はスッと唇を寄せ夏樹の赤い唇を軽く食んだ。たったそれだけで、中学二年生の男子は甘美な快感を刺激され恍惚とした表情を浮かべた。
「もし、その日が決まったら、必ずあたしに言うんだよ。いいね? ケー番、わかるよね」
「・・・でもおれ、ケータイ持ってないし・・・」
奈美の腕が伸びてきて夏樹はギューッと抱きしめられた。
「いままで上手く言葉にできなかったからさ・・・。言えなかったけど、あんたに男は感じないんだ。だけどあたしにはカレシより大切なの、あんたが。わかる? 弟じゃない、だけど、弟以上なんだよ、あんたは。あたしには大事な存在なんだ・・・」
奈美の頬ずりは、何年ぶりだろうか。シャンプーかリンスの香りに混じって、奈美の自然の匂いがした。太腿は冷たかったのに、頬はとても熱かった。
「とにかく、あたしに無断、無言で行くのはなし。いいね? これだけは約束して。絶対だよ」
何故家出なんてしようとしているのか。
もう、耐えられないからだ。
継母と、彼女にいいように操られている父との生活に心底ウンザリしていた。
それに、夏樹は知ってしまった。
母が、死んだのではないことを。今もまだ、生きていることを・・・。
机に並んで座っていた奈美は、じゅうたんの上に腰を下ろして夏樹を呼んだ。
飲み物を持ってきた継母が部屋を出て行ったからだ。制服のスカートのまま緩~い体育座りをしているから、夏樹が同じようにじゅうたんの上に座ると股間の白い布が見えてしまう。奈美がワザとそうするのを夏樹は知っている。ワザと見せつけて夏樹の股間が反応するのを愉しんでいるのだ。
「人んちだってのに、お前いつも大胆だな」
「いいから。あのおばさんは一回来たら一時間は来ないよ。ねえ、もっとこっちに来なよ」
「パターン読んでるし・・・悪いヤツだな」
ときに夏樹にはこの二つ年上の二軒隣の家に住む幼馴染が悪魔のように思えてしまう。彼女は後ろに手をつき、さらに脚を開いてバッチリとそこを見せつけて来る。夏樹も伸び盛りであと少しで170センチに届くが、奈美はすでにそれを軽くクリアしている。いつまで経っても彼女を追い越せないもどかしさをずっと抱え込んだままでいる。
この、クソアマ・・・。
そうはいっても彼女の白い太腿の眩しさには敵わない。中学に引き続き高校でもバスケット部に入ったというから、きっとさらにデカくなるに違いない。
仕方なく奈美の傍に寄り脚を開いて互い違いにお互いの股に脚を差し入れる。バミューダショーツの夏樹の脚と奈美の太腿が触れ合う。肌が冷たい。すかさず奈美の手が夏樹の股間に伸びる。
「・・・勃起した?」
おっとりとした古風な美人顔に小悪魔のような薄笑いを浮かべるこの幼馴染の顔を見ているとムカついて来る。でも、憎めないヤツだ。
まだ彼が小学校に上がる前から、奈美はいつも彼の傍に居た。
「なーつき君!」
毎朝、迎えに来る奈美の声を合図にランドセルを背負っていた。
二年生の時、優しかった母が死んだと知らされた時には毎晩のように来て抱きしめてくれた。頭を撫でて一緒に風呂に入って添い寝までしてくれた。父のいない夜は奈美の家で彼女の家族と一緒に夕飯を食べ、姉弟同然に過ごしてきた。それは奈美の胸が膨らみ始めるまで続いた。
長じるにつれ、夏樹にもだんだんわかって来た。死んだと聞かされた母の遺影はあるが位牌もなければ線香も焚いたことがない。命日という存在を知ってからは母のはいつなのかと何度か父に訊いた。その度に父は視線を外し、はぐらかされ、お墓参りは? お墓はどこなのと聞いてもなしのつぶて。いよいよおかしいと思うようになった。
これは何かある。
子ども心にも異常を感じたころに家に乗り込んできたのが継母だった。
初対面から、夏樹はこのキツネ目の女が嫌いだった。
「ナツキ君、これから仲良くしてね」
もうお菓子を貰って喜ぶ歳じゃない。笑顔が真実か演技かぐらい見分けられるようにもなっていた。ただ、まだ心中のホンネを隠せるほどの大人ではない。夏樹の本意に気づくや、継母も演技をやめた。
そのころ奈美はもう中学生になっていたが、いつも夏樹の気持ちに寄り添ってくれ、愚痴を聞いてくれ一緒に泣いてもくれて彼の継母や父への怒りに同調してくれた。
奈美は、彼にとっては単なる幼馴染という存在を超えた心から信頼できる姉であり、同士でもあった。
奈美は奈美で、夏樹をいいように利用した。
夏樹がペニスの皮を剥いたのも、最初の精通を迎えたのも奈美の手によってだった。夏樹はそれが彼女の自分への好意や愛情からと思い込んだが、実は好奇心とか生理科学的実験精神の所作であることを知り、恨んだこともある。
たしか五年生の時だった。
夏樹が外から帰りシャワーを浴びていると制服姿のまま乱入してきた。
「洗ってあげる」
手をソープでヌルヌルにしていきなりそこを握って来たのだ。
ビックリして腰を引いたのだが大柄な奈美には力で敵わず、
「あのね、早いうちに皮剥いとかないとチンコが成長しないんだって。大人になってから小さいままだと女にバカにされるよお。それでもいいの?」
なんとなくそれはイヤな気がして大人しくされるがままになっていたら、あまりにも気持ちがよくて当然ながらそこが反応した。
「ああうっ、・・・はあうっ・・・あっ、痛い、痛いよォ」
「皮がくっついてるからだよ。ちょっと痛いけどガマンして。いまラクにしてあげるから。一瞬だからね。一気に行くよ!」
そう言って奈美は夏樹の竿の中ほどを握り締めるとグッと力任せに竿の根元に向かって皮を引き下ろした。亀頭のまわりにくっついていた皮がビッと破れる感覚があり、激痛が走った。
「あああっ! 痛っ! 痛いよォ 痛い・・・」
見ると亀頭の縁の部分に血がにじんでいた。
「処女無くす時もこんな感じなのかなあ・・・」
何を言っているんだ。
激痛を被った夏樹ではなく、自分の未来の心配をする奈美にハラが立った。さらにそこがシャワーで流されると、沁みて痛さが増した。どうしようもなく涙が出た。
「酷いよ、奈美・・・」
「でもこれでムケたよ。オロナイン塗ってあげるから、待ってな」
軟膏を塗ってくれたのはいいが、
「これでよしと。じゃね」
皮を剥いた日。夏樹は一人取り残されて唖然とした。
きっと自分の彼氏とのときの参考に実験してみただけなのだろう。夏樹は奈美が自分を一個の男として、気になる異性として扱っているのではないことを知った。いつまでもかわいい弟分の幼馴染としか思っていないのだろう。
ペニスの傷が癒えると同時に、当然ながらそこを意識して刺激するのを覚えた。風呂場やベッドに入ってからだけだったのが、歩くとぱんつの布に亀頭がこすれ、痛いほど勃起してきて困った。時々学校のトイレでもした。そこをこすると気持ちがいい。ただそれだけで、他に理由はなかった。
しばらくしてまた風呂場で奈美に襲われ、制服姿のままの奈美にまたそこを石鹸を塗りたくられてシゴかれた。自分でするのとは違い、天にも昇るような快感に襲われ、おしっこの穴から白い液体を漏らした、というより勢いよく何度も発射した。頭が真っ白になり、子供ながら無我の境地というものを知った最初だったような気がする。
「うわー、出たね。初めてでしょ。ね、どんな感じ?」
「どんなって・・・、頭の後ろが熱くなってゾクゾクして、お尻の穴とかも熱い感じ、脚とか足の裏にまでシビれが来て、でも、滅茶苦茶気持ちかった・・・」
「女と一緒だね」
「ナミも白いの出すのか?」
「出さないよ。あんたの出したのは赤ちゃんの素だよ。学校で習わなかった? 女は出せない。その代わりチンコを受け入れやすくするために、濡れて来るんだよ、穴がね。男は入れやすくなった穴にチンコをさして、その白いのを女の中に発射するの。すると赤ちゃんができる」
「見せてよ」
イッたばかりのフニャチンが指でピンと弾かれた。とてつもない、激痛。
「・・・ってーな! 何すんだよ。オレのは散々見て触ってるくせに」
「調子に乗るなよ、小坊(しょうぼう)・・・」
もちろん、一度射精の快感を覚えると病みつきになった。
たちまち、くずかごはティッシュの山になり、それまでは庭に植えてあるオクラくらいだったものが、次第に亀頭がムクムクと大きくなり、普段の時でも皮が戻らなくなった。
それまでは竿の胴を上下するだけだったのを、亀頭の縁を刺激するようになると、快感が何倍も違うのを発見した。うっかりすると、声まで出てしまいそうなほどの気持ちよさ。
そうなると伸び盛り。チンコの成長も早い。毎日亀頭を充血させて射精しているせいもあり、夏樹のチンコはあれよという間に最初の二倍ぐらいの大きさになった。オクラがフランクフルトになった。
奈美は時折襲いに来ては夏樹のチンコの成長に頬を緩めていく。その度に、手でしてくれた。
「おっきくなったね。カレシのと同じくらいだよ、コレ」
その奈美が、何故か今も目の前にいる。
「先っぽから汁、出ちゃってるんじゃないのォ」
「・・・うるせーよ」
「やせ我慢しちゃって、ホントはヤリたくてしかたないくせに・・・」
「ヤラしてくれんのかよ。てか、いい加減にヤラせろよ」
「ヤラせるわけないでしょ。バカじゃないの?」
そうして夏樹が怒るのを見て愉しんでいる。とてつもなくイジワルな女でもある。
手でするのは幼馴染のオナニーの手伝いをしているだけ。自分のを見せたり触らせたりするのはよくない、というまことに自分勝手な理屈だった。
きっと奈美は夏樹を実験台にして知り得た性の知識を、他の男との逢瀬のための参考にしているのだろう。ちゃんとカレシもいる。部活も忙しいはずなのに、ヒマさえあればこうして遊びに来て夏樹を揶揄い手で扱いて出させて帰ってゆく。継母の目があるので、机の上には数学の教科書が開いたままにしてあるが、今まで奈美から勉強を教わったことは一度もなかった。その必要もなかった。ハッキリ言って、奈美とは違い、夏樹は学校の成績だけは良かった。多分高校は彼女とは別のところに行くことになるだろうとぼんやりと思っていた。
「ねえねえ、それよりさ・・・」
と奈美は言った。
「なんだよ」
「あんた、本当にやるの?」
「・・・」
「やめときなよ。大学入っちゃうまでの辛抱だって。そんな、家出なんかしても何にもいいことないって・・・」
奈美は夏樹の頬に掌を寄せ、撫でた。
夏樹はその手を振り払った。
「ほっといてくれ。もう決めたんだ」
「せめてあと二年ガマンしなよ。高校入りゃ違うって。年上の言うことは聞くもんだよ」
「ヤラせてくれるなら、考えてもいい」
「・・・ったく。いつからこんなナマイキ言うようになっちゃったかなあ・・・」
奈美はスッと唇を寄せ夏樹の赤い唇を軽く食んだ。たったそれだけで、中学二年生の男子は甘美な快感を刺激され恍惚とした表情を浮かべた。
「もし、その日が決まったら、必ずあたしに言うんだよ。いいね? ケー番、わかるよね」
「・・・でもおれ、ケータイ持ってないし・・・」
奈美の腕が伸びてきて夏樹はギューッと抱きしめられた。
「いままで上手く言葉にできなかったからさ・・・。言えなかったけど、あんたに男は感じないんだ。だけどあたしにはカレシより大切なの、あんたが。わかる? 弟じゃない、だけど、弟以上なんだよ、あんたは。あたしには大事な存在なんだ・・・」
奈美の頬ずりは、何年ぶりだろうか。シャンプーかリンスの香りに混じって、奈美の自然の匂いがした。太腿は冷たかったのに、頬はとても熱かった。
「とにかく、あたしに無断、無言で行くのはなし。いいね? これだけは約束して。絶対だよ」
何故家出なんてしようとしているのか。
もう、耐えられないからだ。
継母と、彼女にいいように操られている父との生活に心底ウンザリしていた。
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母が、死んだのではないことを。今もまだ、生きていることを・・・。
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