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30、手ゴメって言うな余計惨めになる
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保健室に入ると桜蘭は奥からゴミ出し用の大きなビニール袋を持ってきた。
「保健師の先生はもう帰った後だ。これに汚れた服を入れろ」
そう言って自分もシャツとパンツを脱ぐ。小さなビキニパンツ一枚になった桜蘭は筋肉質の身体で頼もしく見えた。
「モンダミンがあったぞ。洗面台があるからこっちでうがいしとけ」
マウスウォッシュのボトルを受け取り僕は礼を言う。
「ありがと。桜蘭」
「それにしても臭せえな。早いとこ脱いじまえ。身体を拭いてやるから少し横になって休みな」
僕は言われた通りにする。
Tシャツとスキニーパンツを脱いで僕はパイプベッドに横になる。
ノーパンだから素っ裸だ。僕は下半身にタオルケットを掛けた。
桜蘭がやってきてベッドの端に座る。
「タオルをお湯で絞ってきた。うがいしたか?」
「うん。いーよ自分でやるから」
「遠慮すんな。じっとしてろ」
桜蘭は僕の首回りと胸元を熱く絞ったタオルで拭き始めた。
前が終わると腋の下から脇腹にかけて丁寧に拭いていく。
部屋の中はクーラーが効き過ぎていて、温かいタオルが心地好かった。
「横を向け」
今度は背後から両肩と背中をゴシゴシ。
「よし。オッケー」
桜蘭はタオルを置くと壁を向いたまま横になってる僕の傍にスッと入ってきた。
「添い寝なんかしてるとまた誰かに見つかる」僕は呟いた。
「大丈夫だ。鍵してきた」
桜蘭が後ろから僕の髪を撫でる。
「どうしたんだ。体調不良か?」
「精神的なもん」
「ショックなのはわかる」
「えっ?」
「俺も見たよ。動画。みんな見た」
僕は深い溜息をついた。
「もう終わりだ」
「拡散したヤツを見つけてやるよ。だから終わりなんて言うな。大したこっちゃない」
「大したコトだよ。最悪だ」
「それで気分悪くなったのか」
「それだけじゃないよ」
「何だ」
「いーよ。もうどうだっていい」
「話せよ。どうだって良いならさ」
「嫌われた」
「誰に?」
「艶子さん」
「あーそうか!そうゆーコトね。エンコは性格キツイからなぁ。何て言われたんだ?エンコも見たんだろう。お前が真琴に手ゴメにされてるトコ?」
「手ゴメになんかされてないよ」
「されてんだろーが。お前が誘ったのか?お前が誘ってお前からヤッたのか?」
「それは違うけど」
「みろ、ヤラレたんだろ、お前は。エンコは何だって?」
「失望したって。頭おかしーっ!。キモくて吐きそうだって」
「うははは!結局、吐いたのはお前の方だな!」
「笑うなよ。笑われても仕方ないけど」
「ワリーワリー。そーか。エンコがそんな事をな。それでメゲてんのか?」
「メゲるだろー。ふつー」
「何でだ?別にエンコは関係ねーじゃん。お前の恋人でもねーんだから」
「そりゃそーだけど」
「ン~?よくわからんナ。あー、ひょっとしてお前、エンコに気が?」
「ないよ!そんなんじゃなくって」
「ふーん。そーか。あ、でも何でエンコがそんなに怒る必要があるんだ?」
「知らないよ。とにかくもーどうでもいいよ」
「お前らの間に何があるか知らんが。俺だって冷静じゃいられないんだぜ?」
「桜蘭が?」
僕は身体の向きを変えて桜蘭を見つめた。
「俺だってあんなの見たら平気じゃねーよ」
桜蘭は僕の身体を撫で回すのを止めた。
「自分のカノジョが手ゴメにされて平気と思うか?」
「手ゴメになんかされてない。それに、どーして僕がお前のカノジョなの?」
「じゃなんだ?セフレか。セフレでも手ゴメにされて黙ってられるか」
「桜蘭…」
「俺はお前が好きなんだよ!斗夢。お前の事を思うと俺… 俺… 手ゴメにされるのを助けてやれなくてすまん!本当に許してくれ」
「だーかーら!手ゴメって言うな。余計惨めになる。でも、なんか嬉しいよ。桜蘭」
「斗夢」
「桜蘭…」
筋肉質の身体が覆い被さってくる。
僕は身を任せて桜蘭の口づけを受け止めた。
「保健師の先生はもう帰った後だ。これに汚れた服を入れろ」
そう言って自分もシャツとパンツを脱ぐ。小さなビキニパンツ一枚になった桜蘭は筋肉質の身体で頼もしく見えた。
「モンダミンがあったぞ。洗面台があるからこっちでうがいしとけ」
マウスウォッシュのボトルを受け取り僕は礼を言う。
「ありがと。桜蘭」
「それにしても臭せえな。早いとこ脱いじまえ。身体を拭いてやるから少し横になって休みな」
僕は言われた通りにする。
Tシャツとスキニーパンツを脱いで僕はパイプベッドに横になる。
ノーパンだから素っ裸だ。僕は下半身にタオルケットを掛けた。
桜蘭がやってきてベッドの端に座る。
「タオルをお湯で絞ってきた。うがいしたか?」
「うん。いーよ自分でやるから」
「遠慮すんな。じっとしてろ」
桜蘭は僕の首回りと胸元を熱く絞ったタオルで拭き始めた。
前が終わると腋の下から脇腹にかけて丁寧に拭いていく。
部屋の中はクーラーが効き過ぎていて、温かいタオルが心地好かった。
「横を向け」
今度は背後から両肩と背中をゴシゴシ。
「よし。オッケー」
桜蘭はタオルを置くと壁を向いたまま横になってる僕の傍にスッと入ってきた。
「添い寝なんかしてるとまた誰かに見つかる」僕は呟いた。
「大丈夫だ。鍵してきた」
桜蘭が後ろから僕の髪を撫でる。
「どうしたんだ。体調不良か?」
「精神的なもん」
「ショックなのはわかる」
「えっ?」
「俺も見たよ。動画。みんな見た」
僕は深い溜息をついた。
「もう終わりだ」
「拡散したヤツを見つけてやるよ。だから終わりなんて言うな。大したこっちゃない」
「大したコトだよ。最悪だ」
「それで気分悪くなったのか」
「それだけじゃないよ」
「何だ」
「いーよ。もうどうだっていい」
「話せよ。どうだって良いならさ」
「嫌われた」
「誰に?」
「艶子さん」
「あーそうか!そうゆーコトね。エンコは性格キツイからなぁ。何て言われたんだ?エンコも見たんだろう。お前が真琴に手ゴメにされてるトコ?」
「手ゴメになんかされてないよ」
「されてんだろーが。お前が誘ったのか?お前が誘ってお前からヤッたのか?」
「それは違うけど」
「みろ、ヤラレたんだろ、お前は。エンコは何だって?」
「失望したって。頭おかしーっ!。キモくて吐きそうだって」
「うははは!結局、吐いたのはお前の方だな!」
「笑うなよ。笑われても仕方ないけど」
「ワリーワリー。そーか。エンコがそんな事をな。それでメゲてんのか?」
「メゲるだろー。ふつー」
「何でだ?別にエンコは関係ねーじゃん。お前の恋人でもねーんだから」
「そりゃそーだけど」
「ン~?よくわからんナ。あー、ひょっとしてお前、エンコに気が?」
「ないよ!そんなんじゃなくって」
「ふーん。そーか。あ、でも何でエンコがそんなに怒る必要があるんだ?」
「知らないよ。とにかくもーどうでもいいよ」
「お前らの間に何があるか知らんが。俺だって冷静じゃいられないんだぜ?」
「桜蘭が?」
僕は身体の向きを変えて桜蘭を見つめた。
「俺だってあんなの見たら平気じゃねーよ」
桜蘭は僕の身体を撫で回すのを止めた。
「自分のカノジョが手ゴメにされて平気と思うか?」
「手ゴメになんかされてない。それに、どーして僕がお前のカノジョなの?」
「じゃなんだ?セフレか。セフレでも手ゴメにされて黙ってられるか」
「桜蘭…」
「俺はお前が好きなんだよ!斗夢。お前の事を思うと俺… 俺… 手ゴメにされるのを助けてやれなくてすまん!本当に許してくれ」
「だーかーら!手ゴメって言うな。余計惨めになる。でも、なんか嬉しいよ。桜蘭」
「斗夢」
「桜蘭…」
筋肉質の身体が覆い被さってくる。
僕は身を任せて桜蘭の口づけを受け止めた。
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