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第十三夜 あなたに犯されたい。門倉医師の治療 三回目

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 それは六尺褌というものだった。よく、祭りなどで男衆が身に着ける、あのタイプだ。

 黒い布が捩り合わされ、紗和の細い腰に巻きつき、そこから前に垂らされた布が広く叢を隠し、股間の淫核の辺りで再び捩り合わされ、その縄のようになった布が陰唇を割り、そこから溢れ出ている淫液を吸い、それが尻を割って背中に回り、尻の上で結び目を作っていた。毛細管現象でタップリと汗と淫液を吸った結び目は固く、安易には解けそうもないように見えた。あの黒のTバックショーツが、こんな姿になって帰ってくるとは・・・。譲治の目の前に曝された、その悪魔のような黒い褌に絶句した。

 しかも、ふんどしの腰の部分には見覚えのある四角い小さな箱が挟まれていた。コントローラーだ。よく見るとそこから黒いコードが捻じり撚られた褌の布に巻きつきながら股間に向かっていた。

 ドクン、ドクン、ドックンッ!

 動悸が激しい。頭がクラクラする。たまらずに胸を抑えた。

 妻はくるりと譲治を見て言った。

「縛られたのは、服の上からです。でも、縄目が付いてしまって、それで・・・。それに、ショーツが、汚れてしまって、代わりにと・・・。それに、これで旦那さんに、あなたに責めてもらいなさいと・・・」

 ジャケットを着て赤い痕を隠して来たという。紗和は今日の施術でこうされるとこをあらかじめ知っていたのか。彼女の言う通り、縄目は背中だけで、裸の胸には痕はなかった。ツンと上を向いた乳首が早くも大きく勃起しているのがよくわかった。

「あなたも、脱いでください。そして、これを解いてください。一人じゃ、解けないんです・・・」

 譲治は慌ててシャツのボタンを外した。

 褌を着けたままバスルームに入った紗和を追った。後ろを譲治に向けてそこに立った。

「ふんどしを、脱がしてください。あなたは、これがしたかったのでしょう」

 バスタブの縁に手をつき、紗和は尻を突き出した。

 その麗しい桃に手を差し伸べ、撫で、撫でまわした。熱い汗ばんだ尻。小さな吐息が聞こえた。

 驚きはしたが、あらためて突き出されている尻を見ると、出がけに見た同じ黒色のTバックのショーツよりもはるかに艶めかしい印象を受ける。峰岸から受けたプレイの話のなかの「股縄」のように白い尻の肌と黒い縄とのコントラストが際立ち、醸し出されるエロティシズムに引き込まれそうになる。汗を浮かせて息づく白い尻の肌におもわず口づけをした。

「・・・んん」

 結び目に手をかけ、震える指でそれを解こうとするのだが、怒りなのか嫉妬なのかあまりな昂奮のゆえなのか、動揺が激し過ぎてなかなかにそれは解けなかった。譲治は額から流れ落ちる汗が目に入るのをもどかし気に払いながら、結び目と格闘した。

「あ、ん」

 結び目を解こうとすると濡れ切った布が股間を刺激して感じるらしい。

「コードが・・・」

「それも、絡んだのを・・・取ってください。

 やっと結び目を解いたが、布は二重螺旋のように寄り合わさり、紗和の股間と尻に深く食い込んでいた。濡れて捩り合わされた小さな黒い布の重さのせいでその布は落ちかけたが、股間から伸びたコードに絡まってぶら下がった。コントローラーをくるくると回してコードを湿った布から解くと、黒い六尺褌の布は浴室の床にペタと落ちた。震える手で、その黒い布を拾い上げた。予想した通り、ぬちょぬちょに濡れているそれは、むわんという女の、紗和の匂いを放っていた。

 紗和は、震えながら耐えていた。こんな卑猥な下着を着けられている羞恥。それを自分の淫液でぐっしょりと濡らしてしまった羞恥。その、自分の淫液を吸った布の匂いを嗅がれる羞恥、股間に猥褻なオモチャを飲んでしまっている羞恥。そして、自分のイヤらしい股間を見られ、匂いを嗅がれる羞恥に、耐えていた。

「わたしは、先生のを、受け入れてしまいました。それなのに、本当に、いいんですか。それに、こんな、オモチャで、イタズラまでされて、悦んでしまって・・・」

 コントローラーはヴァギナから垂れさがるコードの先で揺れていた。紗和のヴァギナはあのタマゴを咥えこんでコントローラーを吊り下げられるほどに締まりがいいのだ。それをゆっくりと、引き出す。

「・・・ん、んんっ」

 タマゴは狭い入口から少しずつ顔を出し、ぬちょぬちょに濡れた小陰唇と共にその黒い姿を現した。男根が抜き差しされる場合もこのように小陰唇が引きずり出されたり中に押し戻されたりするのだろうか。そんなことを想像したらさらに昂奮してしまった。

「ん・・・、あ・・・」

 紗和は黒いタマゴを産んだ。それはあのキョーコが股間に飲んでいたものと同じだった。紗和がそれを望んだのか、それとも先生の思惑か。譲治はその忌まわしい黒いタマゴを昂奮の中で凝視した。

「きみは、ぼくに嫌われたくないっていったよね。ぼくが壊れてしまうのが、僕を失うのがイヤだって・・・。

 でも、ぼくだって、同じなんだよ。だから、言えなかった。でも、今凄く昂奮してるんだ。きみのここに先生のが挿入れられたんだ、って。犯されたんだ、って。こんな、こんなオモチャで、イタズラされたんだって、そう思うと、そう思っただけで、堪らなくなるんだ・・・」

 紗和の背中、尻、太腿、そして膝がピクピクと痙攣していた。感じているのだ。譲治の言葉に、堪らなくなっているのだと知った。

「・・・約束通り、わたしを虐めて下さい。わたしは、あなたに、虐められて、犯されたいんです」

「・・・どうすれば、いいの?」

「わたしの、そこ、オ●ンコ。どうなっているか、口で説明してください」

 何度か見た紗和のそれは経産婦にしてはつつましくて大人しい。だが、今のそれは小陰唇が開ききって、布が外されたにもかかわらずさらに襞から淫液が垂れていた。

「・・・濡れてる」

 譲治は見たままを言った。

「どんな風に? あ・・・、あなたの言葉で、教えて・・・」

「ぐちょぐちょ、ぬらぬらしてる」

「ん・・・」

「お尻の穴がヒクヒクしてる・・・」

「んーっ!」

 紗和は峰岸との付き合いでアナルにも男根を迎え入れたと言った。でも初めて間近に見るそれは固くすぼまって、とても大きなペニスを迎え入れたことがあるようには見えなかった。

「むんっ・・・、ああっ、み、見てるのね・・・」

「見てる。・・・じっくり、見てるよ」

「いやあ・・・」

 汗の浮いた尻や太腿が震えていた。

 恥ずかしいんだ・・・。恥ずかしくて、恥ずかし過ぎて、感じている。こんなに恥ずかしいのに、自分のために、譲治を萌えさせようとしてガマンして、こんな格好を耐えているのだ。胸に、ジンと来るものがある。剛直がさらに張りつめる。

 恥ずかしさのためだろう。閉じかけて行くぴくぴくと震える太腿を再び開き、尻たぶに手をかけて親指で左右に割り開いた。顔を近づけた。紗和の女の匂いがさらに強く香った。

「垂れてるよ、液が・・・。毛にしずくが付いてる」

「あなたには、ど、どんな風に、見えます、か・・・」

「とても、・・・イヤらしい・・・」

「んっ・・・」

「ああん・・・」

「ねえ・・・」

「は、はい・・・」

「舐めていいかな」

 返事はなかった。返事は待たずにぴちゃぷちゃと舌で壺を混ぜた。舌を伝って紗和の恥ずかしい液が流れ込んでくる。もちろん、構わずに咽仏を上下して飲み下した。

「美味しいよ、紗和の、ジュース・・・」

「はあんっ!・・・」

 痙攣。膝が激しくガクガク揺れた。

 さらにクリトリスに舌を伸ばす。

 だが、そこで違和感を覚えた。男の、先生の感じが、気配がしない。

 シャワーを浴びるなと言ったのはそのためだった。

 紗和はそのために先生のもとに行った。先生に犯されるために。でもそれをその事実をどうしても自分の目で鼻で舌で確かめたかった。最悪の場合、あのキョーコに譲治がしたように、中で出されたかもと心配になって、それを確かめたかったのだ。それなのに、その痕を痕跡を感じなかった。そこで、尋ねた。

「本当に先生のが入ったの? もしかして、してないんじゃないの。そうだよね、そうだよ。たしかに、あのクリニックの診察室じゃ無理だったかもね・・・」

 そんな風に楽観しようとさえした。先生に、街の若い連中に、愛する妻が犯されるのを想像して昂奮までしておきながら・・・。

「・・・いいえ」

 紗和の一言で、譲治の楽観は脆くも崩れ去った。

「わたしは、確かに、先生のオチンポに、犯されました」

 解っているのに。そのために紗和は出掛けて行ったのに。

「うっ!・・・」

 紗和の口からその言葉を直接聞いてしまうと、あまりなショックで、心臓が止まるかと思った。

「でも、先生は最後までイキませんでした。射精していないんです」

「・・・え?」

 紗和は続けた。

「先生は、車で、別の場所に、わたしを、連れて行ったんです。ツタの絡まる、アパートみたいな、いろんなお店の、入った、ブロックみたいな、建物に・・・」

 再び、三たび、ドーン、と目の前が暗くなったが、股間が痛いほど勃起しているのを持て余した。
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