ハウスDr.園子

3.訪問

ピチピチの尻がハシゴを登っていく。下着のラインが眩しい。
「ほら何やってんの。上がって来ないの？」
屋根の上から園子が声をかけた。
「あ、はい！今行きます！」

藤間翔太 19才 ハウスDr.見習い。
童貞。ひょろひょろの男前にもかかわらず手に職を求めて仕事を転々。持ち前の天然風味で数々のトラブルを起こしてきた。

園子はゴムバンドで髪を一つに束ねた。
「さてと。ここら辺で良いかしら」
ポーチからハンマーを取り出すと瓦にタオルを敷いて何度か振り下ろした。
「なんで、割っちゃうんすか？！」
「しっ！何て事言うの？これは検査よ。あなたは黙ってなさい。いいわね？」

庭に降りると家の裏に回ってクラックの状態を調べた。クラックとはヒビ割れの事だ。
風呂場の下の換気口から中を覗いていると家人が現れた。
丸顔の婦人は前掛けの裾をつかんだり離したりして何やら心配そうである。

「ご主人はいらっしゃいます？」
「ええ、ええ。トラックの運転手なんで今日はまだ山口だったかしら？」
「ちょっと縁の下に潜ってみたいんですけど。床下収納はありますか？」
「ええ、ええ。ありますあります。こちらへどうぞ」 

「デジカメと例のやつ持って来なさい」
園子は翔太に耳打ちした。
吹きかかる息にゾクッとした。
「バカ！何赤くなってんのよ！」