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30.プロポーズ
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「結婚?アハハハハ!」園子は腹を抱えて笑った。
「なんすか?」
「だってあなた藤間君!どうしちゃったの?バイクで転んだ時どっか頭を打ったんじゃない?!」
園子の笑いは止まらない。
「ひどいすね」
「ああ最高だわ。最高のギャグね!」
「係長!俺は真剣す」
「はあ… 真剣て?何が?」園子は息を整えた。
翔太はデイパックの中から透明のカードケースを取り出し、挟み込んであった一通の書類を抜き取った。
「あとはこれに係長のサインと判子があればオーケーっす」
「オーケーっすて。ちょっと」
園子は書類を受け取った。それは婚姻届だった。本物の。
すでに藤間翔太と名前が記入してあり押印もしてあった。
園子は何も言わずその紙をくしゃくしゃと丸めて屑かごに捨てた。
「何するんすか!」
園子は翔太を見た。
「それはこっちの台詞。何を考えてるのかと思ったら。やめて頂戴こんな事。シャレにならないわ」
「シャレじゃないっす」
「うるさい。黙れ!」
翔太は背筋をピンと伸ばした。
「こんな事して私が喜ぶと思ったの?」
「喜ぶとかじゃなく…」
「何よ」
「俺の気持ちとして…」
「はあ?あなたね、結婚てどういう意味かわかってるの?ね?おちゃらけじゃないのよ?バレンタインのチョコと一緒にしてるんじゃない?」
園子は腕組みをして翔太を睨んだ。
屑かごに手を伸ばそうとする翔太にまたカッとなった。
「拾わないでいい!」
「はい」
「どういうつもりなの?」
園子の怒りは収まらなかった。何故こんな風に感情が抑えられないのか。
「なんすか?」
「だってあなた藤間君!どうしちゃったの?バイクで転んだ時どっか頭を打ったんじゃない?!」
園子の笑いは止まらない。
「ひどいすね」
「ああ最高だわ。最高のギャグね!」
「係長!俺は真剣す」
「はあ… 真剣て?何が?」園子は息を整えた。
翔太はデイパックの中から透明のカードケースを取り出し、挟み込んであった一通の書類を抜き取った。
「あとはこれに係長のサインと判子があればオーケーっす」
「オーケーっすて。ちょっと」
園子は書類を受け取った。それは婚姻届だった。本物の。
すでに藤間翔太と名前が記入してあり押印もしてあった。
園子は何も言わずその紙をくしゃくしゃと丸めて屑かごに捨てた。
「何するんすか!」
園子は翔太を見た。
「それはこっちの台詞。何を考えてるのかと思ったら。やめて頂戴こんな事。シャレにならないわ」
「シャレじゃないっす」
「うるさい。黙れ!」
翔太は背筋をピンと伸ばした。
「こんな事して私が喜ぶと思ったの?」
「喜ぶとかじゃなく…」
「何よ」
「俺の気持ちとして…」
「はあ?あなたね、結婚てどういう意味かわかってるの?ね?おちゃらけじゃないのよ?バレンタインのチョコと一緒にしてるんじゃない?」
園子は腕組みをして翔太を睨んだ。
屑かごに手を伸ばそうとする翔太にまたカッとなった。
「拾わないでいい!」
「はい」
「どういうつもりなの?」
園子の怒りは収まらなかった。何故こんな風に感情が抑えられないのか。
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