犬ニンゲン

MIKAN🍊

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16.トイレタイム

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明け方、眠い目をこすりリビングへ降りた。
ジャスミンとの浮気がバレて以来、シンシアは末っ子達の部屋で寝起きするようになった。

発情期の浮気は認められているのに、夫婦間の小競り合いは尽きなかった。
どんなに法を改正しても最終的には自己責任でやっとくれというわけだ。
度重なる浮気にシンシアも閉口していた。
今度ばかりは離婚訴訟を起こされるかも知れなかった。
法外な慰謝料を請求されても祐馬には支払う能力がない。
「参ったなあ」

祐馬はトイレシートを広げ、ケージからリカコを出した。
リカコは背伸びをし、あくびをしてから尻尾を降って祐馬に甘えた。
祐馬はオッパイをモミモミしてから尻尾をヒョイと持ち上げた。
祐馬はこのところ人間の性器の観察に余念がない。
プクッと膨れた割れ目を指で押すと、リカコは「クゥ~ン」と鳴いてお尻をすり寄せてきた。
「エッチだなあ。リカコは。さあトイレして、リカコ」

本当は散歩に連れて行きたいのだけれど、エイミーに会うのが心苦しくて外に行くのをやめていた。
エイミーは残念がっているだろうか。
せっかく発情期になったら相手をして欲しいと頼まれたのに。
エイミーの可愛い笑顔とお尻を思い出すとモヤモヤした気持ちが這い上がってきた。
エイミーさえよければシンシアやリュウに内緒で一発という手もあるんだけどな…

けれどジャスミンがそうだったように、発情期異常というのは一回や二回では治まらないのである。
女はその時、カマキリのメスの様に男の精を貪り尽くそうとするのだ。
それはそれで気持ち良いけどな、ウヒヒヒヒ…

シャア~~♪
リカコがしゃがんでオシッコをした。
陰毛が濡れ、ポタポタとオシッコのツユが垂れた。
「よしよし。一杯出たねえ」
祐馬はそう褒めてリカコの股ぐらをティッシュで拭き取った。
トイレシートを取り替え、ウンチを促す。
「ハイ。リカコ。今度はウンチだよ~」

リカコは辺りをクンクン嗅ぎまわり、やっと定位置を決めると腰を落として踏ん張った。
耳がピンと後ろ向きに立つ。
お尻の穴が開いたり閉じたりを繰り返した。
祐馬はリカコの気が散らない様に息を潜めてじっとして待った。
リカコは神経質なのだ。
してる最中に邪魔するともうそれきりしなくなる。
時間がズレるとケージの中で漏らしてしまうので、必ず朝夕決まった時間でさせないといけない。

プスッとガスが洩れ、やがてムリムリと便が出始めた。
よしよし、いいぞ…
臭いは仕方ない。生き物だから、
けれど匂いフェチのシンシアは部屋の中でさせる事に良い顔はしなかった。
祐馬がリカコに優しいのでヤキモチまで妬く始末だった。
浮気の件以来、さらにひどくなった。
「あー臭いわ!リカコのウンチ!可愛い顔してるのにでっかいウンチばかりして。いっそゴハンの量減らそうかしら」
「おいおい。そんな事言うなよ。可哀想だろう。食べる事しか楽しみがないんだから」
「そうかしら?何だかあなたにはよく懐いてるわ。私にはすぐウゥ~って唸るくせにさ。イヤな人間。人を選んでる」
女同士というのは相手が犬でも人間でも一筋縄ではいかないのだ。

ホカホカのウンチをトイレに流して、ウェットティッシュでお尻を拭いてやるとリカコは尻尾を振って喜んだ。
周りの女達もお前みたいに可愛くて素直ならいいのにナ…

「おチンチンを舐めるかい?」
リカコはワン!と一回吠えた。
「そかそかー」
祐馬はパンツを下げリカコに股間をさらけ出した。
「ほら、お舐め」
ペロペロベロ…

あぁ、気持ちいい…
「リカコ。くわえなさい」
ワン!
リカコは祐馬の大きくなり始めたものをパクリと咥えた。
咥えて、舌の先でレロレロ…

ああ、たまんない…

トロンとした目で祐馬を見上げるリカコ。

ふいにアラーム音が鳴った。
「ヤバイ!もうこんな時間だ、遅刻しちゎう!」
祐馬はリカコをケージに戻し慌てて着替えた。

「行ってくるよ。リカコ」
ワン! ワワン!

(行ってらっしゃい!)

「え?今なんて言った?」
ワン! ワワン!

「だよなー。気のせいだな。あははは…」

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