ハウスDr.園子

MIKAN🍊

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18.キャメル

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「どこに行くの」
「そこだ。空き倉庫のプラットホームがあるだろ」
朽ちかけた板パレの山の横で園子はライトバンのエンジンを止めた。
「タバコあるか」
「珍しいわね。キャメルなら。かなり古いけど、グローブボックスの中」

美佐夫は曲がったタバコに火を点け煙を二度ゆっくり吐いた。
リクライニングを倒してズボンのベルトを緩める。
「ちょっと!」
「誰かがリークしやがった」
「え?」
「屋根に登って瓦を割ってる奴がいるとか、床下に腐った木を持ち込んで写真を撮ってる奴がいるってな。とんでもねえ話しだぜ」
「誰から聞いたの?」
「常務だよ。新聞に出たらしい。悪質なホーハンが摘発されたってよ。そっちは大丈夫かと念押してきやがった」
「バレっこないわよ。私達だけじゃないわ」

「あの翔太ってのはどうだ」美佐夫は天井に向けて煙を吹いた。
「ああ、そうね。良い感じに抜けてるわ」
「お前に惚れてるぞ」
園子は美佐夫を見ない。

「それはないわ」
「見りゃわかる」
「まだ子どもだわ」
「童貞らしいぞ」
「だから何?」
美佐夫はフッと笑った。
「乳繰り合ってんのか?」
「あはは。なわけないでしょう。何を言い出すかと思ったら」

美佐夫はタバコを指先で揉み消して窓の外に投げ捨てた。
ズボンをずらし園子の頭を引き寄せる。
「人が通るわ」
「シートに隠れて見えねえさ」
園子はボクサーパンツに手を這わせた。
「本当にするの?」
「わかってるだろ」

園子はかがみ込んだ。
「咥えろ」
「ン…」
「あぁいいぞ。あのガキのだと思って吸ってみろ」
「あ… ン…」
「想像してみろ。どうだ」
「はぅ… ン…」
「美味いか。翔太のは?」
「あぅ… ン…」

「園子。いいぞ…」

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