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21.Darts
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ダーツBARキャッスル。
「カラーライトが眩しくて的を外しそうだわ」
メキシカンビールにライムのシャットを押し込んでラッパ飲みしながら、園子は足元のスロウラインを確認していた。
イーグルスの『ホテルカルフォルニア』が甘く切ないアルペジオを奏でている。
翔太はスツールに腰掛けて両隣のエレクトロニックダーツの対戦を眺めていた。
「集中集中!」
「オーケー」
大学生だろうか。昼間のせいか女子は見当たらない。皆んなお揃いのようにフード付きのパーカーを着ている。
「係長しっかり!」
翔太も負けじとエールを送った。こちらは薄汚れたピンクのニッカボッカ。
「まかして!」
ポニーテールに作業衣の女が振り返り、威勢よく親指を突き立てる。
園子の放った矢は緩やかな弧を描いてダーツボードのど真ん中に突き刺さった。
「やったー!ブルよ!ダブルブル!」園子が嬌声を上げた。
「スゲエ!二回連チャンすよ!」
「どうよ?」
園子はピースサインをしながら翔太にハイタッチした。
「最高だわ。やっぱりゼロワンが一番面白いわね。あ、ビールもう一杯おかわり!ライムもね!」
「飲み過ぎっすよ」
「これそんなにアルコール度数高くないから。乾杯!」
「またっすか。乾杯っす!」
「後はローンの審査が下りるのを待つだけだわ」
「良かったっす」
「ありがとう。藤間君」
「俺は何もしてないすから」
「いつも謙虚なのね」
園子は翔太を見つめた。翔太は慌てて目を逸らした。
「カラーライトが眩しくて的を外しそうだわ」
メキシカンビールにライムのシャットを押し込んでラッパ飲みしながら、園子は足元のスロウラインを確認していた。
イーグルスの『ホテルカルフォルニア』が甘く切ないアルペジオを奏でている。
翔太はスツールに腰掛けて両隣のエレクトロニックダーツの対戦を眺めていた。
「集中集中!」
「オーケー」
大学生だろうか。昼間のせいか女子は見当たらない。皆んなお揃いのようにフード付きのパーカーを着ている。
「係長しっかり!」
翔太も負けじとエールを送った。こちらは薄汚れたピンクのニッカボッカ。
「まかして!」
ポニーテールに作業衣の女が振り返り、威勢よく親指を突き立てる。
園子の放った矢は緩やかな弧を描いてダーツボードのど真ん中に突き刺さった。
「やったー!ブルよ!ダブルブル!」園子が嬌声を上げた。
「スゲエ!二回連チャンすよ!」
「どうよ?」
園子はピースサインをしながら翔太にハイタッチした。
「最高だわ。やっぱりゼロワンが一番面白いわね。あ、ビールもう一杯おかわり!ライムもね!」
「飲み過ぎっすよ」
「これそんなにアルコール度数高くないから。乾杯!」
「またっすか。乾杯っす!」
「後はローンの審査が下りるのを待つだけだわ」
「良かったっす」
「ありがとう。藤間君」
「俺は何もしてないすから」
「いつも謙虚なのね」
園子は翔太を見つめた。翔太は慌てて目を逸らした。
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